ドメインの役割とDNS(名前解決機能)の働き

 何故、外部に向けてサーバーを開放する場合はドメインが要るのか? また、固定のグローバルIPを取得と同時にドメインを取得する理由。 DNSを設定したいけど、仕組みが良く分からないため設定できない。 ような疑問を持っている人のために、このページを作ってみました。
 DNS(bind)の設定の仕方については、違うページで掲載していますので、そちらを参考にしてください。

≪ 項目 ≫
1.ドメインとは何か
2.ドメインの階層と種類
3.DNSとは?
4.ドメイン登録とは?
5.名前の解決(ドメインをIPアドレスに変換)の仕組みについて


 1.ドメインとは何か

 ドメインとは、InternetExplorer 等のブラウザでホームページをアクセスする際、URLの部分にアドレスを入力しますが、普通は”http://www.yahoo.co.jp”と言うように入力します。 しかしコンピュータにしては、IPアドレスしか認識できませんので”http://xxx.xxx.xxx.xxx”( x の部分はIPアドレス)と言う様な感じでアクセスしてあげないといけないのですが、 それだと私達、人がどのサイトであるか判断しにくく非常に分かりづらいので、

  ”http://xxx.xxx.xxx.xxx”=”http://www.yahoo.co.jp”

と言う様に、IPアドレスとURLのアドレスを結び付けてくれるのがドメインの役割です。
 このアドレスの見方ですが、例えば InternetExplorer のアドレスの部分に、”http://lab-kage.plala.jp/”があります。その”plala.jp”の部分がドメイン名です。
 見方は以下の様に見ます。

http:// lab-kage .plala.jp
http:// www .yahoo.co.jp
プロトコル ホスト部 ドメイン部(ドメイン名)

 まずは、使用するプロトコル指定してます。ホームページなどの閲覧する時は、HTTP (ポート番号80)が一般的です。 その後にホスト名とドメイン名があります。プロトコルの次にまずホスト名がきて、左から最初の”.”(ピリオド)によってホスト部とドメイン部に分かれます。 (左から最初のピリオドより右にあるのはドメインまたサブドメインとなります。)
 ドメイン部は、複数の階層に分けられ(ピリオドによって)、それらを1つまとめてドメイン名となります。


 2.ドメインの階層と種類

 ドメイン部は見ての通り、複数の”.”(ピリオド)で分けられてますが、これはドメインのレベルによって分けられています。 ドメイン部の右にある方がレベルが高くなっていきます。
 例えば”lab-kage.plala.jp”で言えば、”.jp”の部分がトップレベルドメイン名(TLD)と言われ、国を示すドメイン名(ccTLD)または組織を示すドメイン名(gTLD)があります。 つまり”.jp”は国を表すドメイン名で、それも日本である事を意味しています。
 ドメインを登録する時は、トップレベルドメイン名のどれかに所属する事になります。(詳しくは”ドメイン登録について”を参照にしてください。)
 下の表がトップレベルドメイン名の一例です。

ドメイン名種別
組織を示すドメイン名(gTLD)
com営利組織、個人、任意のグループ
org非営利組織のグループ
netネットワークサービスを提供する組織グループ
国を示すドメイン名(ccTLD)
caカナダ
cn中国
deドイツ
jp日本
kr韓国
usアメリカ
usイギリス

 次に第二レベルからは自由に登録するか、組織種別ドメインに所属するか選択できます。(日本の場合は) 2001年ぐらいまでは組織種別ドメイン名というものを指定してあげないといけなかったのですが、今は自由に登録できるようになっています。 (”.plala”の部分が管理人が使用しているプロバイダーである”ぷらら”が”jp”の直下に登録しています。)  組織種別ドメインというのは、
日本( jp ドメインの直下)では以下の表に例を挙げます。

ドメイン名種別
組織を示すドメイン名
ac大学、研究機関
co企業
ed教育機関
neネットワーク組織
or各種団体

 一般的には第二または第三レベルから、自由なドメイン名で登録する事ができます。 実際にどのような階層となっているか、図で表すと以下の様にツリー状に配置されています。

ドメイン説明図1

 上の図にあるマシンは全てDNSサーバーを示しています。jp や co などネットワーク組織のDNSサーバーもあれば、企業、個人で立ててあるDNSサーバーもあります。
 では次の節でDNSの役割について説明します。


 3.DNSとは?

 DNSとは、大きく2つの機能があります。
 まず1つは、”http://www.yahoo.co.jp”などアクセスしようとした時、そのURLのIPアドレスは何か、他のDNSサーバーへ問い合わせに行く機能です。(問い合わせの仕方は次の節で)
 もう1つは、逆に外部から問い合わせがあった場合です。例えば私が”lab-kage.jp”というドメインを取得したとします。そしてWEBサーバーとMailサーバーを立てて外部に公開したとします。 もちろんこの2つのサーバーには、固定でグローバルIPアドレスを付与し、それぞれ”www.lab-kage.jp”と”mail.lab-kage.jp”という名前で公開するとします。 この時外部から”www.lab-kage.jp”と”mail.lab-kage.jp”へのIPアドレスの問い合わせがあった場合、DNSが対応してIPアドレスを問い合わせ元に返答する機能を持っています。

 DNSの設定の仕方については、ここではなく”DNSの設定”を参考にしてください。


 4.ドメイン登録とは?

