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     (101)コンセプト


 同文同種といっても、日本と中国では大きく違う。有名なところでも、たとえば蒸気機関車を日本語では汽車、中国語では火車。しかし日本語の火車(地獄の車)は中国語で陰車、日本語でいう自動車は中国語で汽車

 これはそのときの翻訳がどうであったということもあるだろうが、根本的な発想に違いがあるとも思う。なんでこんなことを書き出したかというと、最近、中国人と話していて、あらたなカルチャーショックを受けたから。

 CONCEPT(コンセプト)という英語、日本では「概念」とか「考え」と訳す。中国ではこれを「観念」と訳す。しかし日本的感覚では、「観念」は、「諦めろ」とか「覚悟しろ」という雰囲気がある。

 台湾と取引上の問題でちと議論になったとき、ある中国人から、「この問題について、あなたの観念を聞きたい」と云われたときは、一瞬びっくりした。もちろん(あぁ、σ(-_-)の考えを聞きたい、と云っているのだな)とすぐ分かったけど。

 いっそのこと英語と日本語のように、まったく異なる原語であれば、このようなケアレスミスはないのかも知れない。実際、「同文同種」という表現も、日本では中国に対する親愛の情みたいなものを表したつもり。

 しかし必ずしも中国ではそう受け取ってくれるとは限らない。使う場所によっては、強制的な民族同化政策でも主張しているのかと誤解されてかねない。

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