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ヤシガニ

別名ココナッツクラブ。方言名マッコン。
南西諸島以南の太平洋島嶼に生息する陸上最大の無脊椎動物。
カニと名が付くが正確には異尾類、ヤドカリやタラバガニの仲間。オカヤドカリ科に属する。
ヤシガニで特徴的なのは、他のオカヤドカリ同様、右のハサミに比べ、左の方が大きいこと。ごく幼いうちは巻貝の貝殻などに入っているのだが、この時、大きな左のハサミで貝殻の口に蓋をし、身を守る為だろう。
昼間は海岸林の中の隆起珊瑚礁の亀裂や木の根元に半円上の巣穴を掘って、その奥で眠っている。が、夜になると巣穴から這い出し、落果したアダンの果実や、その他の植物の果実、また打ち上げられた動物の死骸などを漁っている。
基本的にヤシガニは夜行性だが、夏のジメッとした暗い昼間には外を徘徊していることもある。
ほぼ北限にあたる琉球列島では冬場は寒いのか、あまり見かけない。
軽い冬眠状態で巣穴に篭っているらしい。

深いアダン林の中で、ガサガサいう音だけを頼りに捕獲したおよそ2キロほどのヤシガニ。最近ではこのクラスで大ヤシガニと呼ぶらしい。

左、メスの腹部内側。右、オスの腹部内側。
ヤシガニは宿貝を捨てる為、柔らかい腹部が弱点となる。背中側には鎧状の板が横向きに並び、保護されるが、内側はそういったプロテクターがない為、ぐっと腹側に巻いて保護している。ここが弱点で、挟まれた時には、落ち着いてここをくすぐるといい。身悶えして放してくれる。
ヤシガニのメスの腹には左側に腹肢と呼ばれる特別な足があり、ここに卵を産み付け、大潮の晩が来て、海に放卵する時まで、成熟させながら待つ。因みに、腹部の少し上にある一対の小さな足が第五脚。甲羅の裏側に挟み込まれている。

腹肢に赤く熟した卵を沢山つけたメスガニ。本来、こういう状態のメスは、触らない方がいいのだが(その晩は産卵を止めてしまうことがある)、撮影の為にちょっとの間、捕まってもらった。

大潮の晩、満潮の時間に合わせて、海岸への道を下るメスガニ。

波打ち際、今にも浚われそうになるぐらい波の激しい場所にある隆起珊瑚礁の岸壁で、放卵のタイミングを窺うメス達。
運が良ければ、彼女達が波が来るタイミングで、水の中に浸かり、体を振って放卵する様子が見れる。


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