 例えば”lab-kage.jp”みたいに、自分だけのアドレスが欲しい場合はドメイン登録を行う必要があります。 極端な話をすると、URL の箇所にIPアドレスのみのアクセスを受付けるだけでよろしい人は、ドメイン登録とDNSの設定は不要になります。
 では、ドメイン登録で主に行う事を例に挙げます。ただし、レンタルサーバーでなく自分でサーバーを立てる人の場合は、ドメイン登録を行う前にプロバイダーから固定のグローバルIPアドレスを取得しておく必要があるので注意してください。

 ◆ T.ドメイン名を決定する

 登録したいドメイン名を決定します。まずは”lab-kage.jp”であれば、”lab-kage”の部分を考えましょう。その次にどのドメインレベルに所属するか決めます。
 co.jp や com 、org など、トップレベルドメインまたは第二レベルにするかは自由ですが、co.jpみたいに企業でないと駄目という条件が必要な場合があるので注意してください。所属する箇所によっては登録費用と年間維持費用は違ってきます。
 また、ドメイン名(トップレベルドメイン名まで含めて)は世界で1つしかないように登録しないといけません。もし既に登録されていたらその考えているドメイン名は登録できません。(早い者勝ちです。) あらかじめ以下のページで、考えていたドメイン名が登録されていないか確認しておきましょう。(指定事業者のページでも確認できます。)

  http://whois.jprs.jp/ ←JPNICのJPドメイン名登録情報検索サービスのWHOISです。

 ◆ U.指定事業者を決定する。

 現在のドメインを登録する場合は、必ず”指定事業者”と言うドメイン登録を代行してくれる企業(団体)に代行してもらわなければなりません。 ”指定事業者”の一覧を紹介しているホームページは以下のページです。

  http://jprs.jp/ ←日本レジストリサービス

 上のページがJPドメイン(トップレベルドメインが jp のドメイン)を管理している企業ですが、直接登録はできませんので注意してください。
 ”指定事業者”によってかかる費用や支払い方は異なります。そういった所を考慮して”指定事業者”を決めてから、いざドメイン登録になります。

 ◆ V.ドメイン登録の申請する

 ”指定事業者”に登録したいドメイン名と、自分または企業の情報(住所、電話番号、郵便番号、管理者など)、 そしてDNSサーバーのIPアドレス(恐らくこの段階では出来てないと思いますが、ある程度ネットワーク構成を考えておく必要があります。)を入力して、指定された金額を支払えばドメイン登録となります。

 簡単にドメイン登録について説明しましたが、ここで重要なのがドメイン登録とDNSサーバーのIPアドレスの登録です。 例えば、”lab-kage.jp”を”指定事業者”に登録依頼すると、下の図の様に情報の登録を代行してくれます。



 もし、”lab-kage.co.jp”を登録しようとしてたら、co のDNSサーバーに登録される事になります。


 5.名前の解決(ドメインをIPアドレスに変換)の仕組みについて

 InternetExplorer 等のブラウザのアドレス(URL)の部分からIPアドレスを求めるにはDNSの設定が必要です。 (設定した事無い人は、プロバイダーの方が自動取得できるように設定してる場合があります。またルーターにも自動取得機能があります。)  DNSサーバーは階層化されている事は説明しましたが、これによってドメイン名とIPアドレス等のデータを各サーバーに分散して置くことが可能になります。 しかもツリー状になっているため、解決したいドメイン名のデータを置いているDNSサーバーを容易に検索できるようになっています。
 では例として”lab-kage.jp”のクライアントが”www.xxxxx.co.jp”にアクセスしようとします。
 それぞれのDNSサーバーの位置的には下の様になります。



 まずドメイン名の解決のしかたですが”lab-kage.jp”のDNSサーバーにドメイン名の解決の依頼します。 すると”lab-kage.jp”のDNSサーバーはルートサーバーに”www.xxxxx.co.jp”の”.jp”(トップレベルドメインから)のデータ(IPアドレス)を取得しようとします。 そこで”.jp”のIPアドレスが取得できると、今度はそのIPアドレスを持って”jp”のDNSサーバーへアクセスし、次のドメインレベルの”.co”のデータ(IPアドレス)を取得しようとします。 また、同じようにアクセスをして次のドメインレベルの”.xxxxx”のデータ(IPアドレス)を取得しようとします。



 最終的に”xxxxx.co.jp”のDNSサーバーにたどり着きます。 欲しい情報であるホスト部”www”のIPアドレスのデータが、ここのDNSサーバーに設定されているはずです。 これでIPアドレスが分かると言う仕組みです。



 以上で簡単ですが”ドメインの役割とDNS(名前解決機能)の働き”の説明です。




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