初 級 編
6 ポストイットを活用しよう

 本を読むことに慣れてきたら、ポストイットを持ち歩き、気になったところをチェックしましょう。とくに通勤電車や外出先では、リファレンスを調べることもできません。言葉の意味がわからないまま読み進めば、思わぬ誤読をしてしまうかも知れません。
 少し大きめのポストイットなら、そのとき感じた印象や疑問点を、メモのように書き記すこともできます。読み終わった後、そのまま読書カードに貼り付ければ、データベースとして活かせます。そのときは、散逸しないようにペーストを使いましょう。
 マーカーと組み合わせて、重要ポイントを絞り込んでおけば、再読したときに問題点が鮮明になり、テーマを深く掘り下げられます。論文やレポートを提出するなど、読む目的がハッキリしているときは、効率的な方法と覚えておきましょう。
 文章の構成にしたがって、ポストイットを並べ替えるだけで、基本的なシナリオを描けます。自分の意見を肉付けして、筋が通るように繋げれば、レポートが完成します。巻末に参考文献を明記しておけば、読む人の理解も促せて安心です。
 読書会などフォーラムに参加する前にも、ポストイットの付された箇所を読み直し、自分の意見や感想を再度確かめましょう。1冊マルゴト読み通すには、時間が足らないのです。おぼろ気な記憶に頼っていたら、他の人の発言がわからなくなります。
 ポストイットによるマーキングは、思考回路をバイパスで繋ぎ、読書時間を増やしてくれます。文章を書くプロセスも、省力化してくれるツールです。小さな紙片と軽く扱わないで、徹底的に活用しましょう。ポストイットの利点は、次のようなものです。

・ 裏写りしない
 マーカーやペンで傍線を引くと、ページの裏に滲んだり、文字が読めなくなります。ポストイットなら、本に直接書き込みませんから、再読するときに心配ありません。きれいな状態のままで、必要な部分をチェックして、本を保存できる方法です。

・ すぐ剥がせる
 ポストイットの粘着力は、それほど強くありませんから、本を汚さずに剥がせます。指の腹で押しつければ貼り付き、指でつまんで引けば、紙からきれいに離れます。ファイルに整理するときも、作業がはかどりイライラしません。

・ 破損させない
 同じ本を2冊買ってきて、1冊をバラバラに分解し、糊とハサミを使い資料をつくる人もいます。そこまで時間とコストをかけなくても、ポストイットで思考は充分に整理できます。本を傷つけることなく、新しいデータベースを築けます。

・ 整理しやすい
 ポストイットの大きさは、小指と同じくらいです。書き込めるサイズでも、小指3本ほどです。読書カードに書き込んだり、ファイルに移すときでも、スペースを取りません。複雑に入り組んだテーマになるほど、ホストイットの効力を発揮します。

 本をていねいに扱いたいなら、ポストイットを上手に使って、自分の考え方をまとめましょう。高価なものではありませんから、気軽にペタペタ貼り付けましょう。

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