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    (213)プロ野球リターンズ


 プロ野球の再編問題がかしましい。いまの雰囲気では、2リーグ維持。パは5球団で続行。ただしパリーグ救済のために、セパの交流試合で行う、ということになりそう。

 セパ交流試合となれば、多少盛り上がるかもしれない。しかしいずれにしたって応急処置。そんなことで多少盛り上がっても、パリーグの低迷傾向が打破できるものではない。現在のパリーグ人気低迷の根本原因は、オーナー企業の独善にあるからだ。

 10年ほど前にプロサッカーが誕生した。ときのサッカー協会は、チーム名にオーナー企業の名前を付けることを厳禁した。たとえ企業の所有であっても、チームは地域を代表する存在という位置づけ。それが地元ファンによる強力なサポーターを集め現在では、J116チームをはじめJ2まで擁する人気スポーツとなっている。しかしこんなサッカーにも、危機はあった。

 当初、チーム名にオーナー企業の名前を付けないというサッカー協会の方針にまっこうから抵抗したのが読売ヴェルディ。サッカー協会がどれだけ名称変更を勧告しても、頑として応じなかった。そして読売ヴェルディの試合を自社系列のTVで放送するとき、アナウンサーには「売、読売」を連呼させていた。

 それでも世論に押されて、翌年から名称を変更した。その時点でヴェルディのフランチャイズは川崎市。名称はフランチャイズのある地域の名前と決まっているから、「川崎ヴェルディ」となる筈。ところが申請した名前は「東京ヴェルディ

 たしかこれも1年ほど強引に押し通した記憶だが、ついに負けて川崎ヴェルディとした(その数年して東京へフランチャイズを移し、いまは東京ヴェルデイ

 プロチームはそのゲームの頂点であり、そのゲームを愛するファンあっての存在。いうなら社会的ニーズがあっての存在であって、1オーナー企業の独占物ではない。このきわめて常識的な論理の方針があって、今日のサッカー人気がある。このとき、読売の横車に負けて、各チームが全部、オーナー企業名となったら、これほどの人気スポーツに成長することはなかった(と思う)。

 国技といえば大相撲だが、プレーヤー人口やら人気度は、野球の方が圧倒的に大きい。いまや第2の国技という存在。その頂点に立つプロ野球チームは、サッカー以上に熱烈なファンを擁している。

 そのチームを、「オレのものをオレの宣伝に利用して何が悪い。用が済んだ、金がかかり過ぎるというなら、売り飛ばせばいい」という程度のが、いまのプロ球団オーナー企業。そこで所有球団には、すべてオーナー会社の名称をつけ、マスコミで連呼させる。それがオーナー会社の唯一の目的。そこにはプロチームを保有するという社会的責任など、かけらもない。

 アメリカメジャーリーグでは、オーナーが変わっても、フランチャイズが変わらない限り、球団名が変わることはない。またフランチャイズが変わることはファンにとって大問題。しかし日本では、球団は会社のものという発想なので、フランチャイズがほいほい変わる。

 いま合併がどうのこうのというオリックスと近鉄にしても、新球団名はオリックスバッファローズとか。経営困難だから合併すると云うだけで、意識はなんにも変わっとらん。σ(-_-)がつけるなら、大阪バッファローズ関西バッファローズ。もし会社名をどうしてもつけたいなら、関西オリックス(たまたまオリックスいう名の動物がいる)

 金がかかり過ぎて球団経営が困難なら、地元企業と資本提携をすればいい。市民の資本参加を呼びかけてもいい。地元企業やファンだって、オリックスバッファローズでは金を出す気にならんかもしれんが、大阪バッファローズだったら、「おらがチーム」といくらでも出す(かな?)

 話題を呼んでいるライブドアにしても、そういうことには一言も触れていない。いまからそんな事を言えばよけい反発をくらうので、まぁ仕方がないかも。しかし万が一、買収に成功したとき、とたんにライブドアバッファローズでは、近オリバッファローズと目くそ鼻くそ。

 そこで球団再編が話題になっているこの機会に、たまたまオーナー会社名=地域名となっているものは除いて、他はチーム名からオーナー会社名を排除することを考えればいいと思う次第だ(チーム名の候補はココに書いてある(^-^; )。

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