仕事関係で接触があるS。なにかにつけて一言云う。それが屁理屈ばかりなので、みんなからウザがられている。
ずっと以前のこと、仕事の関係で受け取る荷物が遅延したことがあった。それを知らせるファクスを見ると、なんと荷物の到着は8/2の午前2時。
8/1、Sと話したとき、何気なく「荷物は今晩、到着するんですね」と云うと、
「違う、明日(あした)の晩だ」
「えっ?」と聞き返すと、「ファクスをよく見ろ。“8/2の午前2時”と書いてあるだろう。今日は8月1日だから、8月2日の午前2時は“明日の晩”だ」
(またか)と思ったし、いつもなら黙って聞き流す。しかしSが(1本とった)という顔をしているので、ちとムカついた。
そこで「なるほど。そうすると明日の午後9時頃は、何と云うのか」と聞き返してやった。すると
「“明日の晩”に決まっとるがや」
「そうすると、“明日の晩”というのは2回あるのかい」
すると
「屁理屈を言うな!。明日の午前2時は、“明日の今晩”で、午後9時は明日の晩だ!」とのたまわった。それ以上反論すると口ゲンカになるので、面白くなかったけどそこでやめた。
もちろん常識的な「今晩」は、「8/1の日没から8/2の夜明け」くらいまで。そこでどうしても、8/2の午前2時を“今日の晩”と分離したければ、“明日の未明(みめい)”と表現する。
キリストが生まれる前、いわゆる旧約聖書の時代、ユダヤの「1日」は日没から次の日没まで。つまり1日は現代よりおおよそ6時間早く始まっていた。その習慣がいまでもキリスト教に残っている。それがクリスマスイヴ。
現在、イヴは、クリスマスの前夜ということになっているが、もともとはクリスマスの当夜のこと。キリスト教はユダヤ教から派生した宗教。そこでクリスマス(12/25)は、12/24の日没から始まる。そこで12/24の午後6時くらいからがクリスマス・イヴ。それが時代の変化で1日が6時間遅く始まることになったので、クリスマス・イヴがクリスマス前夜の意味に変化した。
Sもその時代に生まれていれば、8月2日の午前2時は、明日の今晩でピッタリだったが。
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