ちょうど掲示板で三歩高(サンプーカオ=サンプーこう)のことが話題になった。三歩高(サンプーこう)とは、中国公式ルールで16点のアガリ役。
「歩」というと、日本では「歩(ある)く=Walk」という意味。そこで三歩高は、日本人の感覚では「3歩、歩いて高いところへ」という感じとなる。別に間違いと言うほどではないが正しくもない。
実は中国語で「歩」にWalk の意味はない。中国語でWalkは「走(ツォー)」と表現する(もっと正確に言うと、走路(ツォルー) )。
う〜みゅ、「てめえ、いい加減な事を言うな」という声が聞こえそうだ。でもホントにホント。ほいじゃあ、中国語で「歩(プー)」はどういう意味かというと、Step(歩調・足どり)という意味。そこで三歩高を直訳すると、スリーステップアップということになる。スリーステップアップであるから、三歩高は「一目上がりの3順子」ということになるわけ。
三歩高には歩歩高(ププカオ)と云う別名もある。これも「高いところに歩いてゆく」ではなく、Step by step(一歩一歩、着実に)と云う意。
※日本語で云う「走(はし)る」は、中国語で「足包(パオ)」。
またステップアップとは段階が一つ上がるという意味。スリーステップアップなら、三段階。そこで三歩高には三段階(サントワンチー=さんだんかい)と云う別名もある。
※この他にも、巧連環(チャオレンホワン=こうれんかん)という別名もある。
この三歩高、和名を丘三順(おかさんじゅん)という。ネーミングしたのは、日本麻雀界の大先達でもある天野大三氏。σ(^-^)は、この和名が分かりやすくて大好きである。※「一段飛び」という通称もある。
三歩高に関連したアガリで面白いのが、節外生枝(チェワイションチー)。
※の暗刻は、万子 or 索子の順子でも良い。
牌姿を挙げられても、これだけじゃ何がなんだか分からない。いや、σ(-_-)にしても、説明を聞かなければ絶対に分からない....
よ〜く見るとこの形、三歩高のほかに3色数牌のうち1種を使わない絶一門(チェイーメン)というアガリになっている。そして雀頭が、三歩高メンツとの連数牌。つまり三歩高メンツに枝が生えている。そこで節外生枝(チェワイションチー)。「麻雀技巧」という中国書に載っている役だが、さすがに中国公式ルールでは採用されていない。
さて三歩高があれば、四歩高もある。もちろん別名は四段階(スートワンチー=スーだんかい)、和名も丘四順である。難度も高いので、中国公式麻将では32点役となっている。
一目上がりの4順子が条件なので、雀頭が何であるかは関係ない。そしてここから先は中国公式ルールにはないが、一般中国麻将にはこの先がある。といっても中国公式ルールで採用されていないのであるから、マイナーな存在に違いない。
平歩青雲(ピンプーチンウン)
見た通り、雀頭も連数牌になっている。
歩歩高形は、数字がどんどん高くなる。高いところとなれば、梯子(はしご)が必要。そこで平歩青雲には、金梯(チンテー=金の梯子)と云う雅名もある。
※金梯(チンテー)は、三色五連刻の別名としても用いられている。
ところで数牌は3種類。そこで三歩高も一色型の他に2色型、3色型も可能である。2色型は中国公式ルールでは採用されていないが、3色型は採用されている。これは1色型よりずっと簡単。なにしろアガった本人も知らないうちに出来ているくらいだ。(笑)
そこで中国公式ルールでも6点と、一色型の16点よりずっと低いポイントである。
三色三歩高
中国公式ルールでは三色三歩高という役名となっているが、一言で云うときは花三歩(ホワサンプー)。これに対して1色型の三歩高を青三歩(チンサンプー)と表現する。
※「青(チン)」は青(Blueブルー)の意ではない。「清チン」と同じで「Pure」という意。
花三歩(ホワサンプー)があれば、花四歩(ホワス-プー)もある。これも中国公式ルールでは採用されていない。しかし花四歩といっても、数牌は3種類しかない。そこで、ある数牌種はとうぜん2回登場する。
花四歩(ホワス-プー)も平歩青雲同様、雀頭まで連数になっている形もある。これは、平歩紅雲(ピンプーホンウン)、または天梯(テンテー=天まで届く梯子(はしご))と称する。
平歩紅雲
※「紅」は「赤」というより、「華やか」というニュアンス。
ついでながら、2色型は平歩白雲(ピンプーパイウン)。
平歩白雲
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