SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND
(サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド)
Time Data: 1分55秒  Recording Data: 1967年2月1日〜
Studio Data: EMIスタジオNo.2 Mixing Data: Take 10
オーケストラのチューニングから始まるイントロ曲は、ポールの構想に沿って生まれたビートルズの分身でもあるサージェント・ペパーズ・バンドを紹介する曲である。このアルバムから初めてビートルズは公式盤にステレオを導入した。当時まだステレオフォニックのフォーマットが完全ではなかったため通常のモノラル盤も同時発売された経緯がある。そのせいか、この一曲目から音が左右のスピーカーを自在に動き回る。ここではポールのヴォーカルが右側に固定されコーラスは左から中央に移動している。ミキシング技術でいういわゆるパンポットと呼ばれる技法でこれは全編を通じて随所に使われている。前作「リボルバー」から培われた様々な実験的手法はこの作品で成功を納める結果となり、オーケストレーションを得意とするジョージ・マーティンのセンスが際立つ作品が多い。この曲で聞こえる観衆のざわめきや拍手のサウンド・エフェクトは1961年にジョージ・マーティンが制作した「ビヨンド・ザ・フリンジ」という舞台劇での録音テープが使われている。また、冒頭のチューニング音は「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の録音時の音合わせの様子をそのまま使用している。曲は終盤にペパーズ・バンドのメンバーであるビリー・シアーズを紹介しながら次の曲につながっていく。つまり、ビリー・シアーズとはリンゴの事である。補足としてこの曲とペパーズ・バンドはそのまま後の彼等のアニメーション映画である「イエロー・サブマリン」にも登場することとなる。
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