クローバー DX戦甲変形合体ザブングル


ストーリー

惑星ゾラと呼ばれる地球。どんな犯罪も三日間逃げ切れば無罪となる『三日限りの掟』によって
世界は弱肉強食の、さながら西部開拓時代のような様相を呈していた。
そんな中、掟を破って三日以上親の仇を追い続けるジロン・アモス。
ジロンは敵討ちの為、運び屋カーゴ一家より最新ウォーカーマシン、ザブングルを奪取。
三日間逃げ切り自分のものとしようとする。

やがてそんなジロンのバイタリティーに触発されていく仲間達。
だがそれは、この世界の支配者『イノセント』の遠大な計画の一つでもあったのだ。

異世界か、別の星かと思われた惑星ゾラが未来の地球であったり(確かに最初から『惑星ゾラと呼ばれる地球』と
ナレーションはあったのだが(笑))、支配者イノセントこそが現代の人類と言う展開も
驚きだった『戦闘メカ・ザブングル』。ウォーカーマシンの描写も肌触り的で
ウォーカーマシンで取っ組み合いをしている最中にコクピットから飛び出して、
その腕を渡って相手のコクピットに殴り込んだり、衝撃でコクピットから落っこちてしまったりと
何ともいい雰囲気な作品でした。後半ちょっとだれますが、今見ても遜色無く面白い作品です。

ザブングルは主役メカなのに二台あって、同時に使われているのも驚きでした。

 

風か嵐か!青い閃光

唯一ブングルスキッパー、ブングルローバーに分離、合体が出来るのがこの
『DX戦甲(マシーン)変形合体ザブングル』。よく「プラモは分離できなかったが本編でも
ほとんど分離合体を行わなかったから気にならない」などと言う文を見かけるのですが
気になるって。最初の数話のブングル・トレーラーの細かな運用描写も良かったし
何しろ毎回OPで合体してるんだから(笑)
お陰でとにかく分離変形するザブングルが欲しかったなあ。

クローバーといえばガンダムDX合体セットを例に挙げる
までもなくかなり玩具的アレンジの強い会社なのですが、意外にもアニメに準じたプロポーションです。
ちなみに私が所有している物は流通がよく分からないリペイント品で
シールがほとんどないので画像は機構の参考程度にお願いします。
箱は日本版のものがあるので外国製のものと2個イチしたカスタムものとか??

 

ザブングルは男の子!

足が開いて隠し武器のミサイルを発射!
なんて機構はもちろん本編にはありません。ここら辺が玩具的アレンジ。

 

ここは地の果て、流されて俺

ザブングルの上半身となるブングル・スキッパーです。
設定上は右の飛行形態が本来のブングル・スキッパーなのですが
実際には滑空能力しかありませんし、本編では自動車形態で使用されることがほとんどでした。
明らかに自動車形態の方がカッコいいし。
飛行形態時はタイヤが内側に折り畳まれていますが、玩具には機構としては存在せず
専用のジョイントパーツを追加して再現します。

 

海を目指して翼を開く

ザブングルの下半身、ブングル・ローバー。こちらも登場は車両形態が
僅かに多かったのですが(実際にはブングル・トレーラーの貨物部と言う扱いが多く
単独で稼動したことがほとんどない)、飛行形態の方がまとまってますね。
書き忘れましたが、スキッパー、ローバー共にキャノピーが開閉します。
開けてみると分かるのですが、スキッパー五人掛けシートですよ。うはあ。

 

もしも、友と呼べるなら

ブングル・スキッパーとブングル・ローバーが合体したトレーラー形態ブングル・トレーラー。
メディアによってはザブングル・カーと書かれていたものもありましたがどちらが正しいのかは
本編中で一度も呼ばれていないので分かりません(笑)
ウォーカーマシン形態を除けばこの形態が一番劇中に多く登場していたかな。
すっきりまとまっていて良い感じです。

 

鋼の機体、野獣を乗せて

それでは玩具でアニメの合体パターンを再現。
まずブングル・スキッパーとブングル・ローバーが合体してこの状態で滑空!
実際は玩具版ではスキッパーの後輪外さないとこの体制には出来ないんですけどね〜
理由は後で書きますが玩具版は本来はこの形にはしないです。

 

飛んでみろ!ブルーダック

……とはザブングルファン泣かせの伊藤明弘氏の後日談マンガ『ブルー・ゲイル』の台詞。

スキッパーの機首のカバーを外し、腕を捻りながら左右に開きます。
何故捻るかと言うと……タイヤの位置参照。このまま開くと腕のタイヤは内側になっちゃうんで。
この機構を利用してスキッパー時の腕と腕を密着させているところなんかはアイディア賞。
続いてローバーの羽をカバーの内側に折り畳みます。

その後上半身がこのままだと前後逆なので回転〜、と言うのがアニメの変形機構なのですが
玩具では残念ながら再現出来ません。まあ演出上のことで
合体機構には何の意味もないんですが。この写真では一旦取り外して前後逆にしてあります。
別にやんなくていいんですが、まあ気分気分。

 

霞んだ地平の向こうが見たくて

胸に折り畳まれていた頭部を引き出します。アンテナが胸と干渉するのですが
軟質素材なのでぐにゃりと曲がって擦り抜けます。この機構怖いなあ。
そのうちアンテナが擦り切れたりしないだろうか。

 

疾風のように、ザブングル!

最後に拳を取り付ければ完成です。

もともとザブングルは玩具先行のデザインで、物語は後で付け加えられたものだとか。
なので主役メカのザブングルとアイアン・ギアーは世界観に今一つそぐわない
デザインだったのですが、それすらネタとして(ジロン以外はザブングルのフォルムを
けなしていたり、アイアン・ギアーの変形も狂言回して気に使われていたり)
作中に取り入れられていたので違和感はありませんでした。
むしろそれ故主役機として際立っていた気がします。業界初の二号メカウォーカーギャリアは
確かにその登場、フォルム共に衝撃的なものでしたが、世界観的には馴染んでしまって
そうした面白みはむしろ減少してしまったのかもしれません。
エルガイムもそうだけど、個人的には一号メカの再評価を望みます。

 

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