竹書房さんのおかげで麻雀コミックは花盛り。とはいえ傑作というのはそうそうは無い。もちろん読者の好みもあるから一概には言えない。
となると、傑作とは多くの読者の評判を取った作品ということになるのだろう。たとえば「哭きの竜」(能條純一/竹書房)。絵はきれいだと思うが自分好みの作品ではない。そこでストーリーの意外性は認めるものの、σ(-_-)には傑作とは思えない。しかしあれだけ評判になるんだからたぶん傑作なんだろう。※「月下の棋士」は面白いし、傑作と思う。
そういう状況の中で、近年の傑作と呼んではばからないコミックは、「バード」(青山広美/竹書房)である。同氏のトーキョーゲームも面白かったが、「バード」はそれを遙かに上回る。たぶんほとんどの方が読了済みと思うが、多くの方が同意見と思う(ねっ
ねっ)。
麻雀コミックと言えば洩れなくイカサマがついてくる。(笑)
正直言ってイカサマコミックには飽き飽きしている。そういう中で、この作品はイカサマというより、「次はどんなマジックが登場するのだろう」と、胸をドキドキさせた。
イカサマにもいろいろな種類があるが、自動卓では天和だの元禄(千鳥)だのドラ爆弾だの、壁牌への積み込みは困難である。そこで自動卓コミックではすり替え系、ローズ系のイカサマが主体で、積み込み系のイカサマ技は影が薄くなった。しかし「バード」は、そんな常識?をぶち破り、奇想天外のストーリーを展開させる。
トランプ手品に代表されるように、むかしのマジックは手先の動きが主体であった。しかし近年はイリュージョンとかなんとかで機械仕掛けも大がかりである。どうやら青山氏は、そういう機械仕掛けのこともかなり取材したらしい。そんな努力がこの傑作を生んだのだと思ふ次第だ。
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