ペルチェ冷却について
一般的にペルチェを使った冷却とは、CPUを室温と同等もしくは室温以下に下げる場合に使われると思います。これは”オーバークロックを目的とした”冷却である事は間違い無い事でしょう。しかしそれは、異常な?排熱との戦いでもあります。
何故そのような事がおきるのか、その原因の一つはペルチェとは単に冷却する物では無くて、熱を移動させる為だけの物だということでしょう。電圧を上げれば熱を移動させる量は増えますが、その電圧故にペルチェ自身の発熱も増えていきます。
ここで、技術系OCサイトでは、ペルチェの特性表を基に効率良い冷却方法を紹介していくのですが、僕の場合直ぐにボロが出るので止めます。^_^;
今まで、特にK6-III時代にペルチェを使用していましたが、OC時ペルチェに掛けた電圧は一番安定して冷える最大電圧は10V〜13V位(これは経験上)。一応計算上12Vとして計算、CPUの発熱はK6-IIIE+550@700overで駆動させるとして、ちょっとさば読んで30W〜35Wとして最大吸熱量80Wのペルチェを使うと言う事で計算すると、ペルチェの両面の温度差は約35℃前後という事になります。
僕の良く使う80Wペルチェは12V時に約5〜6Aの電流が流れると言う事ですから計算上72W、遥かにCPUの発熱を上回ります。オマケに冷却媒体(クーラーや水冷ヘッド)とCPUとの接合面が通常より一つ増えるので更に効率は悪くなります。空冷ではアルファの6035型の(ファンとしてはかなりの高性能)ファンでも12Vでは無理が有りました。
バッファ板について
これは、通常の冷却では必要無いと思われます。いまどき?のクーラーはどれもCPUの接合面が肉厚であったり、接合面に銅を使ったりしていて有る程度バッファ効果を考えている物が多い事も有りますし、接合面を1つ増やしてまで効果がある場合は少ないからだと思います。
しかしペルチェ冷却では、必要だと思っています。
K6等の場合、直接冷却面に触れる部分は3センチ角9立方センチ、ペルチェ80Wタイプは4センチ角で16立方センチですので、ペルチェの9/16, 56パーセントしか触れていないことになります。これでは効率良い冷却は無理だと思います。その為バッファと呼ばれる金属を間に挟む事でペルチェ全体にCPUの熱を伝える事が可能になると思います。
又、ペルチェの吸熱面が空気に触れている部分は、すぐ結露してしまうのでこの部分が有っては非常にマズイです。
さてバッファの材質ですが、僕は銅板を4センチ角にカットして使用しています。この場合金属の熱伝導率が素直に効率に反映するようです。厚みに関しては、バッファ自体の熱伝導のロスも考えて、5〜10ミリ程度が一番良い様に思います。(これも経験上)
また、普通のDIYなどで入手する場合、アルミより銅の方が金属の純度として高い・・と聞いた事があります。^^;
注意としましては、この場合CPUとクーラー部分で接合面つまり普通グリスを塗る部分は、CPU>バッファ板>ペルチェ>クーラー(または水冷ヘッド)と3個所になるので、グリスの塗り方、平面性などに特段の注意が必要です。OC実験中に手でクーラーを押しつけるだけでCPU温度が数℃下がった経験が有りました。