Manner 牌品

     (16)小手返し/カラ切り


 小手返しってなんだ、という人がいるかも知れないので簡単に説明すると、ツモ牌を手牌右端までもってきたとき、そのツモ牌を手牌右端の牌とすばやく入れ替えることを云う。なんのためにそんな事をするのかと云えば、いかにもツモ切りのような顔をして、実は手の内の不要牌を切るというのが目的で行われるようになった。

 しかし入れ替えるとき、二つの牌(ツモ牌と、切ろうとする不要牌)が軽くぶつかり、どうしてもカチャという音がする。そこでツモ牌を手牌にすべりこませるように、つまり音がしないように入れ替える、あるいは手牌右端ではなく右端から2番目、あるいは3番目の牌と入れ替えるのが上手な小手返しと云うことになっている。

 しかしなかそれは難しい。そこで小手返しをやるプレーヤーは、切る前にカチャカチャカチャを何回も繰り返す。何回もやるので、ツモ切りなのか手出しなのか分からなくなるという思惑らしい。しかしやる方は楽しくていいかも知れないが、毎回のようにカチャカチャやられる方は、うっとおしくてたまらない。

 それだけではない。カチャカチャやるのがクセになっているので、他人が摸打してるときでもカチャカチャと牌をいじくっている。テレビ対局などのとき、小手返しプレーヤーが複数揃っていると、カチャカチャバチバチと、まるでカスタネット大会を見ているよう。(-_-)

 そんなプロaの影響か、一般でも小手返しが出来るのがベテランの証(あか)しみたいな誤解があって、ちょっと麻雀が上手になると小手返しをやりがち。

 そんなレベルのプレーヤーの打牌なんか、ツモ切りか手出しかなんて全然見てない。というより見てもどうせ分からない。神様に誓って本当だ。(笑)だからそんな意味のないことは頼むからやめちくれ。

 カラ切りというのは、ツモ牌と同じ牌、あるいは同様の牌を手出しすること。このカラ切りカラ切りなのか違う牌を切ったのか、相手には判らない。分からない以上、やってもマナー上、ゲーム上、支障が生じることはない。

 正直言うと、σ(-_-)もむかしは習慣的にやっていた。たとえば満貫手をダマテンしているとき、カラ切りをやることによってまだ手作りの最中という印象を相手に与えられるかも知れない。

 あるいは安全牌字牌を抱えた一上定のとき、別の安全牌を持ってきたら、アト引きの安全牌を残して先引きの牌を切る。別にどっちを残しても同じだけんど、安全牌を手出しすると、いかにも今テンパイしたような印象を相手に与えられるかも知れないというわけだ。

 しかし現実には、そんなヘボのカカラ切りなんぞ、相手に与える影響など、まず無い。そう思った時からやらなくなった。しかしうっかりしてると、つい、ということはある....(-_-; ホントに悪癖とはしょうもない。

 いずれにしても小手返しカラ切りなんぞ、いくらやってもヘボはヘボ。やらなくたって、上手な人は良い成績を納める。となれば、そんな無駄な事は止めるにしかずである。

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