ネットワークの設定

 ネットワークの設定は、Linuxのインストール時でもできますが、ここではLinuxのインス トール後、手動でネットワークを設定する方法の説明です。
 書式のミスや、スペルミスして場合は、エラーとならず単に無視されて処理しますので注意してください。
 ◆ Turbo Linuxには netcfg (turbonetcfg) と言うプログラムがあり、以下の項目の設定が簡単にできます。
≪ 項目 ≫
1.ネットワークカードの確認
2.ネットワークカード(IPアドレス)の設定
3.ネットワークの設定
4.ホスト名の解決(リゾルバ)の設定
5.ネットワークの設定を反映の仕方

 1、ネットワークカードの確認

 まず、IPアドレスを確認する "ifconfig" のコマンドでネットワークカード(PCIのLANボードやPCMCIAのLANカードの事)が 認識されているか確認します。

 以下の様に出力されていれば、ネットワークカードは認識されています。

[root@localhost]ifconfig
eth0   Link encap:Ethernet HWaddr xx:xx:xx:xx:xx:xx
      inet addr:192.168.xxx.xxx Bcast:192.168.xxx.xxx Mask:255.255.255.0
              〜(以下省略)〜

lo     Link encap:Local Loopback
      inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
              〜(以下省略)〜


 ここで "eth0" というのが出力されていたらLinuxはネットワークカードを認識しています。 しかし" lo" しか出力されていない場合は認識されていませんので、ネットワークカードの 製造メーカーのホームページ等で対応しているか、または認識のさせ方を調べてください。KernelのVersion UPをすることで 認識する場合があります。(ドライバーもUPDATEされます。)
 ノートパソコンに使うPCMCIAのLANカードは、"kernel-pcmcia-cs"をVersion"UPしたら、自動認識する事があるみたいです。

 以下が各項目の簡単な説明です。
HWaddr ・・・ MACアドレス(そのネットワークカードが持つ特殊なアドレスの事)
inet addr ・・・ IPアドレス
Bcast ・・・ ブロードキャスト
Mask ・・・ サブネットマスク

 ちなみにネットワークカードが複数合った場合は "eth0" 、"eth1" という ふうに連番で出力されていきます。普通はPCIバスやPCMCIAにカードがささっている順番に割り振られるはずですが、一応どっちのカードが  "eth0" なのかは確認しておいた方が良いでしょう。

 2、ネットワークカード(IPアドレス)の設定

 ネットワークカード1枚に対しての設定です。 IPアドレスとは1つのパソコンに付き1つ割り当てられるわけではありません。 1つのネットワークカードに対して1つのIPアドレスが割り当てられます。
 もし "ifconfig" コマンドで "eth0" が出力していた場合は、以下のファイルが存在しているはずです。

 /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 (または ifcfg-eth1 )

と言うファイルがあるはずです。これがIPアドレスなど情報が記述されているファイルです。
 以下は、ファイルの内容の例です。

 ◎ DHCPによってIPアドレス振り分けている例
DEVICE=eth0
BOOTPROTO=dhcp
ONBOOT=yes

 ◎ 固定でIPアドレスを割り付けた例
DEVICE=eth0
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
IPADDR=192. 168. xxx. xxx
NETMASK=255. 255. 255. 0
NETADDR=192. 168. xxx. 0
BROADCAST=192. 168. xxx. 255
GATEWAY=192. 168. xxx. xxx

 以下がネットワークデバイス設定ファイルの書式です。

項目書式説明
DEVICE DEVICE=<デバイス名> ネットワークインターフェイスに対応するデバイスの物理名を指定します。
ONBOOT ONBOOT=( yes | no ) Linux起動時にこのネットワークカードを有効にするかどうかを決めます。
BOOTPROTO BOOTPROTO=
( static | bootp | dhcp )
static ・・・IPアドレスを自分で指定する時に設定します。
bootp ・・・BOOTPを使用して設定します。
dhcp ・・・DHCPを使用してIPを振り分ける場合に設定します。
IPADDR IPADDR=<IPアドレス> BOOTPROTOが"static"の場合はIPアドレスを設定します。
NETMASK NETMASK=<ネットマスク> IPADDRに対するネットマスク値を指定します。
NETADDR NETADDR=<IPアドレス> ネットワークアドレスの指定します。
BROADCAST BROADCAST=<IPアドレス> ブロードキャストアドレスの指定します。
GATEWAY GATEWAY=<IPアドレス> ゲートウェイアドレスの指定します。

 以上が項目と書式の説明です。
 IPアドレスやサブネットマスクの説明は"IPアドレスについて"を参照してください。


 3.ネットワークの設定

 パソコンのネットワーク環境の設定をします。
 設定するファイルは以下のファイルです。

 /etc/sysconfig/network

 以下が例です。

NETWORKING=yes
HOSTNAME=TEST-SERVER
GATEWAY=192.168.xxx.xxx
GATEWAYDEV=eth0
NISDOMAIN=xxxxx
IPX=no

