IPアドレスの基礎知識

 TCP/IPを利用してネットワークを構成しているなら、各パソコンにIPアドレスが必要です。 自分のIPアドレスと相手のIPアドレスが決定していないと通信ができません。
 ここではIPアドレスに関連する基礎知識を説明します。
≪ 項目 ≫
1.IPアドレスについて
2.サブネットマスクについて
3.ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスについて

 1.IPアドレスについて

 ◆ IPアドレスの説明  IPアドレスとは、インターネット層でコンピュータを識別する為の、192.168.233.12 のように”.”(ドット)で区切られた4つブロックで成り立っている番号の事です。 この番号を元にコンピュータ間の通信(やりとり)が行われます。
 IPアドレスは、1ブロック8Bitの 8Bit x 4 の32Bitの数値で構成させています。1Bitは2進数の 0 または 1 で表しますので 1ブロックは「00000000」〜「11111111」(2進数)の範囲の値を取ります。これを10進数に変換すると、0 〜 255 になります。よってIPアドレスは 0.0.0.0 〜 255.255.255.255 の範囲内でないといけません。
 IPアドレスは8進数の表記や16進数の表記などがありますが、一般に使用されているのは10進数の表記です。
(この辺りは説明は要らないと思いますが念のために)

  上記の説明はIPv4(IP Version.4)の説明です。次世代にIPv6(IP Version.6)と言うのがあり、IPアドレスが32Bitではなく128Bitで構成されますが、現在は実験段階で、 まだまだ普及されてません。徐々に導入されつつありますが、IPv6をサポートしているOSやルーター等のハードウェアは、ほとんどありません。

 パソコン間の通信についてですが、同じネットワーク(ネットワークアドレスによって同じかどうか判断されます。”ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスついて”を参照してください。)同士であった場合は、 特に設定しなくても通信できますが、異なるネットワーク場合は、間にルーターが必要になるので、IPアドレスを割振る際は、注意してください。

 ◆ グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの説明
 グローバルIPアドレスとは、インターネットに接続する為に公式に使用されているアドレスであって、勝手に使う事ができません。
 プライベートIPアドレスとは、グローバルIPアドレスとは逆にインターネット上に出る事は無く、社内や家庭内なら自由に割振って良いアドレスの事です。 また、例え設定を間違って外部向けのパソコンにプライベートIPアドレスを使ってしまっても、インターネット上にはデータが流れないような仕組みになって います。

 プライベートIPアドレスは以下の表のように、範囲が決められています。

クラスアドレス範囲サブネットマスク
クラスA 10.0.0.0 〜 10.255.255.255 255.0.0.0
クラスB 172.16.0.0 〜 172.31.255.255 255.255.0.0
クラスC 192.168.0.0 〜 192.168.255.255 255.255.255.0

 上で記述している範囲以外のIPアドレスは全てグローバルIPアドレスになります。
 サブネットマスクについては下で説明してます。


 2.サブネットマスクについて

◆ サブネットマスクの説明  IPアドレスは、ネットワーク部とホスト部という2つに分ける事ができます。IPアドレスからその2つを算出する為に使用されるのと、 ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを算出する為に使用されるものです。
 ネットワーク部とホスト部の分け方は以下の様にします。

 例としてIPアドレスとサブネットマスクが以下の場合

IPアドレス192.168.200.10
サブネットマスク255.255.255.0

 この2つを各ブロックごとに8Bitの2進数に変換しますと・・・

 11000000.10101000.11001000.00001010
 11111111.11111111.11111111.00000000

 となります。そしてこの2つの2進数の数値を論理積をします。

   11000000.10101000.11001000.00001010
& 11111111.11111111.11111111.00000000
-------------------------------------
   11000000.10101000.11001000.00000000

 となります。
 ここで論理積で得られた値を10進数に変換した数値、つまり 192.168.200.0 がネットワーク部となります。
ではホスト部はと言うと

 11000000.10101000.11001000.00001010
 11111111.11111111.11111111.00000000

 サブネットマスクで 0 の部分で論理積を行った「00001010」の部分の事を指します。つまり 10 がホスト部となります。


◆ 補足
 220.xxx.xxx.xxx/29 という様な書き方がされている場合があります。これはIPアドレスの32Bitの内29Bitはネットワーク部という事を意味します。
つまりサブネットマスクの書き方の1つで、変換すると

 11111111.11111111.11111111.11111000 (2進数)

 となります。( 1 が左から29個あるという事です。)
 10進数に変換すると 255.255.255.248 となります。

 上記の書き方は、固定IPアドレスを8個取得した場合などが多く使用されています。
 (固定IPアドレスを16個取得した場合は /28 になります。)


 3.ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスついて

 ネットワークアドレスとはネットワークセグメントそのもので、IPアドレスをの一部を同じくするホストの集合体のアドレス事ことを指します。 要は、サブネットマスクで算出されたネットワークアドレスが同じであれば、同一のネットワークに居ると判断されます。  ブロードキャストアドレスとはネットワーク内にある全ホストに対してパケットを送る場合に使用されるIPアドレスの事です。
 では、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの見分け方ですが、上記でサブネットマスクの説明で、ホスト部のアドレスが 2進数で全て 0 であった場合がネットワークアドレスです。逆に2進数で全て 1 であった場合がブロードキャストアドレス です。

 以下が例です。
 (固定IPを取得した場合を例にします。IPアドレスは適当です。)

IPアドレス219.164.154.172
サブネットマスク255.255.255.248

 上記のアドレスを全て2進数にして、サブネットマスクで論理積をします。

   11011011.10100100.10011010.10101100
& 11111111.11111111.11111111.11111000
-------------------------------------
   11011011.10100100.10011010.10101000

 ホスト部が全て 0 なので、上記で出てきたIPアドレスがそのままネットワークアドレスです。10進数に直すと 219.164.154.168

 ブロードキャストアドレスの場合はホスト部を全て 1 にします。

11011011.10100100.10011010.10101111

これを10進数に直すと 219.164.154.175 となります。

 注意する点は、IPアドレスとサブネットマスクがあれば、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは自動的に決定します。 ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスはパソコンに振り分ける事ができません。8個固定IPアドレスを取得した場合、実際に使用 できるIPアドレスは 8 - 2 = 6個になります。


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