和了 03・王牌で放銃


MASK 2002/2/02

 MASKと云います。この前あったトラブルについてなのですが。
 始めの方でカンがあって海底牌が本来の位置より一つ前に移動していました。新海底牌がツモられたあと、誰もなにも云わないので次のツモをやってしまいました。アガリ牌でなかったのでツモ切りしたら、対面に放銃になってしまいました。

 そのあとで間違いに気が付いたので、もめました。あがった人は、「アガリ成立だ」と云いましたが(河底放銃つきなのでトップになる)、自分は「もう流れているのだから、アガリは成立しない」と云いました。下家(アガリが成立すると2位になる)も自分と同意見だったし、上家はどっちでもいいという感じでした。結局多数決で流れと云うことになりました。これで正しかったのでしょうか。


あさみ 2002/2/02

 正しいとか正しくないというと、誤解を招きやすいのですが。
 
 現在の競技麻雀では、トラブルに関しては一事不再理(いちじふさいり)という原則で処理されることが多くなっています。これは分かりやすく云うと、「間違いが起きた時点で指摘されず、かつ元に戻すことが不可能な行為は、それを正当なものとして進行する」という考え方です。

 そこで質問のケースをこの原則で考えた場合、MASKさんがツモした段階で、誰も「もうツモ牌は無い」ことを指摘しなかったと云うことは、その時点ではみんなそのツモを正当だと認めたことになります。正当なツモのあとの打牌であれば、とうぜん、その打牌によるアガリは有効=河底放銃成立ということになります。

 これは海底ではなく途中段階でのツモ牌間違いでも同様です。この場合でも、間違い牌のツモのあと何かを切って放銃すれば「本来のツモをしたのではなかったから、アガリは成立しない」と云うことにはなりません。その延長線上で考えれば、たとえ海底段階であっても、アガリが発生した以上、アガリ有効ということになります。

 じっさい途中段階での間違いツモによる放銃で相手の手牌公開がありますと、復旧のしようがありません。そこで一事不再理の原則の適用となるのですが、何がなんでもこの原則に当てはめればいいと云うモノでもありません。

 このケースの場合、残り牌の形から、そのツモが正常なモノではなかったことが確認できます。そこでもう一歩大きな立場、すなわちゲームの正常な終局という観点から考えた場合、このケースは正常な形で終局することが可能です。

 その立場から考えれば、たとえ終局段階で誰もなにも云わなかったとしても、河底牌が打たれた段階でゲームは終局していることが確認できます。そこで間違いツモもロンアガリも終局後の出来事としてすべて無効=流局とするのが順当と思います。


コットン 投稿日:2004/09/28(Tue)

ども、浅見先生。
オバカミーコ、なるほどと思いました。
それでは、こういう場合はどうなるのでしょうか。
ハイテイ牌でツモアガリ。「ツモ」と発声して手牌を倒しました。
しかしカンがあったので、実はその1つ前の牌で終わっていたことが判明。
終わった時点で誰も気が付かなかったので、ツモ者もハイテイと思いこんでしまったのです。

こういう場合、誰もノーテンもテンパイ宣言もしていないのですから、アガリになるのでしょうか。それともチョンボになるのでしょうか。


あさみ
投稿日:2004/09/28(Tue)

こんにちわ、コットンさん。

 誰かが間違いに気づいた場合、そのツモがハイテイ牌でなかったこと、
つまりそれ以前にツモ牌はすべて使用され、終局していることは残り牌で確認できます。

 そこでたとえノーテンやテンパイ宣言が無かったとしても、ゲームは正常に終了している。したがってアガリは無効。そしてゲーム終了時の無効なアガリ宣言である以上、チョンボも何も関係なし、とするのが順当と思います。

 もちろん皆がハイテイツモだと思いこみ、黙って点棒を払ってくれたら一応アガリ成立です。
その場合、点棒の授受が終了次第、急いでその山や手牌を崩しまえば、その時点で正式なアガリとして確定することになります。