研究紹介

漢文解読                                            文責:尾臺成大

  

原文解読 杏 樹 壇 邊 漁 父
桃 花 源 裏 人 家
本文読み 杏樹壇の邊に漁父ありて(きょうじゅだん の かたわら に ぎょふ ありて)
桃花源の裏に人家ある(とうかげん の うち に じんか ある)
大意解釈 孔子様が学問を教えたというあたりに、年老いた漁夫が住んでいます。
ちょうど、桃花源の小説の中に出てくるような質素な住まいや暮らし方です。
参考 杏樹壇: 山東省曲阜の孔子廟の前にある学問所
漁父: 年老いた漁夫のこと
桃花源: 晋時代の陶潜の小説で、湖南省の武陵の一漁夫が
       社会から隔絶した一部落を訪れて質素に暮らすという物語
落款 不可得富  癡叟 績 書
参考 癡叟: 天然 癡叟(てんねん ちそう)
民代の書籍(中国通俗小説名著)の石点頭(せきてんとう)14巻の著者である。
上海古籍出版社で販売されている
作者 績:倉田 績(くらた いさお)
幕末の1827年〜1919年(大正8年)93歳で亡くなる。
漢学者、伊勢の人。紀伊藩に仕え、和歌山に住んでいた。
伊勢神宮の祝官を務めた。