お気楽、お四国巡り 遍路の一般常識

回向文。漢字の棒読みと日本語読み、どっちが心地いい?。

がんにしくどく
ふぎゅうおいっさい
がとうよしゅじょう
かいぐじょうぶつどう

「ふー、きまりましたね、はは。」
「・・・・・・、なに自己陶酔してんだよ、さっさと次へ行くよ。」
「その前に、お土産でしょ。」
「・・・・、なんでわかるの、ふふ。」
「それはそうと、最後の締めが違うよね。
西国、カッコイイよね。」
「はー、なんのこと?。」
「四国八十八ヶ所と西国三十三所の最後の決まり文句が違いますよ。」
「はー、そりゃ、西国が漢字の棒読みで、四国は日本語読みだからでしょ。」
「・・・・・・。」
「聞き慣れない発音だから、すごいと感じるんだよ。」
「・・・・・。」
「この回向文。
法華経に原文があるの知ってた?。」
「えっ、観音経が載っている、法華経?、へー、知りませんでした。」
「この原文の主人公が、伊予の55番南光坊のご本尊、大通智勝如来って知ってた?。」
「うっ、し、知りません。」
「修行が足らないから、今日のまんじゅうは、没収だな。」
「そ、そんなー。」

おつとめの、最後の締めにあたる。
回向文。
四国八十八ヶ所は、日本語読みの
「願わくは この功徳をもって 普く一切に及ぼし
我らと衆生と 皆ともに仏道を成ぜん」
西国三十三所は、漢字の棒読み(呉音)
「願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道」
になっています。
かっこよさからしたら、西国でしょうか?。
だけど、四国は日本語読みで、やさしく、ここちよい響きです。

○出典(原典)

法華経
第七 化城喩品(けじょうゆほん)

この経典に「大通智勝如来」が登場します。
如来が悟りを開かれ、天上の梵天たちが、
「その教えをわれわれに説いてください」と如来に乞うたときの言葉だそうです。

・三業供養

時諸梵天王。頭面礼仏。繞百千。即以天華。而散仏上。所散之華。如須弥山。
竝以供養。仏菩提樹。華供養已。各以宮殿。奉上彼仏。而作是言。唯見哀愍。
饒益我等。所献宮殿。願垂納処。時諸梵天王。即於仏前。一心同声。

以偈頌曰

 善哉見諸仏 救世之聖尊 能於三界獄 勉出諸衆生
 普智天人尊 愍哀群萌類 能開甘露門 広度於一切
 於昔無量劫 空過無有仏 世尊未出時 十方常闇瞑
 三悪道増長 阿修羅亦盛 諸天衆転減 死多堕悪道
 不従仏聞法 常行不善事 色力及智慧 斯等皆減少
 罪業因縁故 失楽及楽想 住於邪見法 不識善儀則
 不蒙仏所化 常堕於悪道 仏為世間眼 久遠時乃出
 哀愍諸衆生 故現於世間 超出成正覚 我等甚欣慶
 及余一切衆 喜歎未曾有 我等諸宮殿 蒙光故厳飾
 今以奉世尊 唯垂哀納受 願以此功徳 普及於一切
 我等与衆生 皆共成仏道

○読み

「願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道」

・棒読み

がんにしくどく ふぎゅうおいっさい がとうよしゅじょう かいぐじょうぶつどう

・日本語読み

願わくは この功徳をもって 普く一切に及ぼし
我らと衆生と 皆ともに仏道を成ぜん

ねがわくは このくどくをもって あまねくいっさいにおよぼし
われらとしゅじょうと みなとともにぶつどうをじょうぜん

○妙法蓮華経 二十八品

迹門(しゃくもん)

第   一  序品(じょほん)
第   二  方便品(ほうべんぼん)
第   三  譬喩品(ひゆほん)
第   四  信解品(しんげほん)
第   五  薬草喩品(やくそうゆほん)
第   六  授記品(じゅきほん)
第   七  化城喩品(けじょうゆほん)
第   八  五百弟子受記品(ごひゃくでしじゅきほん)
第   九  授学無学人記品(じゅがくむがくにんきほん)
第   十  法師品(ほっしほん)
第十一  見宝塔品(けんほうとうほん)
第十二  提婆達多品(だいばだったほん)
第十三  勧持品(かんじほん)
第十四  安楽行品(あんらくぎょうほん)

本門(ほんもん)

第   十五  従地湧出品(じゅうじゆじゅつほん)
第   十六  如来寿量品(にょらいじゅうりょうほん)
第   十七  分別功徳品(ふんべつくどくほん)
第   十八  随喜功徳品(ずいきくどくほん)
第   十九  法師功徳品(ほっしくどくほん)
第   二十  常不軽菩薩品(じょうふきょうぼさつほん)
第二十一  如来神力品(にょらいじんりきほん)
第二十二  嘱累品(ぞくるいほん)
第二十三  薬王菩薩本事品(やくおうぼさつほんじほん)
第二十四  妙音菩薩品(みょうおんぼさつほん)
第二十五  観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんほん)
第二十六  陀羅尼品(だらにほん)
第二十七  妙荘厳王本事品(みょうしょうごんのうほんじほん)
第二十八  普賢菩薩勧発品(ふげんぼさつかんぼつほん)