Wall stone 壁石 .

    (1)七対子


 七対子は「25符の二翻」というのが現在のメジャーなルール。しかしそれはアガったときにそのように計算しているというだけで、三色一通と同じような意味の二翻役ではない。七対子は1雀頭6対子、これは1雀頭4面子構成のメンツ手と対等の立場にある組み合わせ型なのだ。

 1雀頭4面子と対等の立場にある組み合わせだから、その組み合わせをベースとした役の複合ももちろん可能。これを図に表すとこんな感じ。

                   順子系(平和・三色・一通など)
     (面子手)1雀頭4面子/
           /      \
  組み合わせ ̄\       刻子系(対々・三暗刻・混老など)
            \
     (対子手)1雀頭6対子(一般七対・断幺・混一・混老・清一)

 また1雀頭4面子とは違う世界にあるから、点数計算に際してもメンツ手とは関係のない計算法が用いられている。といってもこれは認識の問題。単なる25符の二翻役と思っていても、ゲームをするのに支障はない。しかしたくさんあるアガリ役の1つと思っているだけなのと、メンツ手と張り合うだけの広がりを持っている組み合わせと認識しているのとでは、雀力のインフラが違って来る

 ではそんな七対子にはどんなメリットがあるかといえば、名称の通り7つの効用、セブンセンスがある。

(1)最悪でも六上聴
 配牌から七対子を狙うとした場合、最悪の手からでも六上聴。しかしメンツ手では八上聴。つまり七対子はメンツ手よりも25%ほども効率がいい。特に一上聴までの手が早いということは、実戦上、大きなメリット。

(2)ドラ単をヤミでアガれる
 メンツ手では、役無しドラ単ではヤミロンできない。リーチしかない。しかし七対子では常にノープロブレム。こいつはホントにありがたい。

(3)ハネ満、いらっしゃい
 「ようし、ハネ満狙いだ」と云ったところで、云うは易く行いは難(かた)し。メンツ手でインパチを造ろうなんてのは、構想を考えるだけでも大変。しかし七対子では狙ってできる
 ドラ含みならもちろんのこと、ウラが乗れば絶対に両翻プラス。ノミの七対子だって場合によってはハネ満になる。ましてやドラ含みの手なら倍満だって夢ではない。

(4)字牌が使い易い
 オタ風の対子が2種あっても、両方暗刻にするのは大変。かといってオタ風ではポンもできない。数牌メンツができれば、結局切りだすこともある。

 混一を目指すにしても、オタ風ポンではバカ混そうろう。しかし七対子なら、混一指向もノープロブレム。オタの単騎など、一発で出る。役牌がモチモチならば、こっちは困らないが相手が困る。相手が困れば、こっちは喜ぶ。弱った魚は目で分かる。

(5)大物に育つことも
 云わずと知れた四暗刻、国士の次に出来やすい。四暗刻まで行かなくても、ドラが暗刻になれば対々和への変更だって難しくない。う〜む、なんともありがたい。

(6)途中からでも方針変更が容易
 メンツ手から七対子への方針転換も難しくはない。逆にそういう七対子は捨て牌が七対子を顕わしていないから、アガり易いくらい。
 メンツ手から降りに回るときだって、無方図に降りるのではなく七対子を念頭に置きながら降りることだってできる。実際、それがうまく行き、逆襲に成功することだってある。

(7)降りるときは安全牌が2枚ある
 降りると決めたときの字牌などは、状況によって安全性が高い。1枚切れの字牌であれば、まず安心。2枚切れなら鉄板モード。

 これだけメリットのある七対子、しかしアガり切るには多少のテクも必要だ。そんなテクニックも7つある。ということで七対子のセブンテクノロジー。
 ※テクはこれしかないと云っているのではない。とりあえずこれしか思いつかなかっただけ(笑)

(1)中張牌は中盤から
 手牌をみて七対子に決めると、初手から中張牌をドンドン切り出すことが多い。柔道一直線、これもまた一戦法。たとえアレッと思われても、国士と勘違いして警戒してくれるかも知れない。またバレモトということもある。そこで決して悪いとは云わない。しかし一般論として、短絡的といえば短絡的。

