イギリスでは当時パーキング・メーターの導入が始まっていた。ポールはアメリカで使われていた駐車違反取締官の通称「メーター・メイド」という言葉から発展させてこの曲の作詞をした。いわゆる韻を踏んでリタ・メータメイドといった具合に出来上がったそうだ。ポールも何度か違反切符を切られた経験から取締官を茶化してセクシーな歌に仕上げたが、面白いエピソードが飛び出した。ミータ・デイヴィスという女性が実際にポールを取り締まったというのだ。彼はリタは架空の人物だと言っているが、彼女は自分の事を歌ったと信じきっていた。当時は新聞ネタにもなった様だ。作品としての面白さは随所にみられ、バックでは様々な工夫を凝らしている。エコーを強くかけたコーラスに加え紙をコム(櫛)で擦ってシャカシャカとアクセントをつけたり、エンディングではジャズ風ピアノとマイクに息を吹き掛ける音、そしてポールのDaDaDaというリズムが絡み合って独特の世界が展開される。この紙とクシを使ったサウンドは実際によく聴いてみるとバックコーラスのジョンとジョージが口で音を出している様に聞こえるのだが、当時の公式ビートルズ・マンスリーのレポートではやはり紙を使っていると言及している。また、中間部で演奏されるホンキートンク・ピアノ・ソロはジョージ・マーティンのプレイによるもの。 |
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