磁気カードがスキミングされ、知らない間に銀行預金が引き出される被害が相次いでいる。そして預金者がカード管理の不手際を理由に銀行を訴える騒ぎになっている。実際こういう事件が発生した場合、欧米では金融機関が補償するのが主流らしい。
そこでこれまで約款や使用者責任を盾に頑なに支払いを拒否してきた銀行も、それに応じるような流れになっている。しかしそんな事件のたびに補償していてはたまらないので、磁気カードではなく、偽造されにくいICカードなどの導入を模索しているという。
このICカード、磁気カードにくらべて製造にコストがかかる。掛かると云っても、最初からICカード発行シシテムにしていればそれなりに少なくて済む。しかし大量に発行してしまっている磁気カードをICカードに切り替えるとなると、コストは桁違いとか。
10年ほど前、所用で台湾へ行った。某IT企業を訪問したとき、初めてICカードの話を聞いた。「磁気カードよりコストはかかるが、偽造されにくい。これからはICカードの時代」という説明に「なるほろ、なるほろ」
すると相手が、「このICカードを日本の金融機関に売り込んでくれませんか」という。話としてはありがたいが、畑違い。というよりとてもウチにそんな力はない。そこで「そんなすごいカードなら、おたくで直接売り込むことは十分可能と思いますが」というような返事をした。すると
「実は、もうやりました....」
「そうですか」
「しかしなかなか話が進みませんでした」
聞いてみると、要は「磁気カードよりコストが掛かる。それにカード管理は使用者の問題。銀行は関係ない」という返事ばかりで話が進まないということだった。σ(-_-)もそういう問題にはウトいので、当時は「そうか、なるほど...」と思った。
しかし世界の潮流が「使用者責任」より「発行者責任」を問われている現状をみると、日本の金融機関も、σ(-_-)と同じレベルのウトいのがそろってるとしか思えん....(-_-)
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