剱岳(2999m)

平成17年9月23〜24日

9月23日(金)曇り 登り (休憩含む) 馬場島(8:35)〜1800m(12:00〜12:20)〜早月小屋(14:15)小屋泊

 上越インター6時待ち合わせ、北陸自動車道で滑川インターまで。そこから先はカーナビがしっかり馬場島山荘まで導いてくれた。途中で中部山岳国立公園『劒岳』の石碑に目を奪われ記念撮影。逸る心と少し不安な気持で『試練と憧れ』の馬場島登山口へ。軟弱登山者が剱岳に登る事が出来るのだろうか・・・。


 8:35〜馬場島登山口
  
 剱岳は憧れの山で決して登る事の出来ない山と思っていた。それが早月尾根から剱岳を目指すことになった!富山県上市町の馬場島から劒岳に一気に突き上げている早月尾根。標高差は2300m途中の早月小屋に一泊し劒岳を目指す。しかしこのルート地元登山者を始め約七割が日帰り登山だと聞く。
 このルートに水場はなく早月小屋も天水利用の小屋。そんなことでザックは小屋泊(食事付き)なのにかなり重くなってしまた。アルプス三大急登の早月尾根を重いザックを担ぎ登れるのだろうか。心配しながら亀さんのようにゆっくりゆっくり登り始める・・・。
 登り始めが少し急だが、平らな登山道もあり1000mの標識がある松尾平までは登り易かった。幾つもの杉の巨木に出会いながらの登りはウオーミングアップに丁度良かった。ここから先200mごとに標識が設置されている。

杉の巨木
 1200m付近からは三大急登らしい登りとなるが、飯豊や朝日に比べればそう急登とも思えない。展望のない尾根歩き夏場はさぞ蒸し暑いことだろう。この辺りから神奈川から来た単独の好青年と前後しながら登る。ザックが大きいからテント泊だろう。
 紅葉もまだ花もあまりない登山道歩き、わずかな花を見つけ写真に撮る。つらい登りを覚悟してきたが200m毎の標識のおかげか順調に良いペースで歩ける。
 
ノリウツギ?                   ダイモンジソウ 
 
 登山者二人が休憩。男性は長靴を履いている。ここが昔の1800mで今の1800mはこの上だと教えてくれる。早月尾根を十分に知り尽くした地元登山者のようだ。早月小屋でテント泊すると言う。
 1920mのピークを過ぎると非難小屋跡にでる。ここから一時間ほどで早月小屋に着くはず!先ほどの地元登山者が教えてくれたひょうたん池と呼ばれている池を通る。木々も少し色づき始めている。この先どんな景色が待っているのだろうか。前方から早くも下山の登山者が来た。やはり地元の男性で今朝は4時過ぎから登ったと言う。疲労感なく元気な足取りで、素敵な笑顔を残して下って行った。凄いなぁ〜と感心しながらダケカンバやナナカマドの登山道を登る。
 
 またまた下山者の熊鈴の音色が聞えてくる。今度は親子連れだ。母親と思われる人は60歳代だろう。思わず声を掛けた『日帰りですか?』と『そうです。今朝は4時半から登りました。でも、これからもっと凄い人が下ってきますよ!埼玉から夜行で来て馬場島を7時に出発して剱岳山頂に11時に着いた。4時間で登った女性です。そしてまた夜行で帰るそうです』と息子と思われる男性が言った。『エッ!4時間で馬場島から劒岳ですか!』と。思わず身体が大きくのけぞってしまった!『どんな女性ですか?』とまたまた聞いてしまった。『ブルーのナイキの帽子を被った。モデルのような、すらっとした綺麗な人ですよ。』今度は母親と思われる人が答えた。 またまたのけぞってしまった(笑) いやぁ〜早く会いたいなぁ〜モデルのような人に!
 早月小屋手前の急な登りにはロープが付いていた。登り始めると上からブルーのナイキの帽子を被った女性が現れた!もちろん声を掛けた。『聞きましたよ!剱岳を4時間で登った方ですね!』と。聞きしに勝る綺麗な女性。長身で肢体はしなやかでまさにモデル!彼女はさらりと答えた。『今日は、たまたま調子が良かっただけです。』 なんて爽やかなんでしょう!彼女は登山道を飛び跳ねるように下っていった。 
 急な登りが終わるとガスの中に早月小屋が見えた。ナナカマドの葉が色づいていた。天気予報は外れ雨は終始落ちなかった。 
  
 14:15 早月小屋着!

小屋前より小窓尾根

 宿泊の手続きを済ませ外に出る。眺めは小窓尾根がはっきり見える。南側の大日岳方面はガスが覆ってる。剱岳はガスに隠れている。時たま姿を覗かせるが直ぐにガスが覆う。明日に期待しよう!
 小屋前のテーブルで景色と枝豆を肴に担ぎ上げたビールとワインを飲む。話題は枝豆の種類について。今年我が家で一番美味しかった枝豆の名は『ゆあがり娘』 今日の枝豆は『秘伝豆』 どうやら『ゆあがり娘』が良かったらしい・・・。でもそれは夏に採れるのね(笑) 
 馬鹿な話をしていると、道中前後して登って来た好青年がテントを張り終えテーブルにやって来た。登山を始めて三年だという。山談義に花が咲き最後は山スキーの話で勝てに盛り上がってしまった(笑) たぶん彼も山スキーを始めるだろう!

 山の天気は変わりやすい。先ほどまで青空が広がっていたのにガスで真っ白になる。肌寒くなり部屋に戻る。夕食は5時からで部屋別に順次食事をする。メニューはハンバーグカレーと南瓜の煮つけとオクラのおひたし。子供が一人暮らしを始めて我が家の食卓からカレーはなくなった。久しぶりのカレーが嬉しい。

 山小屋の夜は早い。今夜は一人一枚の布団でOK。山小屋では贅沢なことだ。まして三連休の初日なのに。布団が決まり暫くはここでも山の話。大阪から来た単独女性は今回で三回目の宿泊。でも剱岳には登った事がないと言う。雨が降ったり雪になったりで駄目だったらしい。
 小屋の奥さんが『冬仕度で登ってきてください』と電話で話されたが今夜は暑いくらいだ。さて、明日のお天気はどうなんだろう。剱岳はどうだろうか・・・。静かな山小屋の夜は8時前に電気が消えた。

剱岳へ