タクトオブマジック wii
TAKT OF MAGIC

Wii
任天堂 2009年5月21日発売


★魔法アクションストラテジー

■□リモコンで魔法を□■
 タイトーから発売されたニンテンドーDSの「ロストマジック」のシステムを受け継いで、任天堂から発売されたのが本作。ストーリー的なつながりはないようである。
 光の神は地上の人間に魔法を授けた。杖(タクト)で神の言葉(ルーン)を描いて魔法を発動させる。なかでも光のルーンはエンタール王国の王位継承者に与えられる特別なもの。
 5年前の争いで国王は倒れ、イゴールが擁立する謎の皇帝が国を治めるようになり、世の中は乱れた。
 主人公のオーヴィルはキャスター(魔法使い)として目覚め、新生王国を倒すべく立ち向かうことになる。

 特徴的なのは魔法を使うときはコマンドから選ぶのではなく、描くこと。アニメの魔法使いが杖を振って魔法を使うようなかんじとでもいおうか。
 ルーンを描くときはヌンチャクを振り上げて画面を切り替える。Wiiリモコンを画面に向け、Aボタンを押しながら図形を描いて使う魔法を確定させてヌンチャクをおろし、元の画面で方向を定めてAボタンを押すと魔法が発動する。
 もちろんその間も時は止まらないので敵に囲まれていると攻撃され続けるので注意が必要だ。

 ルーンにはいくつか種類があるのでそれを組み合わせるとさらに強力な魔法が使える。どの組み合わせでどんな魔法になるかはプレイ中でも「魔法図鑑」で確認ができるのだが、やはりある程度は覚えておかねばならない。
 画面下に6つぐらいルーンの組み合わせの表示があればいいのになと思った。文字入力の変換候補のように、1つのルーンを描いたあとに組み合わせの候補があがってくる仕組みとかそんなのがあれば便利だった。

■□ユニットを盾に□■
 アクションアドベンチャーとリアルタイムストラテジーが合わさったようなゲームシステムで、どんな状況でも事態はリアルタイムに進行していく。
 一度に参戦できるユニットはキャスターを含めて4組まで。地形に左右されない浮遊系や、弓で遠距離攻撃できるユニット、守りの堅いユニット、魔法属性のあるユニットなどがあるので、ステージの地形や敵ユニットの特徴などを見定め、ユニットを選ぶ。

 リモコンでユニットをつまんで移動させる場所を指定する。するとユニットは自動でその場所へ進んでいき、敵が近づいてきたときには特に指示をしなければ自動的に攻撃する。
 キャスター(プレイヤー)はいわゆるボスなので、体力がゼロとなってしまうとユニットが残っていてもゲームオーバーとなってしまう。

 ユニットにはガーディアンとモンスターの2つのタイプがある。
 ガーディアンはレギオンという召喚モンスターを従えている。レギオンの数はだいたい4体だが、ユニットをBボタンでクリックすると現在どの程度生き残っているかを確認できる。レギオンはマナゲートで復活させられるが、ガーディアンが力尽きてしまうとそのプレイ中では復活できなくなってしまう。
 ガーディアンの残りの体力値に注意しながら前線で戦わせ、随時マナゲートでレギオンを復活させると良い。

 モンスターは1ユニットで何体のグループになっているかはそれぞれ違うが、こちらもBボタンで現在の生き残り数がわかる。ただ、一度死んでしまったモンスターはそのプレイ中ではどうやっても復活させることができない。
 ステージにいくつかあるマナゲートを占拠できるのはモンスターだけなので存在価値が高い。第2陣として送り込むといいかもしれない。

■□ユニットの行動□■
 ユニットを移動させるときにどういう行動をさせるかを指示しておくこともできる。その指示もコマンドではなくて、ポインターをつかって決める。
 たとえば味方ユニットをABボタンでつかんだあと、敵ユニットをポイントすると交戦マークが出るので、そこでボタンを離すとそのユニットはそこまで移動して自動で戦う。
 あとはとらわれているモンスターを救出したり、障害物を壊したり、スイッチを押したりする。スイッチは浮遊系のモンスターには押せない。
 デルゲートというのは敵を倒してもそこから復活してくるゲートのことで、こちらも浮遊系では地面の穴を閉じられない。

 マナゲートの占領も同様にポインターで指示する。
 マナゲートを占領できると上部に青いマークがつく。白はどちらでもなく、赤は敵が占領していることを示す。マナゲートの付近にいると自動で体力が回復していき、ガーディアンにマナゲートでの回復を指示するとレギオンが復活する。
 それは敵も同じなので敵が占領しているマナゲートがあればこちらが奪い返すと有利になる。もちろん相手もこちらのマナゲートを奪還しに来る。

■□魔法を使う□■
 魔法が使えるのはキャスターだけ。様々なタイプの攻撃魔法や回復・補助魔法があるが、その魔法の有効範囲は限られており、敵から離れすぎていてもだめなのでキャスターの位置取りも悩ませどころ。

 ルーンの属性は火、土、風、水があり、それぞれ基本のルーンと上位ルーンが1つずつの計8つがある。そのほかにも光と闇がある。
 単独で使うルーンはシングルーンといい、上位ルーンを使うには最低1つのマナゲートを占領しなくてはならない。
 2つのルーンを続けて描いて魔法を発動させるのをダブルーンといい、基本ルーンのみの組み合わせにはマナゲート1つの占領、上位ルーンを1つ含むときは2つの占領、上位ルーン2つを使うときは3つの占領が必要で、ステージ開始直後から強い魔法は使えない。
 トリプルーンはマナゲート1つ以上占拠している必要があり、使用後は占領マナゲートが1つ減ってしまう。

 それ以外には魔法を使う制限はなく、MPなどもないので惜しみなく使える。

■□その他のモード□■
 ストーリー進行とは別にクリアしたステージのスコアアタックや魔法チャレンジ、Wi-Fi対戦がある。
 魔法チャレンジはその名の通り、魔法を使うことに特化したミッションになっていて、キャスターひとりでクリアを目指したり、指定されたユニットと共に目的地を目指したりする。

 ストーリーを進めていくと魔法チャレンジのステージも増えていくので、同時に進めていくと魔法の使い方がわかってよい。
 たとえば、自分が進入できない場所でも魅了の魔法を使って敵ユニットを移動させてスイッチを押させるとか、ジャンプ台を仕掛けて敵ユニットを谷間へ落とすことも可能なのだと、魔法を使った応用が勉強できる。
 触れると爆発するバルーンを出す魔法で罠をしかけ、その後も風の魔法でバルーンを移動させることもできるなど、魔法の意外な使い方もわかる。

 魔法チャレンジはどちらかというとアドベンチャー的な仕掛けのあるステージになっているので、ストーリーとは違うかんじで遊べるのがよい。

 ストーリーのクリア後も番外編が用意されていたりと、ボリュームもある。
 キャスターの魔法レベルは使い込むほどレベルが上がるが、そのほかは武器や防具で強化したりというのもないので、ややこしいパラメーター管理がなくて取っ付きやすいが、見た目の印象よりもずっと難しいし、戦略的でやりごたえがある。
 リアルタイムで進んでいくのでかなり忙しいが、時間制限が10〜15分程度になっていて、たとえ敗北してもリトライする気になる適度な長さだ。なにしろ「さっきと同じように進めているつもり」でも油断すると瞬く間に敵に囲まれてやられてしまうことがあるからリトライでも油断ならない。
 リアルタイムストラテジーは日本ではあまりなじみのないジャンルのようだが、またこのようなゲームがやってみたいと思った。



リンク集
任天堂 発売元任天堂による公式サイト。


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