槓07・錯槓


 アンカンはカンする牌を四枚さらしてから嶺上牌を取るのが正しいですが、巷でこれが正しく行われているのは稀です。一枚見せるだけでOKというところもあります。

 そういうところで、もし明らかに間違ったアンカンがなされていることが局の途中で判明した場合、どのように裁定するのでしょうか。

 このようなトラブルが競技会で発生した場合、そのトラブルは一時不再理という原則にしたがって処理されます。このトラブルもその原則にしたがって処理するとすれば、チーポンの副露間違いと同様、途中で判明してもそのまま続行となります。
 それは4枚見せないで嶺上牌を取得した事を見過ごしたことは、プレーヤー全員の責任だからです。ミス槓プレーヤーはその時点でアガリ放棄となりますから、以後チーポン槓は一切できないことになります。そのまま流局すればノーテン罰を払うことになりますが、単なるアガリ放棄ですからチョンボにはなりません。

 ただ中国麻雀では暗槓は一切開示しません。つまり「槓」と発声した後、4枚とも伏せたまま副露します。この4枚はどのような形でその局が終ろうとその時点で公開します。しかしカンした時点で開示しない代わりに、終局時に間違い暗槓が判明しますとチョンボ料の支払いとなるようです(他人のアガリで終わった場合、アガリ点はアガリ点で別途精算となります)

 「国士のアンカンへのチャンカン」が認められないルールで五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒 というところへ九筒 を引き、間違って九筒 をカンしてしまったとします。本来なら九筒 を捨てねばいけないわけですから、あがれるはずの国士が不当なアンカンをする事によってあがれなくなってしまうわけです。これについては、どのような処置が妥当なのでしょうか?

 バレなければ、アンカンした者の丸儲け?
 また、流局してばれた場合、さかのぼって国士アガリになり得るのか? と、こんな疑問が湧きました。 一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒

 結論から云えば、バレなければ丸儲けです(-_-;

 このあと五筒八筒 でアガリを表明したり流局すればミス杠がバレますから、その時点でチョンボとなります。しかし途中で他家の正規のアガリがあった場合、リーチ者は手を開ける必要はありません。この場合 ミス槓は誰にも知られることはないので自動的に免責となります。

 「お前は何待ちだった?。見せろ!」と言われても、「大きなお世話だ」といって崩してしまうこともできます(>_<) 仮に見せて、間違い暗槓が判明したところで、正規のアガリがあった以上、不問ということになります。

 また流局して手を公開して間違い暗槓が判明したとき、国士テンパイ者が、「九筒 を暗槓したとき、すでに国士をテンパイしていた。そのとき九筒が捨てられていればアガっていた」と主張した場合、たとえそれが事実であっても証明できない以上、どうしようもありません...(ノд`)


 A B C Dの四人で麻雀をしたとします。開局してから数巡して、Aが東 を暗槓しました。そして数巡後、BがCの捨てた南を「国士無双」でロン。Aの暗槓を確認すると、一枚が西 でした。この場合の処置は…

1)Bは東を持っている時点で、東の暗槓が間違いである事に気づいていたはずだ。それを自分が役満だから黙っていたのだから、Bの満貫罰符。

2)麻雀は現場保存の法則があるから、Bの和がりは認められる。だからCがBに32000点払うべきだ。

3)Aの暗槓が無ければ、国士見え見えの捨て牌に南を切らなかった。だから、Aの責任払いでAがBに32000点払うべきだ。

4)Aの暗槓の間違いが時間的に一番先に起こったのだから、Aの満貫罰符だ。

5)Aは暗槓を間違え、Cは暗槓の確認を怠った。よって、AとCがBに16000点ずつ払うべきである。

6)Aの暗槓の確認を怠った対局者全員の責任であるから、この局をノーカウントとしやりなおす。

7:その他

以上のうち、どれが正しい(或はプロ団体で採用されている)のでしょうか。
#「プロは暗槓を間違えない」とかいう答えは止めて欲しい。
#大会等で起こった場合の処置を教えて欲しい。

 2番です。そしてほとんどの団体でこのような処置が取られていると思います。ただこれは現場保存の法則ではなく、一事不再理の法則という考えに基づきます。

この一事不再理とは、 これは間違い行為であっても発生した時点で気づかず進行してしまい、後戻りして修正することができないものは、そのまま進行しようというものです。

 たとえばサイコロで9が出て自分の山から配牌したとき、間違えて8枚目から配牌してしまったとします。そしてアガリがあってから誰かが開門間違いに気が付いたとします。この場合、いくら開門の間違い状態が保存されていても、そのアガリは有効として処理されます。
*アガリのある前に開門間違いに気付いた場合、「親の第1打牌以前であればやり直し。それ以後はその開門を有効として続行」とか、「気付いた時点でやり直し」とかのルールもあります。

 したがってこのケースでも、東の暗槓があった時点で誰も間違いに気づかず進行してしまい、アガリという最終イベントが発生してしまった以上、暗槓間違いは不問となり、アガリが有効として処理されるのです。

 暗槓を確認して嶺上牌を取得するというルールであるにも関わらず、それを怠ったのはプレーヤー全員の責任。またBは、Cが暗槓した時点で東を持っていたとは限らない。それでも後から東を持ってくればその時点で気づいた筈ですが、ひょっとしたら、手に夢中で気がつかなかったかも知れないわけです。


我打麻将 投稿日:2008/08/07(Thu)

kan07.html に似たケース、どう裁定すればよいでしょうか。

1. A氏が九筒 を暗槓
2. B氏が立直
3. C氏が安牌に窮し「これなら裏はないっ」と打一筒
4. 双ポンに当たり、裏ドラ指標牌に九筒

たぶんCさんの泣き寝入りだと思いますが…

あさみ 投稿日:2008/08/07(Thu)
ども、我打麻将さん

 日麻であればリンシャンパイ取得前に4枚を確認することになっていますよね。
それが違っていたとしても、Cさんにも責任の一端があるということでCさんの泣き寝入りになると思われです。(^-^;

我打麻将 投稿日:2008/08/08(Fri)

 それでは、暗槓を改めても正しかった場合はどうでしょうか。
すなわち、裏ドラをめくった時点で牌の過多が判明した場合です。

あさみ 投稿日:2008/08/09(Sat)
ども、我打麻将さん

 フリー雀荘などでは、個々の店のやり方があるでしょうけれど、純麻雀では、こういうトラブルは一時不再理という原則にしたがって処理することになっています。
 仮にこのトラブルもその原則にしたがって処理するとなれば、「牌はただちに正しい状態にして以後のゲームを行う。ただし(ゲーム開始に先立ち、牌種を確認しなかったのはプレーヤー全員の責任でもあるので)そのアガリを含めて、これまでの経過は有効」ということになります。

※暗杠ではありませんが、ココ(白の多牌)に似たようなトラブルについてのQ&Aがあります。