バンダイ スーパーハイコンプリートモデル・エルガイムmk−1


ストーリー

A級ヘビーメタル・エルガイムを持って、立身出世を夢見て旅立った青年ダバとキャオ。
ひょんな事から大商人アマンダラ・カマンダラのカードを
手に入れた二人は、それを返却すべくアマンダラを追う。
しかし、そんな冒険はやがてもと王族であったダバを旗印とした反乱劇の
プロローグに過ぎなかったのだ。

ストーリーラインは他の富野ラインよりソフトに見えるエルガイムですが
メカにキャラにと活躍した永野護の力か、設定面が際立っていた感があります。
特にヘビーメタル(ロボット)のデザインは永野ラインとも言える
他に類を見ない不思議な魅力のあるフォルムで
「装甲の下にフレームが覗き見ることが出来るメカ」と言うコンセプトも相俟って
作品の原動力となりました。
今では同氏の『ファイブスター物語』がこのエルガイムのリメイク的な存在として
マンガ連載されており、フィギュア、ガレージキットなども発売されておりますが
こうして玩具としてそんな永野メカが楽しめた時代があったのです。

ああ、あの時代世再び……

 

今、今、駆け抜けろ

ハイコンの中でも唯一のスーパーハイコンプリートモデル名義で発売されたエルガイム。
エルガイム自体は無印のハイコンでも発売されておりますが、そこはスーパー。サイズこそ同じものの
ギミックが大きく異なっています。私の所有している物は
左足脛の内側が日に焼けちゃってるのが残念。ハイコンの材質って焼けやすくないですか?

 

誰か、背中抱いててくれ……

スーパーハイコン最大の特色の一つは、1/144スケールでありながら
スパイラルフロー収納ギミックが再現されていることでしょう。
収納スペースががエレベーター式に持ち上がり、首が斜め後方へと移動します。
そこでスパイラルフローを入れるのですが、このスパフロが小さいのなんのって。
小指の先程しかありません。コクピットスペースもそれに合わせて小さいですから
不器用かつ指が太い私など、四苦八苦しながら取り付けてます。
スパフロ下部の突起をスリットに挿し入れることで固定できるのは嬉しい設定。

 

人が見てる夢のようさ

スーパーハイコン第二の特色であるランダムスレート(脚部カバー)開閉ギミック。
スパイラルフロー収納ギミックともども、当時1/144のキット、ハイコンとも
再現されたものはありませんでした。ランダムスレートは最近HGで再現されてしまいましたが
スパフロ収納はまだこのサイズではスーパーハイコンが唯一ですね。

ただ、スーパーハイコンのランダムスレートは、シリンダーギミックは再現されておりません。
なら写真に映っているのは何かと言いますと、別パーツなのですね。
解放状態で固定するつっかえ棒にするような形で、シリンダーパーツのみが
4本付属しています。中古などでは欠品に注意が必要。
ただこのパーツ、4本全部挿し込むのは至難の技。この写真もアングルでごまかしてますが
実は左右各一本しか使っておりません。パーツそのものは所有しているものの
途中で挫折したのですよ……外れ易くて。

 

確かなものが、なんにもないね

第三の特色、正座も出来る二重関節。これぞエルガイム、なフレームギミックです。
膝の二重関節に加え、膝アーマーが上下にスライド。ポーズに干渉しないように
位置を移動させることが出来ます。現代のMGなどのプラモデルに
受け継がれていくギミックですね。

 

セイバー・アクション

これも当時ではこのサイズ初。セイバーの収納ギミックが可動して、
セイバーの柄を取り出すことが出来ます。また逆に腕を内側に
折り込むとパンチ時のクローギミックとなります。

 

どうして僕はここに……TELL ME WHY?

ライトブースターにもギミックが仕込まれております。
ウイングを設定位置まで広げると、ラック(機首部分)がスプリングで
解放状態に飛び出してくるのです。
ちなみにライトブースターのジョイントはハイコン版と共用で
無印ハイコンエルガイムにも取り付けることが出来ます。

 

ハイコンmkUと共に

定番と言う事でハイコンのエルガイムmkUとのツーショット。
当時はこれまでにないmkUの無骨さと異形の格好良さにノックアウトされて
しまいましたが、今見るとエルガイムの方が好みかなと思ったりして。
それは多分最近はmkU的シルエットなロボットが多く食傷気味なのに対して
エルガイムのデザインライン的なものはいまだかつて現れていないからという
気がします(ファイブスター…はデザイナー本人だし)。

ちなみにこのスーパーハイコンなのですが、ランダムスレートやスパイラルフロー以外にも
1cmに足りるか足りないかの小さな部品が目白押しです。
極め付けは同スケールのダバとアムのフィギュア。
同スケール? そう同スケールなのです。と言うことは……分かりますね。
説明書には塗装された写真などもあるのですが、こりゃ米粒に絵を描く職人並だよ。
あと小さい突起が多いので、折らないように注意です。
このスーパーハイコン版は恐らくはエルガイムアイテムでも最高峰の完成度だとは思うのですが
それ故に構造上脆いところも多いようです。
この撮影中も折らないか、パーツ無くさないかとヒヤヒヤでした(笑)

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