Book review 


    (1)勘違い本


 σ(-_-)は麻雀の本なら何でも買うことにしている。中身はあまり関係ない。どこかに「麻雀」と書いてあればとにかく買う。(笑)そんなんで買っているうちに、麻雀に関係ない本まで何冊か買ってしまった。どうしかと云えば、その本のタイトルに「麻雀」、あるいはそれとおぼしき名前がついていたからだ。そんなタイトルにダマされて買ってしまった(*。*)本のいくつかをご紹介する。

 まずはタイトル「麻雀物語」(松上正治・鳥影社・\1300・97/12/27刊・ISBN4-88629-286-0)」

 誰がどう見たって麻雀の本。ところがこれが麻雀とは何の関係もない。何の本かといえばパチンコの本。正確に言えば、パチプロの生態を描いた本。ではどうして「麻雀物語」なのか。パチンコ台に「麻雀物語」という名前の台が1種類ある。どうも本の中にその台の名前が2回、登場する所からつけられたタイトルらしい。

 しかしその台が重要なファクターになっているわけでもなければ、パチプロがその台でプレーするわけでもない。単にパチプロ同士の会話の中に、

「あの液晶の麻雀物語が新しく入った」
「麻雀物語か。連チャンが強力な台だな」

というやり取りが出てくるだけだ(たったこれだけ・・・・)。そりゃあどんなタイトルをつけるのも作者の自由だ。しかしこれで「麻雀物語」とは。やっぱつけるなら「パチンコ物語」だろうと思うが・・・・

次なるは「めんたんぴん」(川口哲夫・JICC出版局・\850・S60/12/31刊・ISBN4-88063-111-6)

 どう考えたって麻雀の本だと思ったが、中身は現代日本人の顔の構造と分析!。う〜ん、「めん」は分かるが「たんぴん」ってなんじゃらほい。

台湾へ行ったとき見つけたのが「麻雀総動員

 「おお、台湾にも麻雀コミックがあったのか!」と感激して、そこにあるのを全部買った(といっても2冊しかなかったけど)。ホテルへ帰って開いてみたが、どこにも麻雀シーンがない・・・・。「ふにゃ?・・・」と思いながら、中国語のつたない知識を総動員して文字を拾う。するとどうやら、小さな女の子を主人公にしたドタバタ喜劇。作者を見ると「柴田亜美」とある。「なんか日本人みたいな名前だなぁ」と首をひねりながら帰国した。

 帰国してから子供に話すと、「お父さん、それ僕も持ってる
 「なぬ?、じゃあ持って来て見ろ」というと、持ってきたのが「緊急出動、すずめちゃん」というコミック。う〜む、そういえば「すずめ」は中国では麻雀だった・・・・。すると"緊急出動"が"総動員"か。つまり日本のコミックの中国版だったわけだが、それにしても著作権料、払ってるのかな?

「マージャンスパイ」  (扶桑社・J・トレンヘイル田中融二訳63/6/21¥560 4-594-00297-8)

 はじめて見たときは、「おっ!」と思った。しかしチラチラと立ち読みすると、どうやらアメリカを舞台にしたソビエトと中国のスパイの物語。う〜ん、しかしいくら中国のスパイがからむからといって、「マージャンスパイ」はこじつけに過ぎるだろうと思ったら、この中国スパイ団の通称が「麻雀軍団」だった・・・・

 なんじゃと思ったので、そのときは買わなかった。しかし「マージャン」というタイトルに惹かれて、結局は買ってきた。

「東西南北殺人事件」(赤川次郎)

 警視庁刑事、大貫警部の物語。東南西北(トンナンシーペー)ではないから、これはさすがに麻雀には関係ないことを承知で買った(笑)。せっかく買ったので、いちおう読んでみた。すると殺人事件の被害者の名前が、東得三・西浜子・南正和・北照子。

 被害者の名前が東西南北だったのは結果的に偶然だったという内容であったが、そういうタイトルにするための必然に近い偶然のような気がする。

最後におまけ。
「黄雀風」(芥川龍之介)新潮社・大正13年

 これも麻雀に関係ないことを承知で買った。買った理由はタイトルに「雀」という文字が入っているから、ではない。なにせ芥川龍之介だから初版本の箱入りなら4万円くらいする。箱無しの重版でも1万円ぐらいだ。さすがに「雀」人文字にン万円はちと高すぎる。

 麻雀揺籃期の昭和初期、先人の1人に三島康夫(みしまやすお)という人がいた。この人の雀名(ペンネームみたいなもの)が黄雀風。その類似性に惹かれて買った。(^ー^;

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