Mahjan talk 雀話


    (65)社団法人


 先日、新日本製鐵斉藤英四郎名誉会長が亡くなったという記事を見た。いうまでもなく経済界の大物。ちと記憶が曖昧であるが、たしか日本麻雀連盟の顧問だったか総裁だったかの役職についていた。

 麻雀団体は数々あれど、日本麻雀連盟と云えば、その中でももっとも老舗。なにせ設立は昭和4年で、ざっと70年前。運営上の責任者は理事長であるが、この団体には名誉職として総裁という役職がある。会長や理事長というのは珍しくないが、さすがに総裁は珍しい。

 初代総裁は、文芸春秋社の創立者であり文豪でもあった菊池寛。それ以降も、日雀連の総裁は天下の有名人や経済界の大物が就任してきた。そういう点で、日雀連は、数ある麻雀団体の中でも政財界にかなり太い人脈のある団体である。

 そんな日雀連が、第二次大戦後、ガンバってきた目標がある。それが社団法人の認可。麻雀団体として活動するだけであれば、別に社団法人としての認可など必要でない。しかし社団法人ともなれば、世間の見る目が違う。それで日雀連は、認可に向けて頑張ったが行政の壁は厚かった。

 無理もない。社団法人となれば公益法人の一つ。営利ではなく学術、慈善など社会全般の利益を図ることを目的とする団体でなければならない。これまで認可された法人の中には、「おひ、こんなのが認可されるのかよ」と思うような組織がないわけではない(たぶんムネオクラスの介入でも....)。しかし一般論でいえば認可には非常に高いハードルがある。

※あまり新規認可が難しいので、東京では休眠社団法人売買だってある。この仲介は政治家の口利き料稼ぎの一つだというウワサが.......

 いずれにしても日雀連は、そんな裏工作をしないで頑張ったけど、麻雀ではとても対象にならず 結局 認可されなかった。

 それから月日は流れ、昭和55年頃(だったっけ)に、日○プ○麻○連○結成の話が持ち上がった。話を聞いたときは「へえ〜、麻雀のプロ団体....」と思っていただけであったが、やがて関係者のYSさんと話し合う機会があった。

 そのYSさんから設立の目的とか活動方針みたいなものを聞く中で、YSさんから社団法人化を目指していると聞いた。むかしの日雀連のいきさつを多少聞いてるσ(-_-)は、即座に(それは無理だろう)と思った。そこでそう話すと、「京で、“ ウチにはすごいパイプがある ”と聞いている。たぶん1,2年のうちに認可されるのでは」という。

 そこで「どんなパイプがあったって日雀連には敵わんだろう。やっぱりそれは無理だよ」と云った。すると、「どうしても社団法人が難しければ、財団法人化も考えている」という。おひ、マジかよ....財団となれば最低でも数億円は用意する必要がある....

 それから20年ほど経ったわけだが、やはり財団法人はおろか、社団法人なんて影も形もないな。 

以前へ  以降へ  目次へ