■□国造りRPG□■
RPGというよりは箱庭タイプのシミュレーションゲームに近い。プレイヤーは一国の王様となって、城壁のみが残るだけの王国を造り上げていく。
王様は建築術(アーキテクト)を使って建物の建設を行う能力がある。建物に伴って現れるのは、かつての国民たちだ。王様が建設できるのは、思い出に残っている物のみ。
記憶があいまいなときは、絵の上手なモーグリに絵を描いてもらって形にしていくといったイベントもある。
ダンジョンをクリアすると、武器屋や訓練場、大きな民家など、新たに建設できる建物が増える。建物はそれぞれ建てられる軒数や1軒の大きさが決まっている。建てられるスペースは地面の薄い緑色の部分のみだ。
結構空きのスペースは多いのだが、あとのことを考えて無駄なく建てていく必要がある。
そのようにして王国を復興させていき、この国が消滅した理由などを解明させながらラストボスへと向かっていく。
■□おふれを出す□■
民家1軒には何人かの家族が住んでいるが必ず冒険者1人が住んでいて、王様は民家に住まう人々から税金をもらって国を興している。
そういった民家や研究施設を建築するには精霊石の力が必要となるのだが、王様は城から出て探索にはいけない。
そこで代わりに探索に出かけるのが冒険者。冒険者を雇うにはお金が必要なので、税収でやりくりしていくことになる。
雇った冒険者にはおふれを出してダンジョンを探索させることができる。おふれを出すにはお金が必要だ。
ダンジョンで入手した精霊石は王様のものとなる。
翌朝、王様は冒険者たちの報告を受ける。冒険者がどんな魔物とどんな戦いを繰り広げたか、1つ1つの戦いを報告書で確認できるのだ。得たお金やアイテム等、その内容はかなり細かい。
続いて税収と精霊石の獲得数等を確認。
最後におふれを出すというのが流れになる。
冒険者たちが探索してボスの居所を見つけていれば、ボス討伐のおふれをだせる。
また、ダンジョンの探索度が上がれば、別の場所のダンジョンも見つけてくることがあるので、そちらを探索させることもできる。
立て札の公園を設置していたら、おふれをもうひとつ同時に出せるので便利だ。ただし、1つの立て札に1つのおふれを出すようになっていて、誰がどの立て札にやってくるのかわからないので、こちらが意図したように冒険者が集まらないこともある。
■□冒険者への報酬□■
ダンジョンで入手したお金やアイテムは冒険者のものとなり、新たな冒険の糧となる。冒険者は一日の終わりに日当が支払われ、城下町で武器や防具を自分の意志で買う。
王様ができることは、集まった冒険者におふれを受けさせるかどうかを判断するだけで、その後は冒険者が自動で冒険するようになっている。ほうっておいても一定時間が過ぎるとそのおふれ通りの行動を取るが、冒険者のレベルが低いと感じたら、「経験を積んで」と指示しておいた方がよい。
冒険者は指示を受けた後に城下町にある店を回ってからダンジョンに向かうので、時間短縮のために店は一カ所に集めておいた方がよいといえる。
王様は城にとどまるが、ダンジョンに到着したとか、ボスと戦い始めた、全滅したなど、リアルタイムで画面右上に表示され、だいたいの様子がわかる。
ダンジョンのボスを倒した者には特別に王様からメダルを授与される。メダルは力や耐久力などのステータスを上げるためのもので、ゲームキューブの第一作でいうと「アーティファクト」に相当するだろう。レベルの高いダンジョンをクリアすれば、より多くステータス値を上げられる。
一作目と違って、クリア後も同じダンジョンでレベル上げができるが、ボスを倒せるのは一度きりになっている。
■□王様が冒険者にできること□■
冒険者を雇うと、冒険者はみな戦士となるが、シーフのアビリティが学べる遊技場を建設すると、冒険者にシーフにジョブチェンジするおふれを出すことができるようになり、王様はおふれに集まった冒険者から選んでジョブチェンジさせることが可能だ。
ジョブは4種で、そのほかには白魔道士と黒魔道士があり、魔法でしか倒せない敵がいたり、ダンジョンの仕組みを解き明かすのに便利なシーフが必要となったりするので、バランスよくジョブチェンジさせる必要がある。
冒険者は初め5人までしか雇えない。ギルドを建設すると、お金を出せば雇える数が増す。
また、冒険者の日給を上げることもでき、冒険者のやる気をアップさせる。
おふれを見に来たとき、吹き出しに青ざめた顔のアイコンが出ていれば、ぐったりとしている。そんなときには話しかけて休んでもらおう。
なお、前日の冒険でHPがゼロとなってしまった場合は1日休みとなる。王様が家を訪問すれば冒険者もすぐに元気になるようだ。
酒場を建設すれば、冒険者たちが4人までのパーティを組むようになる。冒険者たちは買い物をすませたあと、いったん酒場に集まり、パーティを自動で組むが、酒場を設置した軒数だけこちらが指定したパーティを作ることも可能だ。
ダンジョンレベルが高いとひとりで探索するのは厳しくなってくる。行く場所の違いや、酒場にやってくる時間などが違うとひとりで出かけてしまうこともあるので、確実にパーティを組むように指定しておいたほうがよい。
パーティを作っておくと、おふれにはパーティのリーダーのみがやってくる。
もしボスを倒したときにはリーダーのみがメダルをもらえるので、パーティをそのたびに作り直した方がよいだろう。
■□店を充実させる□■
武器や防具、道具、魔法やアビリティにはレベルがある。王様はそれらの店に入ってレベルを上げるための開発費用を投じることが可能だ。次の日には投じた分だけのレベルが上がっている。
