バンダイ 機動警察パトレイバー クロスギアイングラム パイソン


ストーリー

1999年、レイバーと呼ばれる産業用ロボットの普及に伴いそのレイバーによる犯罪も多発。
警視庁は特車二課ことパトロールレイバー中隊を設立しレイバー犯罪に対応した。
しかし華々しいその背景とは裏腹に、特車二課の立地は陸の孤島である埋立地、
警視庁内部でも金食い虫として疎まれ、
さらに隊員達も一癖ある問題児ばかりであった。

ロボットを現代とほぼ変わらない風景に溶け込ませた設定が独特だった
機動警察パトレイバー。
マルチメディア展開で、最近でも劇場映画第三弾が公開されたり
プラモデルの新作やレイバー・イン・アクションが発売されたりと
結構現役だったります。

ここで紹介するのは89年〜90年にかけて放送された
TV版に合わせて発売された玩具の一つ『クロスギア』シリーズ。
マンガとOVAしかなかった頃に
「TVになったら玩具も発売されるのかな」なんて話してたのが
現実になってうはあと思った記憶があります。

 

君にいかれてメタメタ メチャメカ狂い

でもこの時期のバンダイの玩具って正直作りが甘かったり
安っぽかったりするんですよね。
なんかコスト減らしを試行錯誤しているようなそんな空気が
買い手の方にも伝わってくるようなものが多かった気がします。

パトレイバー玩具もそんな時代のまっ只中に発売され
正直出来がいい方ではありません。
このクロスギア以外にも『DXパトレイバー』なる大型アイテムが発売されて
いたのですが、そちらはモールドの眠さに加えてライト&サウンドギミックのみの
今一つなプレイバリュー、ろくに動かない関節&ろくに再現されない各機構と
大味な商品で、クロスギアシリーズの方がまだDXと言ったシロモノでした。

クロスギアもモールドは甘いものの内部フレームにはダイキャストを使用したり
装甲が着脱出来たりと、当時のパトレイバー玩具の中では
一番ましな部類のアイテムです。

イングラムとパイソン(TVの第一小隊専用機)の二種類が発売。

 

コンディション・グリーン

98式AVイングラム。何か写真は良く撮れてしまってますが
実際には足の開きがイマイチ、と言うか足首が可動せず素立ちになってしまう上に
股関節が妙に広くてなんと言うか『四角い』印象になります。
元デザインはカッコイイと思うんですけどね。

 

止まれっ。止まらないと撃つぞっ!

イングラムの数少ないギミック、リボルバーカノンの収納は一応再現。
ただ本当なら足の中にあるはずの銃が
開く装甲の方に取りつけられてしまっているのは残念な点。
まあこれは、フレームがパイソンと共通と言う
クロスギアのコンセプトのせいでもあるのでしょうけど。

TVでは右手が伸縮して銃を取るのですが
これもパイソンとの共通フレームのせいかオミット。
数少ないイングラムのギミックなだけに残念。
この機構は何故かDXパトレイバーでも再現されていません。

 

あたしのアルフォンスにキズが〜っ!

電磁警棒も設定通り左腕盾の裏に収納可能。
でも盾を取り外さないと抜くことが出来ません(^^;

あと、関節カバーが全部プラパーツの為、関節は申し訳程度しか動きません。
ヒジ関節は上の写真で精一杯。
足はまあ動くのですが、先にも述べたように足首に左右のスイングがなく
さらに股関節の保持が弱いので素立ち以外ではろくに安定しません。
ちょっととほほ。

 

俺に銃を撃たせろ!

装甲着脱ギミックを使い、パーツ交換で二号機(太田機)にする事も可能。
こういう配慮は嬉しいですね。
太田機と言えばライアットガン(でも初使用は野明)と言うことでこちらもきちんと付属。
しかし手の形状の為持ち方が今一つな上
なんだか小さいのが残念です。

 

夢を捨てないで 目を逸らさないで

第一小隊のレイバー、MPL975パイソン。
もともとの形状がクロスギアのフレームに近かった為か
こちらの方が良く出来て見えます。
ついでに定価は500円も安かったり。

武装は機動隊風味の盾と銃。
フェイスガードはもちろん可動で格闘時状態が再現出来ます。

 

約束の土地へ どうぞ導いて

クロスギア最大の特徴はこの装甲着脱ギミック。
装甲を外すと内部構造が…と言うのは変形合体のないロボット玩具に
良く使われる手ですが、この風潮はなんとかならないものですかね〜
デュアルモデルダグラムのようなこだわりがなければ
邪魔なだけだと思うのですが。と言うのも…

 

今貴方の信じる全てが 突然消えてしまったなら

イングラム、パイソン共にフレームが共通。
ってマナベ重工製と篠原重工製のレイバーの内部構造が
一緒ってどういうことでスか。
もちろん玩具だからって事なんだろうけど
プロポーションの違う機体を同一フレームを作る為に
イングラムの体型に不都合が生まれたりと
なんつうかコンセプトと設定と求められるものの全てがちぐはぐになってる気がします。

 

愛を眠らせないで

さらに、装甲をこうして組み上げていくのですが
ポリキャップが非常に緩いのです。
パイソンは装甲点数が少なく、また固定方法が上手いので大丈夫なのですが
イングラムの装甲は非常に外れ易い上にバーツ点数が多いので
だんだん腹が立ってきます。
ついでにポリキャップの材質が硬いので、ポリキャップそのものが割れる事もしばしばです。
色んな面で取り扱いには要注意かと。

装甲パーツの形状も一見してどこのパーツでどういう方向で取り付けるのか
分からないものも多いので、頻繁に装甲着脱はしない方が
面倒がなくていいような…ってなんの為のギミックだか。

 

みんなで幸せになろうよ

ちょっと動かすとすぐ装甲が外れるんで
遊び派&ポーズ派の人には向かないかも。
それじゃどんな人に向いてるのかと言えば…コレクター?

なんて結構酷い事を書き続けてきたけれど
まあほとんどギミックのないパトレイバーを玩具化するって事で
色々考えたんだろうなあと言うのは分かる気がします。
リアルロボットが減少傾向にあった当時、久々に出た
リアルロボットトイと言う事で苦戦もあったでしょうし。
パトレイバーの玩具がおもちゃ屋に並ぶって事そのものが
存在意義だった、なんて気もします(^^;

ドラグナーやレイズナーは完成品トイありませんものね。
どんな出来でもこいつらの玩具欲しい〜なんて思ってる自分を見るにつけ
あながち間違いではなさそうな。

プロポーションやギミックに不満があれば
今ならレイバー・イン・アクションもHGプラモデルもある訳だし。

 

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