最終回 「 いただきま〜す」
2005年12月25日
8月中旬からおよそ3ケ月かけて皆で頑張ってきた「そば 作り」もいよいよ最後の段階を迎えました。
今年最後の日曜日25日は、穏やかに晴れ渡りそば 打ちと試食会には持って来いの日になりました。
育成会からの呼びかけに応え大勢の親子が集まって初体験のそば 打ちへの挑戦が始まります。
公民館にシートを敷き詰め6班に分かれての作業になりました。こだわり派の先輩たちは製粉所で挽いたそば 粉との違いを教えようと特別に粉挽き機を使ってみせてくれました。
左の写真にある様に真っ白な製粉所の粉に比べてそば 殻が極微量混ざった薄いベージュ色がわかるでしょうか?
これで作ったそば は一層香りの豊かなものになるそうで、理想的なのは昔からの石臼挽きだそうです。
さて、いよいよそば打ち開始です。そば粉4合に対してつなぎ粉1合の割合で、加える水の量は200cc〜250ccです。
子どもたちと一緒によく混ぜながらだんだん丸くかためていきます。ここで水が少ないとなかなか割れ目が消えません。手のひらに水をつけながら様子を見つつ続けます。
かたまりができたらそれをのし棒で徐々に薄く延していきます。急いで作業するとひび割れができてしまったり形が整わなくなるので、慎重にかつ力をこめて作業しました。ある程度薄くなったら今度はのし棒に生地を巻き付けながら更に延します。ここでのポイントは適度にうち粉をする事です。
充分に薄くなったら次に生地を折り畳みます。この時、せっかくの生地が破れたりしない様に慎重に作業しました。
今度はまな板に移したその生地を包丁で切る作業です。子どもたちにも出来るように「こま板」という言わば定規を使って切っていきます。が、子どもによってはそれぞれ太くなったり細すぎたりとなかなか難しい様子でした。父兄の中に早くて実に正確というベテランがいたのには驚かされました。
10時から始めた作業も1時間半ほどで完了。そして待ちに待った試食です。
子どもたちは自分の切ったそば を最初に食べました。今回はみんなが腹一杯になる程は作らなかったので公平に分けながら食べました。
すべて手作りで打ってすぐという条件もあっての事でしょうが、そのそば の歯ごたえと香りには正直感激させられました。確かにベテランの作ったものはすごく美味いけど、不揃いで太い子どもたちの作ったそば も味はまったく同じです。多分そば は食感が重要なのでは、と感じました。
旨いそば なんて専門のお店でいつでも食べられるけれど、暑い夏から寒い冬まで何度も何度も苦労して育てた「自分達だけの「そば 」という思い入れがもたらしてくれた何とも素晴らしい味でした。驚きはまだ続きます。そば を茹でた後には濃厚なそば 湯がたくさん残っており、それをつゆに混ぜていただいた蕎麦湯の旨いの旨くないのって! そば の旨味成分が溶け込んだ蕎麦湯ってこんなにも美味しいものだったのかと二度目の「眼から鱗」状態。
今回の体験はみんなに蕎麦 を見る眼を変えさせてくれた様です。「収穫」とは単にその物だけではなく人間にとっても大きな意味を与えてくれるものなんだと納得しました。篠田さん、岩沼さん、米山さん、千木良さん、先輩方に感謝・感謝の体験でした。それから関係者のみんな、ご苦労様でした!
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