Piller stone 柱石 .

    (3)雀風


 聞くところによると、将棋には棋風というものがあるそうな。将棋のことはよく分からないが、「あの人は穴熊が得意」、「振り飛車が得意」などという持ち味というようなものらしい。もっとも穴熊とか振り飛車なんていうのは得意戦法であって、本来の意味の棋風とは意味が違うのかもしれないが。ま、いっか・・・・

 麻雀にも「雀風」と呼ばれるモノがある。では麻雀では、どんなことを雀風と呼ぶのだろうか。

 いちおう棋風が得意戦法のことであるとすれば、「あの人はチーポンのスピード攻撃が得意」、「あの人は面前主体の腰が重い打ち方」、あるいは「あの人は全体的に厚く持つ(対子系主体)傾向がある」、あるいは「薄く持つ(順子系主体)」などが雀風という事になる。

 しかしこの程度のテクニカルなことを雀風というなら、あえて雀風と言うほどのことはない。実際、σ(-_-)にしても場合によって鳴きまくりということもあれば、じっと我慢の子ばっかりという場合もある。

 また最近σ(-_-)は対子をかわいがる傾向はあるが、スライス打法(薄く持つ)を多用することもある。いうなら行き当たりばったりで一定していない。となれば私の雀風は、「行き当たりばったり」ということになる。しかしまぁ、これはみんあ多かれ少なかれ似たようなもんだろう....

 ということならば、時によってチーポン連発の早仕掛け、あるいは門前主体のリーチ攻勢、はたまた厚く持とうが薄く持とうが、うまい人はうまい。ヘ○な人は○タということになる....

 すると少なくとも麻雀において雀風とは得意戦法のことを指すのではない事はハッキリしているようだ。なら雀風とはなにかといえば、それはそのプレーヤーに対するイメージだではなかろうか。

 雀力がある程度になると、上手なプレーヤーの麻雀にイメージを抱くようになる。よく麻雀雑誌でも「**はカミソリ打法」とか、「一発長打の**」などという表現があるが、まぁ、それに近い感じ。

 **のプレーヤーで思いつくまま順不同、包丁にたとえて挙げさせて貰うと、Aさんの雀風は刺身包丁。切れ味が鋭いだけでなく、時には心臓にグサッとくる。Bさんに感じるのは出刃包丁。いうなら一刀両断の太さというところ。

 Cさんは、幅広の中国包丁。ザックザックと料理するだけでなく、うまさを感じる。Dさんは正当派の菜切り包丁。無駄な動きのないきちんとした打ち筋を感じる。Eさんは、ゾリンゲンのナイフセットか。体に似合わない(^^;緻密な麻雀。豪快なアガリを見せるが実は正当派のFさん。やはり幅広の中華包丁か。

 こんなことを書く気になったら、自分のことが気になりだした。なにせ雀風なんて他人から見たイメージだから自分のことは分からない。そこで知人数人に聞いてみた。そのうちある人の回答には絶句した。

 「**さんの麻雀から受けるイメージは*根」
 「(℃°....」
 「フニャっとしていると思えば固いし、どうも掴みにくいし....」 
 「 ・・・・ 」
 「でも地盤はしっかりしてるし....」
 慌てて付け足したな。でもせめて金属になりたかったな(笑)

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