Foundation stone 礎石 

    (27)ウォーミングアップ


 しばらくぶりで麻雀する。最初のうち、ツモった牌をポロリと落としたりもする。「おっと」という感じでつまみあげる。摸打にしても、どこそこモタモタする。理由は、手先・指先のウォームアップ不足。

 それでも(どうも今日は、牌が手につかないなぁ)くらいで打っていると、一回りしたくらいの段階から、気にならなくなる。いつの間にか、摸打もいつものリズムになっている。もちろんこれは、手先・指先がウォームアップされたせい。

 野球の試合、ゲーム開始前にピッチャーが入念にウォーミングアップする。それで充分に肩を作る。でないと1球投げたとたんに肩を壊しかねない。これがプロであれば、明日から人生が変わる。

 ピアノのリサイタル。ピアニストは本番前、入念に指先のウォーミングアップにつとめる。でないとミスタッチを起こしかねない。冬となればなおさら。手先が冷えないよう、充分に暖めておく。これがプロなら、本番でのミスタッチは翌日から人生が変わる。

 もちろん麻雀は、それほどではない。たとえプロaでも、ツモ牌をポロリと落としたくらいで人生が変わることはない。摸打が少しモタモタしたってどうってことない。一回りもしないうちに、いつものリズムで打ってるさ。

 とは云うものの、できれば最初からいいリズムで打てるに越したことはない。そこでお勧めするが、麻雀ウォーミングアップ。と云っても別に大したことをやるわけではない。もし麻雀大会などに出るとしたら、本番前にカラ摸打を繰り返すだけでいい。

 積まれた山から配牌を取り、あとは摸打を繰り返すだけ。さいわい今は、どこで自動卓が整備されている。自分で山を作る必要がない。山が無くなれば、ボタンを推すだけで、次の山が現れる。これを数回も繰り返せば、ウォームアップも完璧となる。

 気持ちを込めてウォームアップを行えば、集中力も自然に高まる。漫然とゲームを開始するときよりも、リズムだって自ずから良い。リズムが良ければ取捨選択もシャープになる。出足良ければすべて良し。好手妙手に好ガード、それは澄みやかな摸打から生まれる。ゆめゆめ疑うことなかれ。(^-^)

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