はだしのゲン

          中沢啓治作

昭和20年戦争下の広島
 町内会の竹やり訓練で、反抗するゲンの父親は、「非国民」といわれ、
警察に連れて行かれ拷問を受け、一家も嫌がらせを受ける。
それでも屈しないで平和を訴える父は、ゲンたちに、踏まれても強く生きる
麦になれと教える。


 しかし、8月6日午前8時15分、広島に今までにない爆弾が落とされ、町は地獄になった。爆風で服ははがされ、ガラスの刺さった人、皮膚がはがれて垂れ下がり、手のつめのところで止まり、背中の皮膚もはがれて、お尻で垂れ下がって幽霊のように歩いている人々。建物の下敷きになって助け出す事が出来ずに、父、姉、弟を置いて、身重の母と逃げるゲン。疎開先を逃げてくる兄。「非国民」ではないと自ら特攻を志願した長兄。

 原爆で孤児となった、弟にそっくりな隆太。
 被爆し身内が面倒を見ない絵の好きな政ニ。
 やけどを苦に自殺しようとするが、ゲンに生きる希望を与えられた夏江と勝子。
 在日朝鮮人の朴さん。
 孤児たちの父親になり、命を張って守ってくれた松吉さん。
 ゲンに絵を教えてくれた星雅さん。
 ゲンの初恋の人光子さん。
ゲンは、元気のゲン、元素のゲンだという。















この本で、初めて原爆の恐ろしさを知り、改めて戦争は絶対にいけないと思う。
そしてどんな困難にも屈しないで、たくましく、まわりの人を励まして前向きに生きるゲンに心から感動する。

 この本は、英語・ドイツ語など7ヶ国語に翻訳され、世界中で読まれている。
この夏にも韓国語の訳が出た。日本とイギリスで、ミュージカルも上演されたという。

 中公文庫コミック版も出て求めやすくなった。
 子供たちにぜひ読んで欲しい、そしてまだ読んでいない人にも。
myourei world

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