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    (47)四君子花


 今年の6月6日、我打麻将 さんから次のような質問をいただいた。

花牌の四君子には何か根拠のある順序が存在するのでしょうか?
牌セットによって「梅蘭竹菊」になっているものと「梅蘭菊竹」になっているものとがあるようで、Wikipedia「四君子」では「春夏秋冬」との対応が「蘭竹菊梅」の順になっています。
google による検索結果数:
梅蘭竹菊58700
梅蘭菊竹11100
梅菊蘭竹5710
梅菊竹蘭5440
竹梅菊蘭1390
蘭竹梅菊1380
梅竹蘭菊1210
蘭竹菊梅1050
以下略

 たしかに表記順はいろいろあるようで。(^-^;
 1920年代、中国製の麻雀牌がアメリカへ盛んに輸出された。その輸出用の牌には漢数字が分からないアメリカ人のために、牌の肩にナンバリングされていた。
     
 もちろん花牌もナンバリングされていたが、それを見るとすべて「1春 2夏 3秋 4冬、1梅 2蘭 3竹 4菊」となっている。
    
 たしかに春夏秋冬の季節感とはマッチしていないが、俗に言う旧暦では現代の2月3日頃が立春=1月1日(春節)で春(新年)が始まる。つまり現在の気象学的な感覚の春夏秋冬(3月〜5月 春、6月〜8月 夏、9月〜11月 秋、12月〜2月 冬)とは2カ月ほどずれている。
 そこでσ(-_-)は、「梅蘭竹菊は、おおよその季節感を表しているだけ」と解釈していた。そこで我打麻将さんの質問にも、「やはり順番は“梅蘭竹菊”が順当と思います」という主旨のレスポンスをした。

 ところが台湾の熱血の志豐さんから、「台湾では昔から“梅蘭菊竹”の順で呼称されている」というコメントを頂いた。へ〜と思ったので さっそく調べてみた(って、我が家にある漢和辞典を全部ひっくり返してみただけ....(ノд`) )

 すると どの漢和辞典も “ 梅蘭竹菊 ”についての説明はあるが、順番については言及がない。しかし唯一 大漢和辞典(大修館)に、「『集雅齋』(という文献)には“蘭菊梅竹四譜”とあり、「『竹堂四君子書譜』には“文房清供 獨取梅竹蘭菊四君者無也(以下略)” とある」という記述があった。

 ふ〜む なるほろ、どうやら古代の中国では“梅蘭竹菊”ではなくて“蘭菊梅竹”とか“梅竹蘭菊”などの順で呼称していたらしい。それがいつの間にか“梅蘭竹菊”、あるいは“梅蘭菊竹”と呼称されるようになったようだ。
 そこでつらつら考えるに(^-^; 昔の中国では梅蘭竹菊という4種の植物が重要なのであって、“春夏秋冬という季節を代表する植物というわけではなかったと思われ。そこで好みによってさまざまな順番で呼称されていたが、語呂のよさで梅蘭竹菊が主流となった。やがて麻雀の花牌としてナンバリングが必要となったとき、もっとも人口に膾炙されていた“梅蘭竹菊”が採用された、と推測する次第。

オマケ 青梅竹馬(チンメーチーマー=日本で云う“竹馬の友”
 

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