時代は21世紀に入り、生活環境もずいぶんと様変わりした。デジタルの時代の恩恵として今実際にこうしてコンピュータでネットワーキングを楽しんでいるわけだが、映像をはじめとするメディアの世界も同様にデジタル花盛りである。プラズマ・ディスプレイやデジタル・ハイビジョンといった最先端の映像技術の進歩も素晴らしい。しかしまだまだ価格がバカ高いし、我々一般人には今しばらくは遠い存在でしかない。でもDVDの出現によって映像のクオリティーは格段に良くなった今、楽しめるものとしてはホーム・シアターがお薦め。3管式のプロジェクターが理想である事は当然だが、高価+設定+設置条件を考えるとなかなか導入には踏み切れない。そこでベストなのがLCP、つまり液晶プロジェクターなのだ。今では画質も格段に良くなり価格は逆にどんどん下がっているという我々には嬉しい状況だ。映画大好き人間のG.I.ウェルズはこれまでに3台のプロジェクターを導入した。15年あまり以前に初めて購入したのがVictorのSA−J100というLCPの草分け的な機種だった。実はこの機械、セイコー・エプソンのOEM(相手先ブランド技術供与)であり、当時はかなり高価なものだった。画素数(映像を作るドットだと思えばよい)は70,400ピクセルと今から比べるとかなり少なく、なおかつ輝度も低く、部屋を真っ暗にしなければ良く見えない状態だった。そして重要なパーツである光源ランプはおよそ200時間と寿命が短く、消耗費用がかかる問題もあった。しかしこのマシーンには楽しませてもらった。まだ独身だったので映画を観る時間はいくらでもあったしね。       
初代LCPのビクターSA-J100。かなりコンパクトなボディー。レンズは小さい。 背面には画像調節用のツマミと各種接続ジャック。右はランプのユニット。 ハロゲン・ランプは簡単に着脱可能。予備のユニットが隣に並んでいる。
続いて94年に導入したのは今や液晶技術では有名なシャープのXV−T2Zというマシーン。画素数は112,320で画質もかなりレベルの高い優れものだった。レンズがモーターでズームできるので比較的小さめの部屋でも100インチの映像が楽しめる。 この投写距離がLCPプロジェクターを選ぶ時の一つの重要な要素だ。大きな部屋を使える場合には問題無いが、居間とか自分の部屋でプライベートに楽しもうという場合にはやはり投写距離とスクリーンのサイズとの相関関係が重要なんだ。このXV−T2Zというマシーンはシルバー・ボディーの精悍なフォルムが特徴のプロトタイプ的なスタイルなんだ。輝度が高いので、現在ではサブ・マシーンとして自分の部屋の真ん中に置いて薄明かりの中での40インチ用に気軽に使用している。
XV-T2Zの外観。流線形のスタイルがお気に入り。内部の高熱を排出する冷却ファンの音が少々するものの、映画に夢中になる頃には気にならなくなる。 背面には入出力端子があるだけ。3管式の様な複雑なものは一切なく、極めて簡単にセットアップできる。 
そしてメイン・マシーンとして2年前に導入したのがやはりシャープ社製のXV−Z5000という機種。このマシーンに至っては画素数が309,120ピクセルと、初代のマシーンの実に4倍以上という精細画像を実現してくれる。また、レンズはズーム機能に加えシフト機能(上下に調節できる)もあって、スクリーンのサイズに画像をピタリとあわせられる。当然の様に輝度も一段とアッブしているので明るい部屋でもOK。でも、映画って限り無く暗い中で観なければ楽しめないよね。だからメーカーの「明るい空間でもこの画質」なんていう宣伝文句は無意味だと思うなぁ。ただ「感動の大きさは画面のサイズに比例する!」ってやつはそうそうまったくその通り、と言っておきたい。特にアクションものやSFものはどんなにスクリーンがでかくてもいいみたいだ。今はスケールの大きな映画も多いし、存分にホーム・シアターを愉しみたいものだね。ただ、今は何だかんだと忙しくてゆっくり映画を楽しむ時間的な余裕が少なくて悔しい。映画はテレビでは観ないという変な信念をもっているG.I.ウェルズだけに新作なんかはここしばらくご無沙汰が続いているけど、休みの日にはしばらく振りにビデオを借りてこようかなぁ。
マニアの間では永らく名機として賞賛されたXV-Z5000。反転投影やホワイトバランス、マスキング調整など機能は充実している。 背面はXV-T2Zとほぼ同じ。相変わらずシンプル。 実際はここにシャープのロゴ入りのプロテクト・カバーがバンパーの様に取り付けられている。
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