7月2日(2003年)にSCHOOL-IPのスコアが返却されました。TOEIC受験は1981年1月17日東京家政大学で受験して以来,実に22年ぶり。当時のスコアを後生大事に保管していますが,第7回テストの総合結果とOFFICIAL
SCORE CERTIFICATEがあります。
成績はLISTENING SECTION 455, READING SECTION 440, TOTAL 895
PERCENTILE RANK 98.8%。総受験者数2801名,895以上が35名。最高点はREADINGが460でTOTAL
955でした。
私はこのスコアは結構いいスコアだと思い,年度末の授業では,現在の私の英語力といった文脈で,黒板にわざわざTOEFLとTOEICのスコアを書いて,「とりあえずこのスコアをめざして,このスコアに達したら,高校の先生レベルになったんだなぁ,と思いなさい」などと話しておりました。
ところが,ある年,同じような話をしたところ,授業が終わると一人の生徒が私のところに来て,「先生,僕のお父さんは920だったんだって」と言われました。これには多少ショックを受けましたが,TOEICのスコアの状況がどうなっているのか知らなかったので,次の時からは,そのエピソードを紹介しながら,「私のスコアは20年も前のものである。それ以来,私は英語の修行を積んでいるので,当時よりはるかにいいスコアのはずである」などと,冗談ともつかない言い訳をしておりました。(後日談ですが,このお父さんは高校卒業後すぐに留学,工学系だったようですが,大学院までアメリカの大学を卒業された方でした)(^_^;;)
さて,長野県の中・高の英語教員にTOEICの受験が義務付けられ,受験することになりました。INTERNETのおかげでTOEICの情報を集め始めると世の中には900点台がゴロゴロいることがわかりました。990というFULL SCOREの人も結構いるようで,なんか,TOEICではFULL SCOREをとらないとダメなような感じ。こんなプレッシャーの中での受験となりました。同僚もみんな受験する,というのも嫌なもんです。そこで,結果は期待と不安で一杯。今か今かとその日を待っていました。
届いたスコアは私のイメージしていた公式スコアと違い,短冊でミシンめの余分な紙を切り落としてない状態。ちょっと,「ふざけるな!」という感じでした。
そこには受験番号,氏名,スコア,受験日が打ち出さされたそっけないもの,公式のスコアと比べるとかなりなさけない「紙切れ」でした。スコアを受け取る前の不安は,「もし,900切っていたらどうしよう。マークを読んでくれなかったり,解答番号がずれていたりして,全くへんなスコアだったらどうしよう。22年の英語の修行が全く無になる。」というものでした。私の自己評価では,地獄は900以下,天国は990,そして950前後であれば,そこそこ,ということでした。
届いたスコアは
LISTENING 495, READING 480, TOTAL 975
でした。
私の一番の反応は「満点ではなかったか」というもの。実はひそかに満点を狙っていたし,満点だという人が何人もいる現在,私も満点のスコアが欲しいと思っていました。結局,文法問題でのボンミスがいくつもあったのでしょう。それはもうIQの問題,脳の精度の問題で,英語力とは関係のない世界のような感じがします。
さて,TOEICでは自分の解答と正解,不正解がわかりません。マークミスもわかりません。問題の解説もありません。それなのに6000円も取ります。冷静に考えるとこれは詐欺に近い。ただ,わけのわからないスコアをもらうために6000円も払っているのです。大学入試用の模試であれば,2000円ほどで,8科目も受験し,それぞれに詳細な解説がつき,スコアもきめ細かく出てきます。マークミスについても確認できます。どこが全体の平均点より低いとか高いとか。学習の指針だってついています。なのに,TOEICは変換されたスコアだけ。大変ばかげています。そして860以上のAレベルと判定されれば,あとはみんな一緒,ということでしょうか。自分の持つスコアの意味もわからなければ,どういう経緯でREADINGのSCOREが480と判定されたのかもわからない。これでは今後の学習の指針なんて得ようがありません。よく世の中にはこんな不親切な結果をもらうためにあきもせず何回もTOEICを受験しているものです。これならば,英検のほうがはるかに親切。ガイド試験も問題が公表されているので,自己採点ができます。最近では合格最低点もある程度わかっているよう。TOEICの不親切さは他を圧倒している感じです。
さて,様々なTOEICの問題集をこなすだけ,こなしたので,大体のCONVERSION TABLEの感じがわかりました。まず,私の素点ですが,これまでの問題集の感触からすると,勝手にLISTENING 94, READING 97ぐらいだと考えております。LISTENINGは完全に聞き漏らした問題が2題,その他に通例4,5題は間違えるという危うい根拠。READINGは練習のときより慎重に問題に取り組み,PART V, VIは見直しもし,思い違いのマークミスも見つけ,英文も比較的慎重に読んだので,これまでの経緯から,ボンミス3題と判断しています。(ちなみに紙のTOEFLではREADINGは満点だった,という過去の実績も加味しています)このスコアを手元のCONVERSION TABLEで変換すると。
書名 | LISTENING | READING | TOTAL |
Kaplan's | 495 | 490 | 985 |
Barron's | 495 | 495 | 990 |
旺文社1 | 475 | 455 | 930 |
旺文社2 | 475 | 470 | 945 |
公式 | 470-495 | 420-495 | 890-990 |
Cracking TOEIC | 460-495 | 440-495 | 900-990 |
私の予想通りの素点(これが極めて怪しい!!)だという大前提で考えると,READING SECTIONで480とるためには公式では97題以上,CRACKING TOEICでは,96題以上の正解が必要です。旺文社なんと1問間違えると485で,2問では470となり,480になるには98.5の正解数が必要です。Barron'sでは94,Kaplan'sでは95題の正解数で480となります。旺文社の厳しさは論外ですが,Barron's,Kaplan'sともに少し甘めのようです。結局,私の正解数が97だとすれば,1問5点で,単純に15減らして,full scoreになるには全問正解しかなかったのか知れません。reading sectionの判定は事前の予想通りかなり厳しいものであったがことが予想されます。そして,Listeningは逆に94,5点でもfull scoreをもらえることがはっきりしました。ビジネス英語のどこぞやの宣伝で,Listening満点の意味が正解率90数%ということがわかりました。(でなければ,あんなに満点は出ませんよね(^_^;;))
かくしてTOEIC IPの受験はおわりましたが,この貧弱なスコアシートが気に入らないので,もう一度公開TOEICを受験し,さらに面接を受ける予定。教師のSPEAKING 力判定には面接が不可欠である。ついては,強制的にTOEICのペーパー試験を受験させた以上,面接の受験料も研修費として県が負担すべきである,と主張する予定です。
最後に私のこなした全セットの平均スコアを各CONVERSION TABLEに変換した総平均点を公開しておきます。
Kaplan's | 960 |
Barron's | 960 |
公式 | 940 |
旺文社 | 900 |
Cracking | 900 |
平均 | 930 |