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 医療機器を修理するには?

 医療機器の修理を業として行うには、事業所(営業所)ごとに許可を受ける必要があります。


 この「修理」とは、故障、破損、劣化等の箇所を本来の状態・機能に回復させることをいい、当該箇所の交換も含みます。


 「修理」にあたるもの
  • 故障等の有無にかかわらず、解体の上点検し、必要に応じて劣化部品の交換等を行うオーバーホール

 「修理」にあたらないもの
  • 清掃、校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換等の保守点検
  • 修理業者を紹介する行為のみを行う場合

 「修理」にあたらないが、許可が必要となる場合
  • 医療機器の修理業務の全部を他の修理業者等に委託することにより実際の修理は行わないが、依頼者と修理契約を行う場合
 「修理」にあたるが、許可不要のもの
  • 医療機器製造業者が、自社製造品を修理する場合
    (ただし、包装・表示・保管の製造業者は除く)


 医療機器の修理業を行う場合には、修理する物・修理する方法に応じた区分ごとに、許可が必要となります。

 この修理区分は、下表の第1区分〜第9区分に分けられ、またそれぞれの区分は、「特定保守管理医療機器(以下、特管)」と、「特定保守管理医療機器以外の医療機器(以下、非特管)」に分かれます。
 
修理区分 特定保守管理
医療機器
特定保守管理
医療機器以外
第1区分 画像診断システム関連 特管 非特管
第2区分 生体現象計測・監視システム関連 特管 非特管
第3区分 治療用機器・医療用設備関連 特管 非特管
第4区分 人工臓器関連 特管 非特管
第5区分 光学機器関連 特管 非特管
第6区分 理学療法用機器関連 特管 非特管
第7区分 歯科用機器関連 特管 非特管
第8区分 検体検査用機器関連 特管 非特管
第9区分 鋼製器具・家庭用医療機器関連 特管 非特管
 従いまして、同一区分の医療機器を修理する場合であっても、その修理区分に関して非特管の許可しかない場合、修理しようとする医療機器が特管に該当すれば、その修理はできませんので注意が必要です。

 ただし、「第8区分:検体検査用機器関連」に関しては、平成17年4月1日以前に非特管(第8区分)の修理区分を有している場合、経過措置として、許可更新までは特管(第8区分)の修理区分を有するとみなされます。

 なお、許可更新後も特管(第8区分)修理を行う場合は、特管(第8区分)修理区分に係る資格を持つ責任技術者を配置して、当該修理区分を追加申請する必要があります。



 医療機器修理業の許可をとるには?

  医療機器修理業の許可は、事業所(営業所)ごとに事業所の所在する都道府県知事に対して申請します。


 申請人(法人の場合には、その役員)が次に該当する場合、許可は受けられません。

 ■ 欠格要件
  1. 薬事法第75条第1項の規定により許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者

  2. 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後3年を経過していない者

  3. 上記 1. 2. に該当する者を除くほか、薬事法、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者

  4. 成年被後見人又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者

  5. 心身の障害により製造・修理業者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの(業務を行うに当たって、必要な認知、判断及び意志疎通を適切に行うことができない者)


 許可申請にあたっては、次の要件を満たしている必要があります。

 ■ 許可要件
  1. 修理作業所の構造設備が、「薬局等構造設備基準」に適合すること

  2. 「責任技術者」を設置すること


【薬局等構造設備基準とは】

  • 構成部品等及び修理を行った医療機器を衛生的かつ安全に保管するために必要な設備を有すること。

  • 修理を行う医療機器の種類に応じ、構成部品等及び作理を行つた医療機器の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。
    (ただし、当該製造業者の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であつて、支障がないと認められる場合は除く。)

  • 修理を行うのに必要な設備及び器具を備えていること。

  • 修理を行う場所は、次に定めるところに適合するものであること。

    • 採光、照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。
    • 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
    • 作業を行うのに支障のない面積を有すること。
    • 防じん、防湿、防虫及び防そのための設備を有すること。
      (ただし、作業を行う医療機器により支障がないと認められる場合を除く。)
    • 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。
      (ただし、修理を行う医療機器により作業の性質上やむを得ないと認められる場合を除く。)
    • 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。

  • 作業室内に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のないものであること。

【責任技術者とは】

  • 「特定保守管理医療機器」の修理を行う修理業者の場合

    • 医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した後、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習及び専門講習を修了した者

    • 厚生労働大臣が上に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

  • 「特定保守管理医療機器以外」の修理を行う修理業者の場合

    • 医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した後、基礎講習を修了した者

    • 厚生労働大臣が上に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者


 許可申請にあたっては、概ね次の書類を作成・添付する必要があります。
申請・添付書類等
許可申請書
構造設備の概要一覧表
事業所の付近図
敷地内の建物の配置図
建物平面図
修理作業所、保管場所等の平面図
修理設備器具及び試験検査設備の概要書
雇用証明書
従事証明書
役員業務分掌表
医師の診断書
医療機器修理業責任技術者基礎講習修了証の写し
医療機器修理業責任技術者専門講習修了証の写し
法人登記事項証明書
※ 自治体によっては、FD申請が求められるところがあります。


 医療機器修理業で知っておきたいこと。

 許可の有効期間は5年となります。継続して修理業を行うには、有効期間満了の日の2ヶ月前までに更新申請を行う必要があります。

 また、修理区分を変更又は追加する場合には、許可が必要となります。
特に、第8区分の経過措置を受け、特管の修理を行っている場合には、当該修理区分を追加申請する必要がありますので注意してください。

・次の事項に変更が生じた場合には、30日以内に届出が必要です。

  修理業者の氏名又は住所
  責任技術者の氏名又は住所
  業務を行う役員
  事業所(営業所)の名称
  構造設備の主要部分
  修理区分の一部廃止

・営業所の廃止・休止し、休止した営業所を再開した場合には、30日以内に届出が必要です

・医療機器修理業の責任技術者は、継続研修を毎年度受講する必要があります。

・修理及び試験に関する記録その他当骸事業所の管理に関する記録を作成し、3年間保管する必要があります。



弊事務所では、医療機器修理業の許可・更新・変更届に関する相談、申請書類作成、並びに提出を代行します。

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