KM Q&A 難問奇問 

         (17)牌の過不足
(月刊近代麻雀・昭和62('88)年03月号)


 この間 ボクたちの月例会でこんなことがありました。1回戦が終ってから気がついたのですが、二索 が5枚あったのです。調べてみると七筒 が3枚しかありませんでした。そこで クンがやり直しを主張したのですが、クンはみんな同じ条件でやったのだから有効だといいました。ポクはやり直してもいいと思ったのですが、例会なので組合せの問題もあり、1卓だけのやり直しもむずかしく因ってしまいました。こういうとき、はどのように解決すべきなのでしょうか。
            
 またもしこれが南の1局で気がついたとか、東の1局の途中で気がついたというときの扱いはどうでしょうか。                (札幌・山崎○実)

 麻雀ではこのようなケースだけでなく、配牌ミス、ドラのめくり違い、ツモ牌間違い、点棒の過不足、ツケ牌ミス、副露ミスなど、あとから発見されるようなミスがよく発生しま。このようなミスには最初からやりり直すことが可能なものもあれば、質問のケースのようにやり直しが困難、あるいは不可能なようなケースもあります。
 そこで多くの競技麻雀では このようなやり直しが困難、あるいは不可能なミスに対しては、一事不再理(いちじふさいり)という方法で対応しています。これは具体的に云えば、「一旦 成立てしまった事は、後で間違いだという事が判明しても有効に成立したとする」という考え方です。

 麻雀はプレーヤー自身が審判でもあります。審判でもあるプレーヤーは、ゲーム上 何か間違いだと思うことがあれば、その場で異議を申し立てる権利や義務があります。ところがその時点で誰からも異議の申し立てもなければ、それは「間違いではなかった。したがって誰も異議を甲し立てなかった」とし、それが何であろうと有効に成立とするわけです。

 質問のケースをこの一事不再理法に当てはめると、結論はおのずから明らかです。ゲーム中に牌の過不足があったことが判明しても例会の進行の都合もあります。今からその卓だけ1回戦をやり直すことはできません。

 また固く云えば、牌の過不足がないか、ダブリがないかなどはゲーム前に点検しなければなりません。たとえ点換ナシでゲームが開始されても、点検されたうえゲームが開始されたと解釈されます。そこで二索 が5枚あろうと6枚あろうと、審判全員が正しいと認めて競技が進められ1回戦が決着したのですから、このゲームは有効に成立したと解釈されるのです。

 このように一事不再理はさまざまなミスの処理法として用いられていますが、間違い行為すべてに無条件で適用することではありません。これは あくまでやり直しが困難、あるいはやり直しが不可能なミスに対して用いる解決法にすぎないからです。

 たとえば東南半荘戦なのに うっかり西入してしまったことに気づいた場合、「ゲーム中に気がついても、もうこの回は審判全員が有効と認めて始まったのであるから打ち切りは出来ない。このまま南の5局として続行して決着をつけるべきだ」などというのは考え過ぎです。その局が終了してから気づいたというならともかく、ゲーム中 間違いに気づいたのであれば、その時点でゲームを終了し、南の4局終了時の成績で決着することになります。

 牌の過不足についても同様で、これが東の1局の途中に気づいたものであれば充分にやり直しが可能です。そこで この場合は ただちにゲームを中断し、過不足を正したうえで東の1局を最初から始めます。またこれが南の1局であれば、その1局はただちに中断、終了してしまっている東の4局までは有効とし、南の1局からは過不足を正したうえでやり直す というのが順当な解決法となります。
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