子供の頃、名古屋市に住んでいた。小学校の通学路の軒下にツバメが営巣していた。数ヶ月で巣立ちしてしまうが、翌年、また営巣していた。通学の途中、それを見上げながら、「自分の家にもツバメが巣を造らないかな」と思っていた。しかし偉大なるイナカと呼ばれた名古屋もどんどん都会になり、ツバメが住む街ではなくなった。
それから数十年、縁あって愛知県の某田舎市に住むことになった。田舎だからツバメが飛んでいる。「あぁ、あのツバメが巣を作ってくれないかなぁ」と思っていると、数年経って瓦の隙間に雀(すずめ)が巣を作った....(雀でも、なにも来ないよりまし)と思ったが、やっぱりツバメがいい。。。
ところが2年前(平成11年)の4月、またツバメが近所の空を飛び始めたころ、女房が「今朝6時頃、ツバメが駐車場の中をときどき飛び回っていたわよ」という。
「ふ〜ん、どんな感じで....」と聞くと、
「10分おきくらいに2羽がヒュ〜ンと飛んできて、駐車場の中を一回りして出てくの。なんか新しい巣を作る場所を探している感じ」
「う〜ん、だといいなぁ」
そこで翌日、早起きして家の中から駐車場を見ていると、家人の云うう通り、6時頃から7時位の間に、10分おきくらいにツバメが2羽飛んでくる。そして駐車場の中を一回りして出てゆく。う〜ん、たしかに営巣の候補地を探しているみたいだ。
そうこうするうちに2羽で泥を運んで来るようになり、天井近くの壁の鉄板の部分に巣を作り始めた。泥が付着しにくい鉄板のところで巣作りを始めたので、泥が乾くとボタンボタンと下に落ちる。それでもセッセと泥を運んでくる。落ちても落ちても運んでくる...もう車は泥の絨毯爆撃状態....それでも1週間ほどして小さな巣がようやく完成し、やがて卵を暖めだした。
家人が仕入れてきた情報によると、はるか東南アジアから渡来するツバメも、一度にどっと日本に到着するのではないという。大ざっぱに言って、最初の一団が到着してから最後の一団が到着するまで1カ月ぐらいの差があるとか。そこで最後尾ともなると、5月になって到着するものもあるという。
その年のツバメも、なんやかんやしているうちに無事育ち、南の国へ旅立った。翌年はどうかいな と思っていたら、やはり来てくれた。今年も近くでツバメの姿をみかけるようになった。きっと数日のうちにも姿を見せるだろう。
速く来ないかな。。。。
PS:翌日(4/7)に来た(^0^)/
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