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赤い靴



お 茶
清水のお茶は、温暖かつ冷涼な気候と肥沃な土壌に恵まれ、先人の努力と恵まれた自然から生まれた芳香で味わい深い味と香りが自慢です。
茶柱が立つ吉事の前ぶれ」「
八十八夜の新茶を飲むと寿命が延びる」「入梅の雨で入れたお茶は邪気を払う」など、以前は良く言いました。迷信といえばそれまでですが、近頃ではそのようなことを聞く事も少なくなりました。
このあたりで栽培されているお茶は、南は駿河湾を一望にする日本平周辺から北は切立つ赤石山系の麓まで、南北に広く栽培されています。興津川水系の源流域の両河内地区やその東側に隣接し興津川の支流小河内川を中心とする周辺の小島地区、日本平から駿河湾に接する清水地区、さらには庵原地区などの産地があります。このため産地の気候風土の違いから芳香が異なるそれぞれに味わいのあるお茶が生産されています。

やぶきた茶
現在、日本で飲まれている緑茶の大半は「やぶきた」という種類です。これは静岡市清水区の谷田という所で発見された品種で、杉山彦三郎という方が明治41年に近くにある東元寺の竹藪の北側に、葉が大きくて味のよいお茶の木を発見して改良しました。これが「藪北」種です。この原樹は昭和38年に静岡県の天然記念物となり、現在静岡市の県立美術館の近くの美しい木立の中にあります。

両河内のお茶
幻の山里 ─しみず両河内─「両河内」という地名は地図の上にはありません。静岡県静岡市清水区の北部、興津川上流にある「西河内」「中河内」の両方をあわせ「両河内」と呼ばれています。昔々は両河内村がありましたが、時代の流れの中でその地名は無くなりました。
幻の茶 高嶺の香(たかねのはな)この地域にはお茶を揉む優れた技を持つ職人が多く暮らしてきており、人の数だけ隠れた銘茶があります。先人たちの技を今に受け継いだお茶の匠の隠れ里、それが両河内ですこの地区は研究熱心な茶農家が多く「手摘み茶」の出来を競う地区で、清水区清地のハウス茶園ではお茶の枝を一般的な「かまぼこ形」にせず自然なまま伸ばした茶の木の勢いに逆らわない「自然仕立て」の栽培方法
特徴です。
つややかで縒りのきいた茶葉はお茶を扱う玄人の目にかない、37年連続で静岡茶市場で最高の栄誉をいただき、昨年の両河内産は1キロ8万8800円でした。


お茶のルーツ
清水のお茶
鎌倉時代に栄西禅師が宗から持ち帰ったお茶の種子を明恵上人が頂き、その種子を全国6ヶ所に広めましたが、その中の1ヶ所が清水区興津の古刹“清見寺”で、寺の境内に1210年頃蒔かれたのだと伝えられています。
清見寺の境内にかれたお茶が周辺各地に広まり、江戸時代には「清見のお茶」は東海道の特産物として知られていました。

静岡のお茶
鎌倉時代の「東福寺誌」によりますと、仁治2(1241)駿河国の僧弁円(聖一国師)が宋より茶種を持ち帰り、同国美和村足久保に栽植されたと伝えられてます。
また、文永年間に静岡県の安倍山中に自生茶があったとの記録が「茶説集成」にあります。
天下人も愛した静岡茶
慶長12年(1607年)に駿府城に入城して茶の湯を楽しんだ家康公は井川大日峠にお茶壺屋敷を設け「御用茶」を名器の壺に詰めて風味を損ねないように保管させました。保管させたお茶は夏の暑さを避け、晩秋の頃に熟成されたお茶を駿府城に運ばせ、味わい深いお茶を楽しんだそうです。江戸時代には「駿河路やはなたちばなも茶のにほい」と芭蕉の句に詠まれるほどの産地になりました。

お茶の種類
抹茶(てん茶
玉露同様、日光を避けて育て、蒸したのち葉脈を取り除き乾燥させたもの(てん茶)を石うすで挽き、粉にしたもので、主に茶道に使われます。

玉露・かぶせ茶
よしず棚などで茶園を覆い、直射日光を避けてうまみを増し、苦みを押さえ育てた高級茶。被覆期間の短いものをかぶせ茶といいます。

煎茶・深蒸し茶
日本茶の代表で、最も一般的な茶。流通量の約85%を占めます。上級品ほどうまみや香りがよくなり、茶葉を深く蒸して渋味を押さえ、マイルドな味にしたものを深蒸し茶といいます。
蒸し製玉緑茶(ぐり茶)
製造最終工程が煎茶と異なっているために丸い形となっています。「ぐり茶」とも呼ばれ、さっぱりした味が特徴です。

番 茶
製法は煎茶と同じです。夏・秋摘みの比較的大きく固めの葉を主な原料としたお茶で、成分も豊富です。
焙(ほうじ)茶
番茶や煎茶を強火で炒り、香ばしい香りを出したもので、食後の茶に好まれます。
玄米茶
番茶や煎茶に高圧で炒った米などを混ぜたもので、香ばしい玄米の香りがピッタリ合った風味豊かなお茶です。

 おいしいお茶の入れ方
玉 露
急須にお湯を入れてさまします。(上茶で50℃、並で60℃) 急須のお湯を茶碗に7分目ほど入れ、残ったお湯は捨てます。茶碗は玉露用の小さめのものを使用します。
お茶の葉を急須に入れます(3人分で10グラム・家庭にある大さじでかるく2杯)。茶碗のお湯を急須にあけて2分位お茶が浸出するのを待ちます。二煎目はさましたお湯を入れてから30秒位待ちます。 お茶をつぐ分量は均等に廻しつぎし、お茶は絞りきりましょう(おいしく味わえる温度は35℃〜40℃位)。
煎茶 深蒸し茶・玉緑茶
人数分の茶碗にお湯を8分目ほど入れてさまします。(上茶で70℃、並で90℃)1人分の湯量は、上茶で60ミリリットル、並で90ミリリットル。
お茶の葉を急須に入れます。5人で10グラム(家庭にある大さじ2杯分、少人数の場合はちょっと多めに)。湯ざまししたお湯を急須につぎ、60秒位(深蒸し茶は30秒)お茶が浸出するのを待ちます。お茶をつぐ分量は均等に、濃淡のないように廻しつぎ、最後の一滴までお茶は絞りきりましょう。(おいしく味わえる温度は50℃〜65℃位)2煎目はお湯を入れてから10秒待ちます。

番茶 ほうじ茶・玄米茶
お茶の葉を急須に入れます。5人で15グラム(家庭にある大さじ多めに2〜3杯分) 1人分の湯量はだいたい130ミリリットルです。
お湯を急須に入れてお茶が浸出するのを待ちます。浸出時間熱湯で30秒位。 お茶をつぐ分量は均等に廻しつぎし、お茶は絞りきりましょう。二煎めは一煎めより熱めのお湯を急須につぎ、ひと呼吸し、つぎ分けてください。二煎目はお湯を入れてからすぐついでも結構です。
お茶の有効成分は二煎めでほとんど出つくしてしまいますので、茶葉を取り替えてください(おいしく味わえる温度は75℃位)。


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