こんにちは
私たちは、4月、転勤で、岐阜県多治見市から、福島県白河市に引越しました。
多治見には、まだ2年9ヶ月しか住んでいませんでしたから、この春の異動は無いだろうと、思っていましたのに・・。
  ゆく春や 鳥なき 魚の目はなみだ
まずは、我家の犬達の紹介をします。いかにも、その子らしいお話も一緒にネ。
「ドル」にまつわる話
2000年11月末。
その日は、めったに行かない川の方へお散歩に行った。
その川岸の砂地は、以前、何かを採掘していたのか、丸く大きく、お椀の様にえぐられているところがある。
深さは、ゆうに4〜5mはあろうかと思われる。
しかし、それは完全なお椀型をしておらず、一部、垂直に切り取ったような、切り立っている場所がある。
底を探索するには、その切り立った場所以外なら、螺旋に降りていけば、難なく行きつく。
崖の上から底を覗いて、しばらく何かを考え込んでいる様子の、生後4〜5ヶ月の「ドル」に対して、・・・見通しは良いので、いくら幼くても、迂回は考えつくだろう・・・と、私は、そう思った。
ここから見下ろす崖は、小さな彼には、ひよどり越えにも匹敵するはず。
と、その時、何を思ったか、「ドル」はその場所から、突如、姿を消していた。
「落ちた!」と、あわてて覗くと、意図的に降りて行く「ドル」が見えた。
そして、今度は、その底から垂直に駆け登ろうとチャレンジするようだ。
が、1度目は、中程で力尽きた。
それで、2度目は、・・・無情にも、崖の最後のアゴのところではじき返された。
2度挑戦して、登るのをあきらめたか、すごすごと迂回して、戻ってきた。
それから、・・・帯広は深い雪に閉ざされた。
翌年4月、雪がとけた頃、また、その川にお散歩に行った。
待ってましたとばかりに、果敢にも「ドル」はあの、ひよどり越えに、再び挑戦した。
覚えていたのだ。
一冬を越し、生後9ヶ月になった少年「ドル」は、ひとまわりたくましくなり、今度は、いとも簡単に登りきった。
「どうだい!」と言わんばかりに、自信に満ちた満面であった。
「ド ル」
2000年7月16日生まれ
もうすぐ、6歳。男の子 3.6sくらい
 


撮影 スタジオドッグラン 高木 義昭カメラマンさん
「ゆり」にまつわる話
母「さくら」は、「ゆり」を生んで後、3度出産している。
すなわち、「ゆり」は「さくら」の赤ちゃんを3度経験しているわけである。
1度目・・・つまり、すぐ下の弟妹が産まれた時の「ゆり」は、「君子危うきに近づかず」と、全く近寄ろうとしなかった。
あからさまに、避けていた。
程なくして、子犬達の目が開き、彼らの方から近寄って来だして、自ずと距離が縮まったが。
その次の赤ちゃんが産まれた時は、劇的だった。
「ゆり」2歳を迎えた頃。
「さくら」が、授乳の合間に、ちょっと赤ちゃんから離れた寸暇を盗んで、「ゆり」は、キューキューと鳴きながら、うごめく赤ちゃんを、ソーッと覗いた。
恐る恐る足音をしのばせ、および腰で、・・産室に頭だけを突っ込んでいた。
その後、何度か、そのナイショの行動は、密かに繰り返された。
そして、決断の「それ」が起きたのは、赤ちゃんが、生後10日くらいの時である。
その日も、「ゆり」は、「さくら」の留守に、覗いていたが、スーッと吸い込まれるように入ってしまった。
「あっ、入った!」と思っていると、間もなく、「さくら」が戻ってきたので、「ゆり」は、「すみません」とばかり、首を落として出て行った。
翌朝、私に、ヒーヒーと訴える「さくら」が居た。
なんと、「ゆり」が、産室に入って、4匹の赤ちゃんを抱いているではないか!
「さくら」が入ろうとすると、唸って、入らせない。
まさか!と思って調べてみると、「ゆり」の下2つの乳首から、おっぱいがしみ出ている。
子犬を産んでもいないのに・・・。
子犬全部を「さくら」に戻すのが当然ではあるが、「ゆり」の母性がしのびなく、4匹のうち2匹ほどを、時々拝借する事にした。
「ゆり」は、ご満悦でおっぱいをあげるのだが、いかんせん、にわか乳母、小さな乳首が真っ赤になって痛々しかった。
それから、2年近く過ぎ、「ゆり」に自分の赤ちゃんが誕生した。
それは図らずも、「さくら」の最後の出産と同じ頃になった。
既に、予行演習した「ゆり」である。
授乳は、手馴れたものであった。
そして、この時も、「さくら」の赤ちゃん達のうち、おっぱい争奪戦に負けて、押し出された子にも、自分のおっぱいをあげると言う「肝っ玉母さん」ぶりを発揮した。
「ゆ り」
「ドル」と同胎の妹。3.7sくらい


撮影 スタジオドッグラン 高木 義昭カメラマンさん
2匹は、北海道で生まれ、3才を目前にして、多治見に引越しました。
そして、今度は、白河です。
北海道から東海。東海から東北・・・これまでは、元気で楽しく暮らせました。
そして、これから、どんな生活が待っているのでしょうか?
その前に、次のページでは、2匹以外の、我家のパピヨンをご紹介します。
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