中 級 編
19 テーマの系統で追いかける

 興味のあるテーマを中心に、関連する書籍を次々と読み進み、自分の考え方をまとめていく方法もあります。学術研究などは、プロセスで資料やデータを集め、結論を求めるためにアプローチします。客観的な認識が身に付くノウハウです。
 あまり多くのテーマを追うと、自分が引き裂かれるようで、負担が大きくなるだけでしょう。強く心を動かすものに、絞り込んだほうが賢明です。自分の仕事に関わるテーマを追いかけるのが、一般的でもあり、最も効果的な選択と考えられます。
 たとえば、営業マンならば、営業に関わる本から読み始めることです。営業のハウツウ書だけでなく、他業界の営業マンの奮戦記や、営業理論を研究した論文など、硬軟とり混ぜて営業というテーマを追いかけるのです。
 マーケティングやプレゼンテーションに、関心を抱くまで時間は要しないでしょう。企画や経営の問題についても、他人事と考えなくなります。営業というテーマを真剣に追い続ければ、仕事の全体像が把握できるようになるのです。最も効率的なルートです。
 テーマで追いかけながら本を読んでいくと、歳月を重ねるに連れて、無理なくジャンルが広がってきます。それぞれのテーマを深く掘り下げるほど、他のテーマと結びついていくからです。長期的な視野に立てば、かなり幅広い知識を身に付けられます。
 上司や先輩からアドバイスを受けたり、研修セミナーに参加するときも、テーマが決まっていれば、一つひとつの意見が実になります。同じ傾向のものばかり選ばず、さまざまな角度からアプローチして、テーマ全体を極めることが肝心です。

・ 身近なテーマを掘り下げよう
 仕事に限らず、家族や地域社会の問題など、日頃から気になっているテーマを絞り込み、関連書籍を読み進めると長続きします。大上段に構えて、国際政治や日本経済を追いかけても、親近感が湧かなければ途中で挫折するでしょう。背伸びしないことが大切です。

・ 好きなテーマを掘り下げよう
 読みたい本を読んでいると、時間はすぐに経つものですが、読まなければならない本は、なかなかページが進みません。自分自身がおもしろいと思わなければ、本を読むという作業は面倒に感じられます。好きな本の周辺をから、読み進めるのが一番です。

・ 役立つテーマを掘り下げよう
 本は読み終えることが目的ではなく、読んで得た知識や発想を、仕事や人生に活かすことです。読書の結果で自己実現が進めば、読書に対する意欲も旺盛になります。できることなら、日々の生活に影響を及ぼすテーマを探しましょう。

・ 明日のテーマを掘り下げよう
 本を読もうとする気持ちには、少しでも成長したい願いがあります。5年後、10年後のビジョンを明確に描いて、目標を意識したテーマを設定しましょう。難しい本でも、時間をかけて読み込めば、大まかに理解できるでしょう。何度も読み返すことです。

 たくさんの本の中からテーマを決めるには、自分自身を中心に据えるしかありません。周囲の評価に惑わされず、自分に正直になることです。

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