 一般的な切り出しではないから七対子だとバレやすい。バレてしまえば、いくら引っかけても誰も掛からん。かと云って中張牌でのマチも気が引ける。また序盤で切ってしまった中張牌を中盤過ぎに引いた場合、持っていても困るので危なくなった状況のなかで切らざるを得ないという状況にもなり易い。

 どうせ初期のうちは、何牌が手元にあっても対子になる確率は変わらない。七対子とバレなければ筋引っかけも効きやすい。ということで、中張牌の切り出しは中盤からで充分々々。

(2)役牌なんか真っ先に切れ

 なんだかんだといっても七対子は門前役。切れば来る地獄にハマれば手が遅くなることもある。そんなときは出来れば敵にも遅くなって欲しい。となれば初手から役牌をツブしておくのも1戦法。それでも鳴かれりゃ、そりゃ仕方がない。「鳴けば安いぞ、勝手に鳴け」と、場風に自風に三元牌、役牌なんか真っ先に切る。

(3)中盤からは、振っている字牌でも残す
 初手から中張牌を切らないとなれば、おのずから幺九牌から切り出すことになる。テンパイしたときマチ頃と思う幺九牌でも、ビシバシ切る。そのうち中盤になって、前に切った字牌を引くときがある。そんなときは、一応残して様子を見るのも面白い。

 なにも振りテンを目指すわけではない。何がどうでも来るものは来る。振りテン牌と思わず、他人の切り牌と思えばいい。そんな中盤でどこかからリーチ攻撃があっても、熟牌なら安全度も比較的高いのだ。

(4)カンドラ
 たまたま既に切ってある牌を抱えていたら、それがカンドラになった。そこで前記の必殺の法則、「何がどうでも来るものは来る」。フリ聴なんぞは関係ない。テンパったら振りテンで即リーといってみよう。なーに、振りテンなんて相手に分かりはしない。こっちはハネ満確定じゃ。
*蛇足
  振りテンリーチ禁止ルールの場合は、やっちゃダメよん。

(5)地獄牌の2枚持ち
 中盤過ぎたら地獄牌でも2枚持ってみよう。法則通り、来るものは来る。来なかったら切ればいい。リーチ攻撃されたときでも安全牌になる。ドラ入り七対子でどうしてもアガりたいとき、地獄に賭けてみるのも1戦法。

(6)4対子は七対子
 手牌に4対子あったら、七対子の両上聴。といっても完全独立型の4対子でない場合、大概メンツ手との分水嶺状態。こんなときメンツ手の方がメリットがあることが明白な状況でなければ、七対子を指向することをフォームとしてみよう。そうすれば結果は別として、少なくとも選択に迷うことはない。

(7)秘密のアッコちゃん
 七対子で一つだけ困った事がある。それは一上聴段階で何を残すかという事。もちろん必殺の法則「来るものは来る」によれば(笑)、生牌だろうが熟牌だろうが対子になる確率は変わりはない。

 とはいうものの、人によってはライラする。ましてやドラを抱えて早くテンパイしたい時、カブったりすると気が遠くなる。七対子はメリットがあると思ってる人でも、これがイヤで狙わないという人もいるくらい。

 牌種は全部で34種、そのうちすでに5対子ある。となればツモ牌でテンパイとなる単純な確率は29分の3。この数字が変化する事はない。しかしこの29分の3という数字を1/3にアップする方法がある。

 といっても現実に確率が上昇するなんて事はあり得ない。あくまで自分の意識の中での話。それでも意識の中でテンパイ確率1/3と思うことによって、一向聴段階のイライラは雲散霧消する。
 そこでたとえカブリが生じても、精神的になんともない。「ふん、いずれにしたってすぐテンパるさ」と思うくらい。さてその具体的な方法は最後の秘密のテクノロジー。それは自分で考えるのだ。(^0^;

以降へ 目次へ