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コメツキガニ
北海道南部以南の河口や内湾の砂泥地に住む小型のカニ。
ミナミコメツキガニ同様、潮が引いた時に陸上に現れ、表面の泥を口に運び、その中の有機物を濾しとって食べている。
但し、前種と決定的に違うのは、こちらは巣穴を掘ってそこに潜みくらしている点。前種のように潮が引いていくに従って水際を集団で移動していくといった採餌行動はとらない。
小さな巣穴の四方30センチほどが行動圏で、巣穴から出ては直線的に行動圏の外縁まで食事をしながら移動していく。彼等のこの行動の後に残される小さな砂団子が、巣穴から放射状になっているのは面白い。非常に臆病で観察するのは困難。
チゴガニ
河口付近でも、干潮によって陸化しやすい高いところに巣穴を作って住んでいる小さなカニ。辺りには彼等の群れがあるようで、幾つもの小さな巣穴が見られる。背中が泥色なのに対し、腹側は鮮やかな水色で、体の割には大きなカブラ型の白い手袋をはめたようなハサミが目立つ。このハサミを揃って万歳するように上下に素早く振る姿が可愛い。
フタハオサガニ
干潮時の泥地に近い水溜りなどでよく見かける2センチほどの小さなカニ。横に長く薄っぺらい体をしており、長さの割りに稼動域の小さなハサミ足、それから長く伸びた目が特徴。脅かすとそのままの姿勢ですぐに泥に潜り込む。この際、目はパタンパタンという感じで両横のスペースに収納されるが、潜望鏡のような役目も果たすのか、泥の中から一本づつ立ち上がって、様子を窺う仕草が面白い。これでもちゃんと肉食のカニ。
アナジャコの一種。
島では単にシャコとも言って魚釣りの餌に使う。河口周辺の転石下の水溜りなどに隠れていたり、干潟でも昔の珊瑚が泥の下に残り、泥の下の空間が入り組んだ構造をしている場所でよく見つける。近くを人が通ると「パチン!」と威嚇するような音を右の大きなハサミからさせる。マングローブ林床にはマングローブテッポウエビというのが住んでいるが、僕はこいつもその仲間と思っていた。だが、違っていたようだ。