 ネットワーク設定ファイルの書式は以下のとおりです。
項目書式説明
NETWORK NETWORK=( yes | no ) ネットワークの使用の有無を指定します。
yesに指定した場合ネットワークを使用する前提で処理が行われます。
HOSTNAME HOSTNAME=<ホスト名> そのパソコンの名前(ホスト名)を指定します。
windowsのパソコンからこのパソコンを見た時は、この名前で表示されます。
GATEWAY GATEWAY=<IPアドレス> デフォルトゲートウェイの指定をします。
GATEWAYDEV GATEWAYDEV=<デバイス名> ゲートウェイのパソコンに接続している、ネットワークカードのデバイス名を指定します。
ネットワークカードが2枚以上あった場合、どちらのネットワークカードからゲートウェイ
に接続できるかを判断する為の設定です。
ネットワークカードが1枚の場合は省略できます。
NISDOMAIN NISDOMAIN=<NISドメイン名> NISにおけるドメインの指定をします。
NISサーバー、NISクライアントになる場合は必須項目です。
IPX IPX=( yes | no ) IPXプロトコルを使用を指定します。


 4.DNS(リゾルバ)の設定

 リゾルバとは、ホスト名やインターネットのURLをIPアドレスに変換してくれる、名前解決機能の事です。
 DNSサーバーの指定をする場合も、ここで設定をします。
 設定するファイルは以下のファイルです。

 /etc/resolv.conf
 /etc/hosts
 /etc/host.conf

◆ ”resolv.conf”の説明
 この設定ファイルでは、DNSサーバーを指定する事ができます。
 以下が”resolv.conf”の例です。
domain xxxx.xx.xx
search xxxx.xx.xx
search xxxx.xx.xx
nameserver 192.168.xxx.xxx
nameserver 192.168.xxx.xxx


 以下が”resolv.conf”の書式です。
項目書式説明
domain domain <ドメイン名> 自ホストの所属しているドメインを指定します。
search search <ドメイン名> ホストを検索する際に後ろに付加するドメイン名をしてします。
例えば、ping <ホスト名> とすれば、<ホスト名> の後ろに指定した
ドメインを付加して検索を行います。
複数行記述する事が可能ですが、上から記述した順にドメイン名
を付加して検索を行います。
nameserver nameserver <IPアドレス> 使用するDNSサーバーのIPアドレスを指定します。
複数行記述する事が可能ですが、上から記述した順でDNSを使用
します。
sortlist sortlist 
<IPアドレス/サブネットマスク>
リゾルバが優先的に使用するネットワークアドレスを指定します。

◆ ”/etc/hosts”の説明
 このファイルは、ホスト名とIPアドレスの対応表を記述します。
 そのパソコンの中のみ、このファイルの情報は有効なので、注意してください。
 以下がその例です。
127.0.0.1          localhost.localdomain  localhost
192.168.xxx.xxx  server1.xxx.co.jp        server1
192.168.xxx.xxx  server2.xxx.co.jp        server2

 ”/etc/hosts”の書式は以下の通りです。

  <IPアドレス> <ホスト名> <エイリアス>
  (左から順に)

 これでIPアドレスとホスト名を関連付ける事ができます。
 エイリアスとは別名の意味で、ホスト名とは違う名前で同じIPアドレスを返す事が出来ます。エイリアスは省略可能です。

◆ ”/etc/host.conf”の説明
 ホスト名の解決する為の手段を設定するファイルです。
 Linuxをインストールした後、標準のままで問題無いはずです。(このままで使うのが普通です。)
 上記の2つのファイルを設定しても、まだホスト名の解決が出来ない場合はこのファイルが以下の様になっているか確認してください。
order hosts,bind
multi on

 それぞれ簡単な説明は以下の通りです。

 order hosts or bind or nis

 ホスト名の解決を行う際、どの機能を使用するか、指定できます。左から順に優先的に使用します。2つ以上指定する場合は ”,” (カンマ) で区切ってください。
 hosts は上記の”/etc/hosts”に問合せをします。
 bind は上記の”resolv.conf”で指定したDNSに問合せをします。
 nis はNISサーバーに問合せします。

 multi on or off

 問合せたホストにIPアドレスが2つ以上あった場合、最初見つかったIPアドレスを返すのか、または全てのIPアドレスを返すのか指定します。
 on は全てのIPアドレスを返します。
 off は最初見つかったIPアドレスを返します。


 5.ネットワークの設定を反映の仕方

 ネットワークカードやネットワーク全体の設定を変更を反映させたい場合は、パソコン自体を再起動するか、または以下のコマンドを実行 してネットワークのプログラムを再起動してください。

 /etc/rc.d/init.d/network restart


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