Book review 

    (63)週刊大衆


 先般、久しぶりで麻雀博物館へ行った。やがて始まる麻雀書談義
 副館長のさんと、「あの本が欲しい」、「この本が欲しい」と好き勝手なことを云っているうちに、麻雀放浪記の話になった。いうまでもなく「麻雀放浪記」は、阿佐田哲也の出世作 and 大名作。

 昭和44年1月から6月にかけて週刊大衆(双葉社)に連載された。連載が始まってしばらくすると爆発的人気となり、週刊大衆は売れに売れた。しかしココでも書いたように、なにせ相手は週刊誌。面白い面白いと云って読むだけで、週刊誌自体を保存しておこうと云う人間はいなかった。σ(-_-)このアンポンタンも、その一人....

 週刊誌は月に4冊は出版されるので、放浪記の1シリーズ6カ月で24,5冊。全シリーズでは100冊前後か。これに短編やら、「ドサ健ばくち地獄」などを加えると軽く200冊はゆく。もともと週刊誌は読み捨てのもの。そこで麻雀放浪記に限った100冊としても、10冊や20冊ならともかく、全冊を揃えるのは不可能に近い。

 そんなことをさんに話していると、聞いていたOさん
それなら、全部揃ってるところを知ってる
えっ」と聞き返すと、
大宅壮一文庫なら必ずある
 う〜ん、たしかにその通り。というか、それならσ(-_-)も承知している。

 故・大宅壮一氏は、様々な評論を書く資料として、世相を反映した週刊誌をはじめとする雑書に着目。個人的に過去の週刊誌、雑書を収集するとともに、新規発行されたものは片っ端から購入していた。死後、その偉業と意志を汲み、大宅氏の個人書籍を母体に設立された雑誌専門図書館
#詳しくは、(財)大宅壮一文庫を参照してください。

 とうぜんすべて揃ってる。しかし相手は公共図書館。麻雀放浪記が連載されている週刊大衆、すべてを「1千万円で売ってくれ」といっても、売ってくれない。(-_-;

そう云うと、Oさん。
そりゃあ売ってはくれないだろうが、コピーサービスしてくれる
σ(-_-)とさん、思わず声をそろえて
それじゃあダメっ」(^-^;

そしてさん、σ(-_-)の方を振り向いて、
浅見さんは1冊も持っていないんだね?
.(ヘンな念押しだなぁ....)と思いつつ
残念ながら...
よし、分かった!」
なにが....
いまから博物館の総力を挙げて、全冊そろえる!
(う〜ん、そう来たか.....)(_ _;

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