Tile colection 珍奇牌

 
  (24)青 [虫夫] 牌


 青[虫夫](チンフー)と読む。青[虫夫]は、直接的には蜉蝣(かげろう)の幼虫=青虫の意。そして1索がその青[虫夫](チンフー)の図柄になっているので青[虫夫]牌と呼ばれる。

 ではなぜ、よりにもよって青虫が1索の図柄となったのかといえば、それは次のような経過による。

 馬吊の時代、索子の図柄は銭束であった。

 それが簡略化されて、次のような図柄となった。

 上記の図柄で1索の銭束の両側に垂れ下がっているのは、銭束を縛っているヒモ。しかしこの1索の図柄は、なんとなく青虫青[虫夫](チンフー)が揺れ動いているようにも見える。(^ー^; そこで図柄は自然に青[虫夫]に変化した。

 しかし1索青[虫夫]に変化したのは、馬吊(=紙牌)の1索が青虫に似ていたと云うだけの理由ではない。実は青[虫夫]は、中国ではお金に縁のある虫であったからである。

 そして索子のもともとの図柄が銅銭の束となれば、青[虫夫]にはぴったり。そこで1索青[虫夫]が揺れうごいている図柄となった。

 しかし時代が進むにつれて青[虫夫]牌は淘汰され、製造されることはなくなった。そこで問題になるのが、この青[虫夫]がさらに変化しての図柄になったのか、あるいは並行的にの図柄も採用されていたが、が優勢となり、青「虫夫」の図柄が駆逐されてしまったのかという点である。

 よくよく見ると1索の図柄は、幼鳥が羽根をばたばたさせている姿に見えなくもない。麻雀博物館の所蔵する牌のも、どうみても青[虫夫]というよりに近い図柄もののがある。そこで青[虫夫]がさらにに変化したという可能性は大いにある。

博物館所蔵牌

 とはいうものの、青[虫夫]牌と同時期に図柄牌も存在していたようなので、「青[虫夫]図柄が図柄に変化した」と断定してしまうこともできない。この辺り、まだ今後の研究を要するところである。

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