■□どんなストーリー?□■
アシュレイの元に死んだと聞かされていた父親からの手紙が届いた。14歳の誕生日を一緒にすごそうという。アシュレイは叔母のジェシカと父リチャードがいる孤島へ向かう。だが父の出迎えがない。
島を探索していると、幽霊の「ディー」と出会う。彼は生きていたころの記憶を失っている。なぜ死んでしまったのか彼は覚えていないのだ。
ディーとアシュレイは事件が起こったであろう古びた洋館へと向かう。この島でいったい何が起こったのか。
そして、アシュレイもまた自分の幼少時代の記憶がないことに気づいていく……
■□DS機能をフル活用□■
下のタッチスクリーンに見下ろし型の広範囲のマップが出るので、タッチペンでアシュレイを移動させる。上段にはアシュレイの視界に入っている風景が1枚絵で表示され、アシュレイが移動していくと自動で切り替わっていき、調べるのアイコンをタッチすると画面内を調べられる。
また、ダブルクリックの要領で調べたい箇所を調べることも可能だ。
コマンドの選択もすべてタッチスクリーンで行うので、操作性が良く、ニンテンドーDSはアドベンチャーゲームに適したハードだといえる。
随所にパズル的な要素があり、タッチペンやマイク、スリープモードなど、あらゆるDSの機能を使って謎を解いていく。
そういった謎解きが、他のハードへの移植は不可能という点から革命的なゲームであると思う。
オートムービーでは上段と下段を使って別々のカメラアングルで表示したり、二つの被写体の表情を同時にとらえることが出来るので、今までにない描写が新鮮だ。
■□基本操作□■
他のアドベンチャーと同様に、探索してアイテムや手がかりを見つけ、気がかりなことを人に尋ねたりしながら進む。
とはいっても、舞台は無人島にある洋館であり、相棒は記憶をなくした幽霊なので、聞き込み捜査というほどではない。
どちらかといったら、バイオハザードのように、次への扉を開く仕掛けを解いたり、洋館にある物や手紙などを調べて過去にこの洋館で起きた事件と、父親の失踪について調べていくというものだ。
アシュレイは手紙に同梱されていたDAS(ダス)というニンテンドーDSに似た機械を持っている。これはカメラ機能もついていて、上段の1枚絵を撮影して保存しておくことが出来る。写真を重ね合わせた謎解きに便利だ。
そのほかにも、館に落ちているDASカードを読み取ることもでき、これによって父親の謎が徐々に解明していく。クリアした後の2周目には違う内容も……。
1章が終わるごとにその章で起きたことを確認していく小テストのようなものがある。
これを間違えても先に進めないということはない。
■□感想(ネタバレあり)□■
DS本体に自分の誕生日を入力したかと思うが、アシュレイの誕生日はその日付となっており、まずはそこに驚かされる。
ただ、内容的には一本道で、2周目に入っても分岐はない。
たとえば、炭坑への道のりで、道がふさがれているところ。迂回して墓地を通っていくことになるが、ここで必ずゴーストのディーと出会う。もし、このふさがれている道が2週目で通れるならば、ディーと出会わないストーリーもあるんじゃないだろうかと考えてしまうわけで……。
内容的にはディーに関わる謎解きがメインといっても良い。なぜディーは死んだのか。それについては一応の解答は見いだせるが、本当はどうだったのかなと思ってしまう。
金庫の中の帳簿とか。エドワード家は本当に財産がなかったのかどうなのか。ヘンリーの遺書めいたものも、タイプライターだからあやしいなとか。
アシュレイのことに関してもあいまいだ。アシュレイの母サヨコを撃った犯人をアシュレイの3歳の時の記憶だけで特定するなんて無謀すぎる。本当にあの人が犯人?って。
6章は作りが荒いね。アドベンチャーじゃなくなってる。ただ会話を進めていくだけ。間違った選択肢でもバッドエンドにならない。
そして最大の謎。ディーが天国へ行ったあとに郵便で届けられる英数字の暗号表。この解き方は面白かったが、この暗号解読文はどこで使うんだろう? ゲーム中で入力できる場面が見つからない。
解読文は「16歳の君に」というふうにも読めるので、とりあえずDS本体の時間を2年進めてみた。でも違うらしい。
あと考えられるのは本体のユーザー登録の中にある「コメント」というもの。これは全部で26文字入れられるのでとりあえず、解読文を入れてみたが、これも違うらしい。
うーん、未だに不明だ。
しかし、充分に楽しめたソフトだったと思う。
同じ開発グループがまた新しいアドベンチャーゲームを発売した。
「ウィッシュルーム 天使の記憶」のレビューはこちら。
■□続編で遊ぶ□■
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『アナザーコード:R 記憶の扉』 2009.2.5 Wii |
※ジャケット写真をクリックすると amazon.co.jp による作品紹介ページへ移動します。
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