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    (220)プロ野球


 パリーグでもう一つの合併成立して4チームになったら、巨人がパリーグへ移籍するとかしないとか。しかし今回の騒動を見ていて、オーナー連の勝っ手さ加減にはあきけえるのひっくりけえる。ファンはもとより、プロ野球のあり方無視のデタラメ構想

 野球はアメリカ生まれだけれど、いまや日本の国民的スポーツ。年に2回も甲子園で行われる“たかが高校野球”に日本中が熱狂する。毎日曜日、全国のグラウンドで行われる草野球に、いい大人が必死になってプレーをしている。プロ野球は、その頂点に立つ。いわば全野球ファンのモノであって、単なる企業の所有物ではない

 しかし多くのプロ球団オーナーは、自社の宣伝道具ぐらいにしか思っていない。人気チームの試合となれば、ラジオ・テレビで中継放送される。そこでアナウンサーが、「ロッテロッテ、ヤクルトヤクルト、日ハム日ハム」などと企業名を連呼する。中継料をくれたうえに宣伝してくれるんだから、こんなにおいしい話はない。

 ところが人気がなければメディアもソッポ。こうなると、維持費だけでもとっても大変。今回の騒動もそんな理由が発端なのは、ファンの誰しも知っての通り。

 そこにあるのは、“いかにゼニの負担なくして宣伝道具を維持するか”ということだけ。そこで単純に、「一番人気の巨人とのカードさえ実現できればいい=1リーグ制にしろ」、という話になる。そこに“プロ野球はいかにあるべきか”などという発想はない。

 ところが「もう一つの合併成立して4チームになったら、巨人がパリーグへ移籍するという話が表に出たとたん、「1リーグ制にはこだわらない」だと。まぁ、わかりやすいというか、単純というか。(-_-)

 そんな話が具体的になったら、巨人ファンや巨人の選手は大反対すると思うが、“たかが選手、たかがファン”という感覚なので、気にもならないか。

 しかし巨人がパリーグへ行ったって、パリーグチームのファンが増えるわけではない。メデイァの中継料が入るようになって、一時的なカンフル剤にはなるかも知れない。しかし凋落傾向にあるプロ野球の人気回復にはつながらない。ヘタすると、ファンにソッポを向かれて、取り返しのつかないことになる。

 どんなプロスポーツでも、ファンによって支えられている。“たかがファン”だとか、“一度ファンになったら死んでも付いてくる”と思っていたら、大きな間違い。

 数年前、σ(-_-)の甥に彼女ができた。聞けば彼女の方から猛アタックがあったとか。そいでつきあうようになったが、彼女がベタ惚れで熱々の毎日。(ふ〜ん)と思っていたら、今年になって彼女に振られた。(^-^;

 事情を聞いたら、「彼女から、“もうあなたにはついて逝けません”とメールがきた」って。向こうがベタ惚れだと思って好き勝手やっていると、しっぺ返しがくるといういいお手本。(-_-)

 日本ではマイナーであったサッカーが、10年ほどでこれほど根付いたのは、チームを企業の宣伝道具としなかったため。どこのチームにもオーナー企業があるが、サッカー協会の方針で、絶対企業名をつけさせなかった(そのとき、最後まで抵抗したのが読売ヴェルデイ)。

 そこで野球も球団名はすべてフランチャイズのある地域名とし、企業名はいっさい使わないようにする。もちろん阪神・中日・広島など、現在の名称がたまたま地域名となっているチームはそのままでいい。もちろんメジャーリーグはそうなっている。なんでもアメリカを手本にしてる日本野球も、この点だけは無視するオーナー連の勝っ手さ加減。

 もう一つのアイデアは、2軍の扱い。いまウエスタンリーグイースタンリーグに分かれてゲームしている。しかし2軍という通り、いまは1軍の付録扱い。名称も1軍と同じになっている。メディアでも、その戦いぶりはほとんど報道しない状態。

 これをアメリカの2A、3Aのような独立球団としてマイナーリーグを作る。独立球団だから、名前も違えばフランチャイズも違うところとする。たとえば中日なら岐阜とか静岡。読売なら埼玉とか千葉。名前は静岡シャークスとか埼玉コンドルズ。そうすれば、その地域のファンがどっと獲得できる(優秀な選手を上位リーグに引き上げようとすると、反対運動が起きたりして(^-^;)。

 もちろん中日や読売、あるいはTBSなど、メディアが親会社のチームは、その力でマイナーリーグの記事もどんどん掲載する。阪神だって、親会社はメディアではないが、強力な専門紙がいくつもある。マイナーリーグの人気が出れば、スポーツ紙だって頼まなくても記事にする。

 いずれにしても巨人がパリーグへ行こうが行くまいが、このままでは袋小路。昔は「アメリカのように、交流試合をやればいいのに」と思っていた。パリーグは前から要請していたが、人気カードが減るのをイヤがったセリーグは無視し続けた。それが今日の結果を招いた。

 パリーグから話があったとき、パリーグの痛みを理解し、プロ野球全体のことを考えて実行していれば、こんな騒ぎにならなかった。三菱のリコール隠しとおんなじで、そのとき対処しないとあとで百倍、千倍の大騒動になる。

 全球団をシャッフルし直し、5対5で出直しという話もあるようだ。もちろん単に5対5にシャッフルし直して続けるだけでは、現在のセパ方式と変わりない。そこで毎年、5対5の中身を入れ替えるとか。

 しかし5対5に分けた新リーグを、いままで通りセリーグ・パリーグと呼ぶとすると、去年セリーグで優勝して日本シリーズに出てきたチームが、今年はパリーグ代表で出てくるということも起き得る。ファンとしては、どう応援していいのか混乱する。

 そこでサッカーのようにBリーグ(BaseBall Reage)をつくり、さらにB1,,B2の2リーグに分けるというのも手。もちろんBリーグと言う名称が、“なんだかBクラスみたい”というなら、Aリーグ(Ace Reage)でもSリーグ(Super Reage)でも構わない。

 もちろんいきなり、「来年から、お前はB2」と云っても誰も承知しない。そこで来年はこれまで通りの方式で1年ゲームし、次の年から全球団の勝率を基準にB1,B2に分ける。そして1年試合したあと、B1の最下位とB2の優勝チームが5ゲームくらいの入れ替え戦を行う。これならきっと盛り上がる。

 ただそれだけだとB1リーグの優勝チームは、優勝したあとにやることがない。そこで当面は、B1リーグトップ=優勝ではなく、現在のパリーグのように上位3チームで優勝決定戦をやる。そうしてる間に韓国・中国・台湾・豪州と提携して、太平洋選手権をやるようにする。提携が完了したら、B1リーグトップは即優勝とし、太平洋選手権でアジアチャンピオンを争う。そりゃあ国を挙げて盛り上がると思うぞ。

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