No.158の「古役?」というコラムについて、次のような質問をいただいた。
南溟道人 2006/05/30(Tue)
今日は 古役と新役 について…
古役 今は廃れた役
新役 戦後できた役 三色、チャンタなど
すると、戦後できてから今は廃れた役は新役であり、古役でもあるのでしょうか?
古役は、おおよそ質問の通りにということになっている。しかしサンシキやチャンタは、日本で普及したのは“第二次戦後”であっても、もともと中国古典麻雀から存在している。そこでサンシキやチャンタは、「新役」とは云えない。しかし中国古典麻雀から存在しているといっても、サンシキやチャンタを“古役”と考える人もいない。
それでは“古役”とはどんな役かと云えば、いちおう“昔の中国麻雀役、しかし現在は使われていない役”という感じ。しかしこれも、そう決めつけてしまうのも問題がある。それは“現在使われていない”と云っても日本においての話であって、中国では思いっきり普及しているかも知れないからだ。
たとえば四帰一とか三歩高(丘三順)とか三節高(三連刻)。中国麻将ではごく一般的な役であるが、日本に麻雀が伝来したとき導入されなかった。そこで日本では一部の人にしか知られなかった。とうぜん昭和時代の一般の人には、“古役”いう感じ。
しかし中麻の公式ルールに採用され、日本でも中麻がそれなりに知られてきた。そこで今まで見たことも聞いたこともなかった中国役がかなり知られるようになった。日本での認知度が上がれば、四帰一も三歩高も“古役”ではなく、単なる“中国役”ということになる。それじゃあ堂々と“古役”と云えるのはどんな役なのか。
中国ではいろんな出来事を“共産中国成立以前 / 以後”、あるいは“文化大革命以前 / 以後”で分けられる。そして麻雀文化に関して云えば、“文革以前 / 以後”で分けた方がいい。
中国の古典麻雀の時代は共産中国の成立とともに節目を迎え、それ以後、文化大革命が終了する1980年頃まで麻雀文化は空白時期に入ったといっていい。そして文革が終了し、同時に共産中国も終焉して資本主義へ移行するとともに、新しい麻雀文化が生まれ、新しい役も誕生してきた。
となれば古役とは、“共産中国が成立する以前から存在しており、現在は採用されていない役”ということになる。しかし実際に或る役が“現在は中国でも採用されていない”かどうかを明らかにするためには、中国全土をくまなく調査する必要がある。それはインターネットを利用すれば可能かも知れないが、現実には簡単な作業ではない。
そこでムサシは考えた。その案とは、現在の中国での普及度がどうであるかと考えるのを放棄してしまうこと。そして実際の普及度に関係なく、中麻の公式ルールに採用されている役を“中国メジャー役”、採用されていない役を“中国ローカル役”としてしまう。(^-^;
また中国では麻雀古文献も少ないので、或る役が文革以前から存在していたかどうかを検証するのもムズカシイ。しかし文革以後に考案された役かどうかは、役の名前や構成から、或る程度
推測できる。そこでこれも普及度に関係なく、“文革以後にできた”と、かなりはっきり推測できる役を“中国新役”とする。
また戦後 日本で出来た役については、これも普及度に関係なく“日本役”。そして普及度が高ければ、もちろん“(日本)メジャー役”、低ければ“(日本)ローカル役”。ほとんど廃れている、あるいは或るグループだけで採用されているような役は“(日本)マイナー役”というところ。 恐惶謹言 どっとお払い
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