Book review 


    (2)コミック随想



 「鬼・狼・地獄・狂・無頼」、見ているだけで気が荒むような字のオンパレード。実はこれは麻雀コミックのタイトルで使用される文字の頻度順。このあと「必殺・女・怨・風来・イカサマ」と続く。どうも麻雀コミックはこのような文字を適当に組み合わせて作られているみたいだ。

 いちおう順番は、σ(-_-)の所蔵しているコミックタイトルでの頻度順。所蔵している人によって頻度順は多少異なるかもしれないが、いずれにしてもベスト10はこんなところだろう。

 こういう麻雀コミックや小説は、昭和45年頃まではほとんど目につかなかった。こんなに出版されるようになったのは、何といっても阿佐田哲也氏の「麻雀放浪記」がその嚆矢となっていると思う。その後については、もちろん竹書房の近代麻雀の発刊が大きい。

 もちろん「鬼」だとか「必殺」だとかのタイトルは、なにも麻雀コミックに限ったことではない。他のジャンルでも大いに使用されている。しかし素人のσ(-_-)が見ても、麻雀については、他のタイトル群とくらべてかなり使用頻度が高い。

  たとえコミックであっても、こうした麻雀文学?が隆盛なのはおおいに結構なこと。しかし麻雀コミックの主流がこういうタイトル群であり、中身もそれに沿うようなものが多いとすれば、ゲーム麻雀の愛好者としては、他ジャンルコミックに比べて麻雀コミック文学は隆盛だといって手放しで喜んではいられないような気もする。

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