・「響き」とは
オーディオ装置はよく音響装置とも言われます。まさに音の響きを楽しむ装置です。「響き」といって思い浮かべるのカラオケ等のエコーではないでしょうか。また、ホールなどの残響もそうでしょう。歌声や弦楽器のハーモニーの調和も「響き」といっています。
目標とする「響き」は、一つ一つの音の調和による音楽の持つエネルギーであり波動を伴って押し寄せてくる感じです。これを減衰させることなく心と体全体に届けることが目標です。
・楽器の響きのしくみ
ピアノやヴァイオリン等の楽器は,実は弦自体から出る音はそれほど大きなものではなく,その音が響板と呼ばれる板に伝わり,響板が共鳴して楽器の音になります。楽器に用いられている木材は楽器の種類や各々の楽器の部品によっても異なっていて,響板に用いられるのは,ドイツトウヒ,シトカスプルースやエゾマツといったトウヒの仲間です。
楽器響板用の木材に求められる性質は,軽い(密度が小さい),腰が強い(強いバネの性質を持っている,弾性定数が大きい),そして振動が長く続く(振動のエネルギーが無駄なく音に変換される,損失正接が小さい)ことであるとされています。 ・スピーカへの応用
大切なことは、吸音ではなく整音です。楽器の音を出すのがスピーカの役割なのですから、やはり材質は木材が最適であると思っています。しかし、重く固い木材や、合板では良い「響き」にはなりません。
また、響板と逆に響かせない板面も重要です。ヴァイオリンの裏板は響かないようにできています。全ての面が響くと制動が利かないようです。制動と自由振動をうまく調節し音を整えて振動させることで豊かな「響き」が得られるのです。
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