冒険者は自分のレベル相応の品物を購入するが、お金がないときはそれよりレベルの低い物を買ったり、買い控えたりするが、プレイヤーの思い通りにはいかない。冒険者が自由に行動する使用になっているのだ。
なので、武器屋や魔法学校が同時に建設してあると、優先的に購入するものがあるらしく、なかなか防具を買わないなんてこともある。
一定のレベルまで開発すると、開発に必要な素材が必要だと頼まれることがある。これらを入手するのはやはりおふれだ。
○○の素材があるらしいというダンジョンがあるが、そのダンジョンに該当のおふれが出ないときは、そのダンジョンを探索させて、探索度を100%にすると素材探しのおふれが出せるようだ。
■□幸せの玉□■
王様は頭の上に吹き出しが出ている国民に話しかけることができる。話しかけられると国民は幸せな気持ちになり、幸せメーターがたまっていく。
また、国民がパン屋や商館で買い物をしたときもメーターがたまる。
そして満タンとなると幸せの玉となり、大臣のチャイムを呼び出して幸せを振りまくことに使える。一定時間の間、国民に話しかけると、今度はその国民の家族の幸せメーターがたまっていき、満タンになるとその家族は夜遅くまで語らうようになるので、家に明かりがともる。
そういう家庭が増えれば王様の一日は延びることになり、夜遅くまで待ちで人々に話しかけたり、建物を建設できたりする。
もっとも重要なのは、幸せメーターが満タンになった家庭を訪れると、一日1つだけ特殊メダルがもらえる。
そのメダルの種類は近隣の建物に影響され、公園の近所なら公園がよいのメダルがもらえ、ボスクリア時に冒険者に与えることができるのだ。
■□2週目□■
一度クリアすると内容を引き継いで2週目がプレイできる。
ノーマル、ハード、ベリーハードが選択でき、ハード以上ではダンジョンの数が大幅に増え、ボスの数も増えるのでより多くのメダルが上げられるし、建築物も多くなるので、ここからが本番だろう。
ダンジョンのレベル自体もノーマルより上がっている。
引き継ぎ要素は冒険者に与えたメダル。
そもそも誰になんのメダルをあげたのかという記録がないのでわかりにくいのだが、ステータスをみれば初期の段階よりはアップしているのがわかると思う。
レベルが高くなったダンジョンにも対応できるように、初めの4人にはまんべんなくステータスを上げておいたほうがよい。
というのも、1回目と同じ順番で同じ名前の冒険者が登場するからだ。
購入した武器や道具もそのまま受け継ぐが、レベルが低いうちは装備できない。まさに宝の持ち腐れ。はじめのうちはまた武器屋で低いレベルの物を買うことになる。
冒険者がそれ相応のレベルに達したら装備できるようになるようだ。
ジョブは引き継がずクリアされるので、戦士からのスタートとなる。前回に購入したアビリティはなくなっている。
■□FFCCシリーズとして□■
さて、私はゲームキューブの第一作しかシリーズをプレイしていないが、今回のゲームはかなりおもむきが異なる。
舞台は瘴気が晴れた直後の世界。少年の父でもある国王は国民を見捨てたともいわれている。
小さな国王は長い旅の末、なにもないこの地にやってきた。ここは父が消息を絶った地でもあるらしい。
城下町の中央にそびえるクリスタルから建築術を授かり、かつての国を再建するというストーリーだ。
国民と王の種族はクラヴァット。性質としてはオールグラウンドなキャラクターといえる。
魔石を持つと魔法が使えるというのがゲームキューブ版FFCCであったが、この国の者たちはジョブチェンジで魔法が使える。
そして、大臣の女性は俊敏性のあるセルキー。
国王が失踪した旅に同行していたというヒュー=ユルグは攻撃力の高いリルティである。
宿屋を建設するとほかの種族の冒険者が城下町に訪れる。魔法能力の高いユークという種族もやってきて、この国の冒険者が魔法を使えることに驚いていることが聞ける。
ただし、冒険に参加するのはクラヴァットのみだ。ほかの種族もパーティにくわえたいときは、追加コンテンツを買わなくてはならない。
いろんな情報を知っているさすらいのモーグリ、スティルツキンもこの国を訪れる。国王との交流もあったそうだ。
■□感想は?□■
プレイヤーである小さな王様は城下町から出ることができないのでダンジョンへは入れない。行動範囲が狭く、それほど多くのグラフィックを要していないし、キャラクターの動きもいくつかのパターンしかないので、低価格が実現したのだろう。
ムービーもあるが、それほどストーリー性のあるゲームでもないので、なかったとしても別段不満ではなかった。
プレイしてみたかんじとしては、どこに何を建てるかというのに悩まされるゲームだ。一日の時間が決められているので、考えているうちにすぐに一日が終わってしまう。
とにかく、ゲームは一日単位で動いている。建物を撤去するのを指示しても実際に撤去されるのは翌朝の朝。武器や魔法に投資しても、レベルが上がるのは翌朝。酒場でパーティを組み直しても、それが有効となるのは翌朝。
なので、次の日のことを見越してある程度行動をとっておく必要がある。
建設する建物はその種類や位置でなんらかの変化がある。
魔法学校の近くに民家を建てると、そこに住む冒険者の知力や精神が通常よりもアップするというが、その恩恵はあまりよくわからない程度だ。
建物の並びにもっとおもしろい仕掛けが隠されていたらもっとおもしろいと思うが、まだ気づけていないだけだろうか。
ともかく、思っていた以上にハマってしまったゲームだった。追加コンテンツがなくても充分に遊べる。できれば、他の種族も標準でつけてほしかった。
ふつうのRPGだったら、追加のダンジョンでも魅力となるかもしれない。
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