■□新約・聖剣伝説とは?□■
1991年6月28日に発売されたゲームボーイ用ソフト「聖剣伝説」のリメイクである。シリーズの第一作目であり、ファイナルファンタジー外伝としての位置づけだった。なので、魔法の種類はファイナルファンタジーの系統を受け継いでいた。
FFと違うところは、アクション型RPGで、トラップや謎解きがふんだんに使われているという点であり、先に発売されている任天堂の「ゼルダの伝説」を強く意識したゲームであった。
リメイク版ではパート2以降のシステムや精霊魔法などを取り入れており、ストーリーの概要だけを借りた別のゲームに仕上がっている。
■□新要素とオリジナルとの比較□■
武器
旧作の時から剣や斧、鎖鎌、モーニングスター、スピアと、特色を持った攻撃をする武器があり、装備する武器によって攻撃アクションも変化。
通常のRPGでは剣は剣でもいろんな種類があって、買い換えていくことが多いが、新約では武器は剣、槍、ナックルなどそれぞれの種類において1つしか入手しない。その代わりに武器の原料を入手し、鍛冶屋のワッツに依頼して武器をランクが上の別の物に作り替えたり、野菜や果物を使って強化したりする。
魔法
旧作では魔法の書を入手したら魔法が使えるようになる。あらかじめ使いたい魔法を装備しておき、戦闘の場面においてボタンを押して魔法をかける仕組み。
新約では随所に精霊が封印されているので、それを入手したら魔法が使えるようになる。旧作と使用方法は同じだが、ボタンを短めに押したときが回復・補助系魔法。そのときかける本人のすぐ近くにNPCがいればどうじに同じ魔法がかかる。長く押して精霊が出現したときにボタンを離すと、攻撃魔法をかける(装備している武器によって範囲が異なる)。なのでターゲットを指定するのではなく、魔法が敵に当たるポイントでボタンを離さないと外れることがある。
タイムラグがあるので、魔法をかけようとしているときに攻撃をされると魔法がかけられないので、ピンチの時はアイテム回復のほうが瞬時に回復する。
8種の精霊が1体ずつ仲間になるが、イベントによってそれぞれの精霊の数を増やすことができる。コインを集めたり女神像に祈ったりして入手していく。精霊が増えると威力が増し、8体集めると称号によっては全体攻撃ができる。
レベルアップ
旧作ではレベルアップすると自動的に画面が変わり、戦士、モンク、魔導師、賢者からジョブタイプを選ぶことが出来る。それぞれアップするステータスが違うが、その職業になるのではないので、ジョブを極めるというのはない。
新約では音が鳴るのでリングを開き、LVUP!を選択したとき、戦士、モンク、魔導師、賢者、ランダムからジョブタイプを選ぶ。選んだジョブタイプの組み合わせによって、称号が得られる場合がある。能力値がアップするなどのボーナスがある。
また、武器や魔法にはそれぞれレベルがあって、使い込むほどレベルはアップし、威力が増す。
仕掛けとクエスト
旧作では先へ進むのに鍵が必要だったり、壁を壊したり、扉を開くための仕掛けがあったりした。クリスタルに魔法をかけるというのもある。
新作で残されたのは魔封石、メタルボールを、それぞれ特定の魔法や武器で破壊して進むということ。本編とは関係ない依頼を受けることも多く、アイテムがもらえる。
時間経過
旧作ではなかったが、新約ではフィールドを進むごとに時間が経ち、朝昼夜があり、曜日もある。
サボテンハウス
新約のみの要素。特定の場所で建てられ、中にはいるとサボテン君がいる。話しかけると無言であるが、家を出て行くときに、これまでの冒険を日記風に書き留めている。冒険のヒントになるようなことも。
トレントの果実園では種を2個渡すと次回来たときに実をつける。曜日によってつける実が異なる。
鍛冶屋では、武器と武器を作成する材料、強化する野菜と果実を持って行けば、武器を違う物に鍛え直したり、パラメーターを上げてくれる。
■□感想(ネタバレあり)□■
まずは男か女か主人公を選ぶことより始まる。旧作(主人公は男のみ)をやったことがあったので、女主人公から始めた。結末は知っていたが、やはりこのゲームの主人公は男だろう。
女主人公はマナ一族の娘であり、拉致されたり様々な困難に遭おうとも、世界を救うため、自らマナの樹になることを決意して聖域に行くというイメージがあっただけに、最後まで女主人公がその決意を表明しないでそこまでたどり着くのは盛り上がりに欠ける。
あと、作りすぎのストーリーに少々しらけた。
いろいろな要素がふんだんに加わって、やりこみが好きな人にはもってこいかもしれない。たとえば精霊集めだが、通常は2,3体ぐらい集めたところでマナの聖域へと旅立つだろう。これは明らかにクリア後のお楽しみといったところ。それも精霊入手に必要なコイン集めに相当時間がかかりそうだ。
称号取得などあるが、劇的に強くなったことが感じられないのが残念。
スイッチを押したり、多少は仕掛けもあったが、旧作にあった仕掛けの謎解きがなくなっていた。一画面ごとに切り替えるタイプではなくなったのでそれはしょうがないか。
リングコマンドが採用されているが、持ち物がいっぱいあって複雑化していたのがかえって面倒になっていた。システム的にはパート2が一番いい。
操作キャラをボタン一つでチェンジできるものの、ボタン押しで魔法を発動する性質上、操作キャラ以外の魔法を使うことができない。それがとても不便で、適所で魔法を使わせたいのに、自動で魔法を使うように設定しておくと魔法を使い続けすぐにMPが尽きてしまう。
ともあれ、両方をプレイすることによって時代の移り変わりと、ゲームシステムの複雑化を感じられた作品だった。
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